2011年版の「子ども・子育て白書」が閣議決定された。男性の既婚率と所得の相関について分析し、年収300万円を境にして、それより低いと8-10パーセント、それを超えると25-40パーセントになると紹介。所得水準が、男性の結婚に重大な影響を及ぼしていることを、数字の裏付けを以て明らかにした。
雇用形態と既婚率との相関についても分析している。過去10年間において、30-34歳の男性の既婚率は、非正規雇用で30.2パーセント、正社員で59.6パーセントと、ほぼ倍の開きがあった。これは非正規雇用が低所得の原因となっていることを物語っている。
30歳代の子育て世代の年収をみると、1997年では500-699万円がもっとも多かったが、2007年には300万円台が最多になった。この10年間に、日本人の子育て世代の年収が劇的に低くなったことを物語っている。
こうしたデータを見ると、日本がここ10年ばかりの短い間に、若者にとって住みづらい国になってきたことが良く分かる。その最大の要因は、非正規雇用に見られる雇用形態の不安定化であり、その結果として結婚もできないという惨めさがある。こうした要員をいつまでも放置しておけば、少子化は更に劇的に進み、国の存立が危うくなる事態も見えてくる。恐ろしいことだ。
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