ドイツ、スイスに続いて、イタリアも反原発の選択をおこなった。今週おこなわれた国民投票で、原発推進への反対票が賛成票を上回ったのだ。福島原発事故の余震がもたらしたものといえる。
イタリアは今でもエネルギー輸入国で、フランス、ロシア、リビアからの輸入に頼る割合が高い。ベルルスコーニ政権はエネルギー安保の観点からこれを改善しようとし、その切り札として原発建設の再開を考えていた。2013年にも再開し、最終的には総エネルギー需要の4分の一をまかなう計画だったが、その構想に狂いが生じることとなった。
イタリアは、25年前のチェルノーブィリ原発事故の際にも、反原発の世論が高まり、原発の新規建設の中止を選択した経緯がある。福島はイタリア国民の反原発感情を決定的なものにしたようだ。
一方事故を起こした日本でも、反原発の世論は高まっている。そうした世論に押されて、定期検査を終えても運転を再開できない原子炉が増えている。日本の場合には、地元自治体の権限が強く、地元の首長が「ノー」といえば、再開できないからだ。このままでは、なし崩し的に、すべての原子炉が動かなくなる可能性も否定できない。(写真はリボルノの原発:AP)
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