2011年8月アーカイブ

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明治村には明治時代に建てられた洋館などが移築保存され、広く一般に公開されている。現在は67件の建築物等がある。広い敷地を四つのブロックに区切り、相互にゆとりを持って陳列している。みなそれぞれに興味を引く建物ばかりだが、筆者が一番絵になると思ったのが、この帝国ホテルだ。

息子邁とともに一足早く黄州についた蘇軾は、残りの家族が来るのを待つ間、定恵院という寺に仮住まいした。そこは長江から少し離れ、樹木が鬱蒼と茂った山の中にあった。

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野田財務大臣が民主党総裁選を制し、日本の次の首相になることが決まったことについて、海外のメディアがどう受け止めているか、主要な新聞をあたってみた。

今は昔、七月ばかりに、大和國より多くの馬共に瓜を乗せて、下衆どもが京へ上っていった。宇治の北に、成らぬ柿の木という木があった。下衆どもはその木影にとどまって、瓜の籠を馬から下ろして休みながら、自分用にとっておいた瓜を取り出して食った。

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野田財務大臣が民主党の新しい総裁に選出された。当然のことながら、菅総理大臣に次ぐ日本の新しい総理大臣の誕生である。だがその誕生を素直に喜ぶ人は、野田さんの仲間を除けば、ほとんどいないのではないか。むしろ彼の政治的手腕に疑問を抱き、日本の将来に不安を覚える人のほうが圧倒的に多いだろう。

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この絵には背景としてアントワープの町が描かれているという。ブリューゲルがアントワープを描いたのはこの絵だけだ。これを描いた翌年(1563年)、ブリューゲルはアントワープを去ってブリュッセルに移り住んだ。

先日伊豆修善寺の温泉につかった湯仲間たちと、新宿二丁目の鱧料理屋で鱧のフルコースを食った。どういうわけか、湯の中で鱧のことが話題に上り、鱧には目がないという山子が是非食わせる店に連れて行けと言い出したのだった。その店は新宿二丁目の一角にある花膳という鱧専門の料理屋で、筆者がつい最近までいたオフィスとは目と鼻の先にある。

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菅総理大臣が福島県庁に佐藤知事を訪ね、原発周辺の被災地への帰宅の見通しと汚染土壌の中間貯蔵の問題について見解を述べた。原発周辺の汚染は想像以上にひどく、今後長期間にわたって住めない状況が続くこと、福島県内の汚染土壌や瓦礫は、当面は県内で中間貯蔵してほしいという内容だ。これに対して佐藤知事は、県内での中間貯蔵は突然の話で非常に困惑していると答えた。

エズラ・パウンドの詩集「ペルソナ」から「出会い」The Encounter(壺齋散人訳)

  あいつらが新しい道徳について語り合っている間中
  彼女の目は俺を探してたっけ
  そして俺が立ちあがろうとしたら
  日本製の紙タオルのような肌触りで
  彼女の指が俺をなでてくれたんだ

リア王の道化はリア王が転落を始めるころに現れ、そして王が完全な狂乱状態になる頃にスウーッと消え去る。このことからこの道化を、リア王の分裂した意識の片割れと見立てることも可能だ。

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1970年代に発見されたイヌ科と見られる動物の化石は、3万3千年前の犬のものだった。こんな事実を、ロシア科学アカデミーのヤーロスラフ・クージミン(Ярослав Кузьмин)氏が発表した。

ハードボイルド・ワンダーランドには、太った女の子のほかにもうひとり、名前のない女の子が現れる。図書館員の女の子だ。彼女は年齢が29歳になり、結婚したこともあることが明らかにされるが、主人公は彼女を常に「女の子」と呼ぶ。このことはもしかしたら、女性に対する差別意識の表れではないか、こんな風に受け取られる危険につながるかもしれない。それでも村上は、女性たちを名前で呼ばず、単に「女の子」と呼び続けるのだ。

ロベール・デスノスの詩集 Les Ténèbres から「ほかならぬ君(Jamais d'autre que toi)」(壺齋散人訳)

  星々でもなく孤独でもなく
  夜のしじまに倒された木の枝でもなく
  ほかならぬ君こそが僕と同じ道を歩む
  そして君が遠ざかりゆくほど君の影が大きくなるのを僕は感じる

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先日(8月23日)の午後ヴァージニア州を震源とする地震がワシントンやニューヨークなど東海岸の大都市を直撃し、大パニックになったという。

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北朝鮮の金正日大将軍とロシアのメドヴェージェフ大統領がシベリア中部の都市ウラン・ウデ近郊で2002年以来という朝露首脳会談を行った。金正日は例のお召し列車に乗ってシベリア平原を長旅し、国を出て4日目にウラン・ウデに到着した。

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リビアのカダフィ政権がついに崩壊した。反体制派が首都トリポリをほぼ全面的に制圧し、カダフィ大佐が立てこもって最後の抵抗の拠点としていた軍事施設も制圧、カダフィ大佐本人はまだ行方不明の状態だが、逮捕されるのは時間の問題だ。カダフィ政権は後戻りのできない崩壊過程を始めたといえる。

元豊2年(1079)の大晦日に、蘇軾は4か月余りにわたる拘禁の末に、釈放されて出獄した。獄門を出ると、蘇軾はしばらく立ち止まって空気を吸い、街をゆく人々の姿を眺めたり、カササギの声に聞き入ったりして、自由の身になった喜びを噛みしめた。

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上の写真(ナショナル・ジオグラフィック)は、インドネシアのブキ・バリサン・セラタン国立公園に生息するブタオザル(Pig-tailed macaque)2008~10年の熱帯7カ国調査で設置された420台のカメラトラップ(自動撮影装置)のうちの1台がその姿をとらえた。

今は昔、腹の中にサナダ虫を持っていた女がいた。某という人の妻になり、懐妊して男子を産んだ。その子の名は某といい、成人後出世して、ついに信濃守となった。

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新藤兼人監督が100歳になるのを前にして、自分の監督人生の総決算となる映画を作ったというので、大変な話題になっている。筆者もその噂を聞いて映画館に足を運んだ一人だ。果して筆者が入った新宿テアトル座は、年配の男女で満員だった。

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ブリューゲルは聖書に題材をとった作品をいくつか描いているが、この「サウルの自殺」もその一つである。ブリューゲルはこの絵を「サムエル記」の記述をもとに描いた。

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朝鮮王朝儀軌をはじめ、植民地時代の朝鮮から日本に持ち出された図書1200冊ばかりの「返還」を巡って、先日政治的な騒ぎがあったばかりだが、そもそもこれらの図書類がなぜどのような経緯で日本にわたってきたかについては、これまであまり知られていなかった。大部分が宮内庁書陵部という特別な空間にひっそりとしまわれてきたからだろう。

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ソ連共産党の崩壊につながった歴史的な事件、ゴスバチョフに対するクーデター騒ぎからちょうど20年になる。20年前の1991年8月19日、ゴルバチョフの行き過ぎた民主化に恐怖心を抱いた共産党の幹部たちが、クリミアに旅行中のゴルバチョフを軟禁し、権力を掌握しようとしたのに対して、イェリツィンらの民主化勢力が立ちはだかり、クーデターは三日後に収束、この事件をきっかけに共産党は非合法化され、12月の末には、ソ連邦は解体に追い込まれた。

エズラ・パウンドの詩集「ペルソナ」から「性交」Coitus(壺齋散人訳)

  クロッカスのような金色の男根が
  春の風を浴びて屹立している
  ここには死んだ神は縁がない
  祝祭の行進があるのみだ
  ここはジュリオ・ロマーノの描いた世界だ
  月の女神が君臨する世界だ

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郡上八幡は天守閣と盆踊りで有名だが、うだつのある街としても知られている。「うだつがあがる、あがらぬ」のあのうだつである。二階の両側に不燃性の壁をせり出し、火災の類焼を防ぐという工夫である。

リア王の物語は、リチャード三世に始まる歴史劇と同様に、王権を巡る物語ではあるが、こちらは自ら王権を手放した愚かな王の転落と屈辱の物語である。

ハードボイルド・ワンダーランドには主人公「私」の同伴者として「太った娘」が出てくる。彼女はまだ17歳で、子どもと大人の中間の段階にある未成熟な女性だ。だから私にとって性愛の対象にはならない。その点で、「ダンス、ダンス、ダンス」の中に出てくる霊感少女ユキと似ているところがある。だがユキがまだ13歳でほんとの子どもなのに対して、この太った娘は17歳で大人っぽい一面も持っている。彼女はしきりに私とのセックス願望をほのめかすのだ。

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ココ・シャネル(Coco Chanel)はナチスのスパイだった、こんな衝撃的な事実を、アメリカ人作家ハル・ヴォーン(Hal Vaughan)氏が近著"Sleeping with the Enemy: Coco Chanel's Secret War"の中で、詳細にあとづけしている。

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動き出した民主党総裁レースを、筆者は小人の背比べにたとえたが、そのレースに小人の選手がもう一人加わるという。先日国会論戦の場で野党から厳しい追求を受け、顔をくしゃくしゃにして泣きべそをかいた某大臣だ。

ロベール・デスノスの詩集 Les Ténèbres から「漆黒の命(Vie d'ébène)」(壺齋散人訳)

  恐ろしい静寂がこの日の徴となるだろう
  静寂を破るのは街灯の影と火災警報だけだろう
  あらゆるものがみな一様に沈黙するだろう
  乳飲み子でさえ死に絶え
  タグボートも機関車も風も
  静かにすべり行くだけだろう

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ユリア・チモシェンコ(Ю́лия Тимоше́нко)は、2004年から2005年にかけてウクライナに吹き荒れたオレンジ革命のシンボルのような女性だ。民衆の先頭に立って自由化を訴えつづけたその姿から、ウクライナのジャンヌ・ダルクと呼ばれる。

菅総理大臣が退場を呑んだことで、民主党の後継総裁選びが一気に本格化した。早ければ8月中にも選出手続きが行われそうで、野田財務大臣、鹿野農水大臣、馬渕元国交大臣、小沢元環境大臣などが出馬に意欲を見せているが、いまのところ野田財務大臣が一歩リードしているようだ。だがその野田氏を含めて、どの候補者も政治家としての手腕が不足しているのは否みがたく、これで果たして日本国総理大臣が立派に勤まるのか。誰もが不安に思うところだろう。

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高速鉄道事故の対応をめぐって、高圧的で国民を愚弄するかのような言動を繰り返していた中国鉄道省の報道官が解任された。当局の責任を追及する広範な世論の盛り上がりを、共産党の指導部が無視できなくなったことのあらわれだ。

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先日処女航海した中国の空母は、鳴り物入りでデビューしたにしては、分からぬことが多い。第一いまだに名前もついていない。またどこに配属されるかも分からない。それ以上に、空母がきちんと任務を果たすには、艦上機のほかに、それなりの船団組織が必要だが、その空母にはそれらが用意されていない。これではまともな役割が果たせない。こんなわけで世界中が中国海軍の意図を測りかねているというのが実情だ。

蘇軾が獄中で死を覚悟し、弟の蘇轍に贈った詩二首のうちの二つ目である。自分が死んだ後に妻子が路頭に迷わぬよう、面倒を見て遣ってほしい、そんな気持ちが伝わってくる。

  柏臺霜氣夜淒淒  柏臺の霜氣 夜淒淒たり
  風動琅璫月向低  風は琅璫を動かし 月は低きに向ふ
  夢繞雲山心似鹿  夢は雲山を繞り 心は鹿に似たり
  魂驚湯火命如雞  魂は湯火を驚かし 命は雞の如し
  眼中犀角真吾子  眼中の犀角 真に吾が子
  身後牛衣愧老妻  身後の牛衣 老妻に愧づ
  百歲神游定何處  百歲の神游 定めて何れの處ぞ
  桐郷知葬浙江西  桐郷は知る 浙江の西に葬らるると

アメリカの投資会社バークシャー・ハサウェイのCEOで、億万長者として知られるウォーレン・バフェット氏が、殊勝な提案をニューヨーク・タイムズ紙に寄稿して話題を呼んでいるということだ。

今は昔、信濃守藤原陳忠という人があった。任國の務めを終えて帰京する途中御坂に差し掛かった。多くの馬に人や荷を積んで坂を越えていくと、守の乗っていた馬がどうしたわけか、懸橋の端木に後ろ足を踏み外して、守もろとも真っ逆さまに落ちていった。

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日中戦争から米英との全面戦争に発展したあの無謀な戦争で、日本は310万人もの国民の命を消耗した。かけた戦費もまた膨大な額に上った。日中戦争以降の8年間に限っても、7559億円、現在の価値に換算して300兆円に上る。今の日本のGDPは500兆円弱だから、その6割ほどの規模だ。

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ブリューゲルの時代には、死は身近な出来事だった。戦争や疫病によって、人々はごく簡単に死んでいったものだ。そこは死が勝ち誇った世界だったわけである。そんな死の威力を、画家たちはつかれたように描いた。死の舞踏とか、死の勝利といったテーマのもとで。

狂言「鶏婿」

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狂言には「婿狂言」に分類される曲が10数曲あり、それらはさらに、婿選び、婿入り、婿と舅の喧嘩に再分類される。「鶏婿」は、「包丁婿」、「音曲婿」、「引敷婿」とならんで婿入りをテーマにした作品である。

エズラ・パウンドの詩「地下鉄の駅で」In a Station of the Metro(壺齋散人訳)

  群集のなかのこれらの顔の表情は
  雨に濡れた枝に芽吹いた蕾のようだ

福島原発事故による子供の放射線被ばくの実態が3月下旬に行われたが、その調査結果と被曝の子どもに対する影響の見込みが、日本小児科学会の場で発表された。

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セサミストリートのキャラクターの中で、アーニーとバートはどうもゲイ・カップルのようだ。番組では彼らがゲイだなんて一言も触れていないが、彼らの雰囲気から自然とそう受け取れる。そこで視聴者の中から、彼らを堂々と結婚させてやるべきだとの意見が持ち上がってきた。彼らが暮らすニューヨークで、同性結婚が合法化された事態を踏まえての動きだ。

ヤン・コットは「リア王」をグロテスク劇としてとらえなおした。グロテスク劇とは、ヤン・コットの定義によれば、「別の言葉で書き直された悲劇」ということになるが、悲劇と異なって、人間を超越した絶対者が意味をなさない世界を描いた劇、したがってカタルシスのない劇である。観客はそこに一切慰めを感じとることができない。ただただ救いのない結末に呆然とするほかはないのだ。

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8月6日にロンドンで始まった暴動は他の大都市にも拡大し、これまで(12日まで)に1200人が拘留される事態に発展した。夏休み中だったキャメロン首相は、事態の鎮圧を図るため、休暇を返上して陣頭指揮に立っている。なにしろ来年にロンドン・オリンピックを控え、安全に疑問が出るようなら、国の威信にかかわるとあって、徹底的な鎮圧に向けて断固たる姿勢を示している。

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」という奇妙なタイトルを持った村上春樹のこの小説は、ふたつの独立した物語が交互に進行するという体裁をとっている。「ハードボイルド・ワンダーランド」では、タイトル通りSF的な冒険が展開され、「世界の終わり」では、自分の影を失うことで心まで失っていく男の物語が進行していく。

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中国海軍が歴史上初めて空母を建造し、実戦に向けて就航させた。これは1998年にウクライナから買ったポンコツ船を改造したもので、どこまで実戦に耐える代物か、専門家の中には頭をひねる向きもあるようだが、とにかく中国海軍が自前の空母を持つに至ったということの、歴史的な意味は大きい。

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読売の10日付け社説が「核燃サイクル 無責任な首相の政策見直し論」と題して、菅総理大臣が国会で表明した「核燃料サイクル見直し論」を強く批判している。批判の論点は、原子力信仰に立った他愛のないものだが、そのなかに核燃料の再処理が潜在的な核抑止力として働いているという記述があって、おやおやと感じだ。

ロベール・デスノスの詩集「Les ténèbres(1927)」から「昔々(Dans bien longtemps)」(壺齋散人訳)

  昔々 葉っぱの城を通りがかった
  葉っぱは苔にまみれ黄ばんでいた
  遠くの海では フジツボが岩にへばりつき
  その場所に君の面影もへばりついていた
  透明な面影が
  あれから何もかもが僕のコメカミ 僕の瞳と同じ速度で年をとった
  こんないいかたは月並みかい?
  でも僕にとっては洒落た言い回しなのさ
  年をとらないのは君だけだ

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先稿「人イヌにあう」の中で、犬の祖先は狼から分かれた蓋然性が高いこと、犬の家畜化は一番古く見積もっても1万7000年前のことらしいと述べた。その後の研究で、犬の祖先は狼に間違いないこと、その家畜化は2万6000年前に遡ることが分かってきた。

蘇軾は元豊2年(1079)7月28日に逮捕され、8月18日に御史台の獄に投ぜられた。だが獄中の蘇軾は、そんなにひどい待遇は受けなかった。というのも、獄卒の一人が蘇軾を非常に尊敬していて、彼のために何かと便宜を図らってくれたからだ。そのひとつに、毎夜足を洗う樽を持ってきてくれたことがあげられる。これは今でも四川人の風習とされているものである。

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ロンドンでちょっとした暴動騒ぎが起きている。8月6日の夕方、トッテナム地区で始まった若者たちによる暴動が、三日連続して続き、次第に規模と範囲を拡大している。これに対してロンドン警視庁は徹底的な弾圧姿勢でのぞんでいるようだ。

今は昔、右舎人から大蔵の丞になって、後には冠位を賜って大蔵大夫と呼ばれた紀助延というものがあった。若い頃、米を人に貸して利息を付けて返させたので、それがつもりに積もって四五万石にもなり、世の人はこれを万石の大夫と呼んだ。

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8月の初旬は東北地方にとっては夏祭りのシーズンだ。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた地方にも、そうした夏祭りが多く伝わっている。相馬の野馬追や仙台の七夕など、その代表的なものだ。岩手県の陸前高田も日本でただ一つという動く七夕の伝統を伝えてきた。

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広島・長崎への原爆投下については、これまでは日本軍や日本政府当局が想定していない事態のもとで、不意打ちのような形で起きたとされてきた。ところが、最近のNHKの調査の結果、日本軍はアメリカの原爆開発の動向を十分に察知していたばかりか、原爆投下に先立って、事前にB29の動きを察知していたことまで明らかになった。

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「悪女フリート」は、フランドルの説話に出てくるキャラクターだ。地獄の入り口に立って、やってくる人々を待ち構え、彼らから身ぐるみをはぐという、とてつもない女のことだ。ブリューゲルはこの悪女を題材にして、この絵を描いた。

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「亭主の浮気をいちいち気にはしていられないわ。男が女にもてるのは、男の甲斐性よ。女にもてない男は、男としての魅力がないわ」こう語るのは、セックス・スキャンダルの主人公ストロス・カーンの細君アンヌ・サンクレール(Anne Sinclair)女史だ。

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アメリカの格付け会社スタンダード&プアーズが、米国債の格付けを最上位のAAAから一ランク下のAA+に格下げすると発表した。格付け会社ムーディーズが1917年に米国債の格付をAAAに設定したのをスタートラインとして、米国債は今までに一度も格下げされたことはなかった。それだけに、今回の格下げはアメリカの威信が揺らぎ始めた象徴的な出来事としてとらえられる向きもある。

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広島の原爆体験を描いた漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さんが、平和祈念式典にはじめて参加したと聞いて、筆者はちょっぴり驚いた。中沢さんは子供の時に広島で被爆し、その時のことを漫画という形で広く世界に訴えてきた人だ。筆者も中沢さんの漫画を通して、被曝の悲惨な実態の一端を知ることができた。だから中沢さんは当然、毎年行われる記念式典にも何らかのかたちでかかわり合ってきたのだろうと、勝手に思い込んでいたのだった。

エズラ・パウンドの詩集「戦いの始まり」The Coming Of War(壺齋散人訳)

  レテのイメージ
  金色の
  淡い光が満ちた
  野原
  灰色の断崖
  その下には

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横浜三渓園は、本牧の海にせり出した高台の上にある。17万5000平方メートルに及ぶ広大な日本庭園である。園内には京都や鎌倉など日本各地の古建築が移築されており、四季折々の花と共に、これらの建築物を鑑賞しながら、広い園内を散策できる。

デスデモーナはシェイクスピアの造形した女性としては、両義的で複雑な性格を持たされている。彼女はマクベス夫人のように邪悪ではないが、自分の周りに邪悪な運命を招きよせる。一方では夫に対して従順でありながら、自分の周りの男たちを欲望でがんじがらめにしてしまうのである。

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欧米の株式市場が下落傾向を強めている。4日のニューヨーク市場では、ダウ平均が500ポイント(4,31パーセント)を超える下落となり、一日の下げとしては、金融危機のさなかの2008年12月1日(679ドル95セント)以来の大きさとなった。

与野党の政治的駆け引きの結果、子ども手当の実質的な廃止が決まった。自民・公明両党が民主等のばら撒き政策のシンボルとして、その廃止を強く求めたのに対して、菅総理大臣の退陣の環境を整えたい民主党執行部が、妥協を図った結果だ。それ故、国民の目には、政策論争というより、権力争いのだしに使われたのではないかとも映る。

オイディプスが受けた予言は父親を殺し、母親と交わるというものだったが、「海辺のカフカ」の少年にはこれに加えて、姉を犯すという予言が下されていた。

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日本の今年の防衛白書は、中国の海洋活動について「拡大・活発化している」と指摘し、周辺諸国への対応は「高圧的ともいえる」と懸念を表明している。南沙諸島などをめぐる周辺国との衝突や南西諸島周辺における中国海軍の活発な動きを踏まえたものだ。

東京電力による原発事故の賠償を支援する法律「原子力損害賠償支援機構法」が成立した。最終的な賠償責任は東電にあるとしながらも、国にも責任の一端を認め、損害賠償の迅速かつ適切な実施を進めようとするものだ。そのため第三者機関「原子力損害賠償支援機構」を設立し、被害者への損害賠償を肩代わりすることで、迅速な賠償を進める、これが基本的なスキームだ。

ロベール・デスノスの詩集「Les ténèbres(1927)」から「樫の木の芯(Avec le cœur du chêne)」(壺齋散人訳)

  この木から切り出した材木で 樫の木の芯で
  カバノキの皮で どれくらいの空を どれくらいの海を
  またイザベルの足にはどれくらいのスリッパを 作ってやれるかな

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8月1日はラマダンが始まる日、それにあわせてシリアの治安部隊がデモ隊に大規模な攻撃をかけた。ラマダンを通じて国民の反抗精神が高まることを警戒しての、事前攻撃だったとする見方が有力だ。

蘇軾の投獄

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元豊二年(1079)蘇軾は徐州の知事から湖州の知事に転任した。その際蘇軾は皇帝に奉る感謝状「湖州謝表」を作った。その謝表の中で、蘇軾は新法派の役人たちを批判した。これが批判の対象とされた役人たちを怒らせ、蘇軾を弾劾させたのだった。

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8月2日のタイムリミット寸前までもめていた米債務上限問題について、民主・共和両党の間で妥協が成立し、当面は連邦政府によるデフォルトや国債格下げといった事態は回避される見通しとなった。

韓国 北朝鮮 日本 中国(含台湾)
1950 18859 10815 83625 554760
1960 25003 11430 94096 657492
1970 31923 14397 104331 830675
1980 38124 17196 116807 998877
1990 42869 19956 123537 1155305
2000 46835 22268 127034 1275215
2010 49081 23270 127998 1364875

上の表は国連人口統計に基づく東アジア各国の人口の推移だ(単位は千人)。1950年から2010年までの推移を示したのは、南北分断以降の、韓国と北朝鮮の人口推移を比較するのが目的。

今は昔、池尾という所に禅珍内供という僧が住んでいた。身を淨くして眞言をよく習い、修行怠りなかったので、堂塔・僧房なども荒れたところなく、常燈・佛聖なども絶えなかった。また季節ごとのお供えものやお説教も絶えなかったので、多くの僧が集まってきた。毎夜のように風呂を沸かして浴び、それは賑やかであった。それ故、寺の周りには多くの人が集まり住んだ。

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霧の摩周湖といわれるように、摩周湖は年間100日以上も霧に覆われる日本有数の霧の名所だ。多彩な霧の中でも、滝霧といわれる霧は、分厚い雲のような形状の霧が、周囲の断崖から滝のようになって水面に落ちる。そのさまがまるでナイアガラの滝を見ているようだと、誰もが感心する。しかしこの滝霧は年に数回しか見られないことから、幻の霧とも言われている。その霧がどのようにして生まれるのか、NHKスペシャルが追跡報道した。題して「幻の滝 摩周湖 神秘の夏」

北朝鮮ツウで知られる吉田康彦氏の著作「北朝鮮を見る、聞く、歩く」(平凡社刊)を読んだ。氏はかつて北朝鮮シンパを自認し、北朝鮮による日本人拉致問題は、でっち上げか何かの間違いだなどと云って世間の顰蹙を買ったことがあったようだが、この本の中ではそうしたいきさつを自己批判して、より客観的な立場から北朝鮮の現状について案内したい旨のことをといっている。

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悪魔や地獄そして死神といったテーマは、ブリューゲルの時代の人々にとってはなじみの深いものだった。その時代には宗教対立やそれが原因になった宗教戦争が日常的に行われ、多くの人々が互いに敵を悪魔と罵りあい、殺し合った。一方でペストをはじめ疫病が繰り返し人々を襲い、死は世界中に充満していた。



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