連休中の閑暇を利用して自画像を描いてみた。鏡の中の自分の姿を描くのはちょうど10年ぶりだ。
自分の姿というのは、もっとも身近で、いつでもモデルに使える便利さがある。だからといって、そう頻繁に描きたくなるわけでもない。筆者の場合には、10年たってやっと、新しい自画像を描く気になったくらいだ。
画家には自画像が好きなタイプと、そうでないタイプがある。好きなタイプの代表格はセザンヌだろう。繰り返し自分の顔を描いている。ゴッホは、生涯の節目ごとに、記念写真代わりに自分の顔を描いた。だが数はそう多くはない。
筆者が好きな自画像は、デューラーのものだ。10代半ばに鉛筆で自分の姿を描いたのをはじめ、何枚かの自画像を残しているが、どれも表情が生き生きとしている。
こんなことをぼんやりと思いながら、鉛筆スケッチの上に水彩絵の具を置き、2時間ばかりかけて完成させた。自分なりに「マアマアだな」と思ったりする。
そこで早速妻に見せたところ、「黄昏の感じがよく出ているわ」といわれた。
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