ロンドンでちょっとした暴動騒ぎが起きている。8月6日の夕方、トッテナム地区で始まった若者たちによる暴動が、三日連続して続き、次第に規模と範囲を拡大している。これに対してロンドン警視庁は徹底的な弾圧姿勢でのぞんでいるようだ。
暴動の発端は8月4日に起きたある事件。タクシーに乗っていたある青年が警察官によって射殺された。その弔いの集会が6日に行われたところ、警察の横暴に抗議する若者たちが、パトカーに火をつけたり、商店の略奪を始めたというわけだ。
いまのところ、若者たちの暴動は、青年殺害への抗議行動に便乗した悪質な略奪行為だと見られている。しかし彼らの行為に、今日のイギリスが抱える社会的閉塞感が反映されていることもまた、否めないことのようだ。
高い失業率に示される経済の不況感とならんでインフレの進行が庶民の生活を直撃している。またマードック・スキャンダルで暴露された権力の腐敗といった現象が、若者たちの怒りを煽っている、こんな見方もある。(写真はAFPから)
コメントする