先日、サウジアラビアのジッダ裁判所が、女性が無免許で車を運転した罪で、むち打ち10回の身体刑を課した所、サウジアラビア国内の女性たちはもとより、世界中の男女から批判を浴びた。筆者などは、むち打ち刑などという、前時代的な刑罰がいまだに残っていることに驚かされたが、それ以上に、女性に車の運転を禁止しているサウジアラビアの封建的な体質にも驚かされた。
先日、サウジアラビアのジッダ裁判所が、女性が無免許で車を運転した罪で、むち打ち10回の身体刑を課した所、サウジアラビア国内の女性たちはもとより、世界中の男女から批判を浴びた。筆者などは、むち打ち刑などという、前時代的な刑罰がいまだに残っていることに驚かされたが、それ以上に、女性に車の運転を禁止しているサウジアラビアの封建的な体質にも驚かされた。
マリナーズのイチロー選手が大リーグ11年目のシーズン日程をすべて終了した。成績は184安打、打率 .272 で、11年連続200本安打以上の記録達成はならず、打率も初めて3割を下回った。
「ねじまき鳥クロニクル」の主人公僕が井戸の底に興味を抱くようになったきっかけは間宮中尉から聞いた話だった。外蒙古でロシア人たちに捕らえられ、仲間の山本が皮をはがれて死んだ後、中尉は枯井戸のそばへ連れて行かれ、ここで銃で撃たれて死ぬか、井戸の中に飛び込むかどちらかを選べといわれる。井戸の中に飛び込んでも、巨大な砂漠の中のちっぽけな空間で生き残る可能性はゼロに等しい。それでも中尉はとっさの判断で、銃に撃たれるより井戸の中に飛び込むことを選んだのだった。
今年の6月に広州で起きた暴動騒ぎは、今の中国社会が抱えている格差問題をあぶりだした。急速な経済成長の陰で、その恩恵から零れ落ちるばかりか、差別的な待遇にあえいでいる農民工と呼ばれる人たちの存在が、俄然クローズアップされたのである。
パリには凱旋門が二つある。ひとつはエトワール広場に、もうひとつはルーブル宮殿の西外れのカルーゼル広場に建っている。両者はシャンゼリゼー通りとチュイルリー庭園を挟んで向かい合っている。
ロベール・デスノスの詩集「Etat de Veille(1943)」から「明日(Demain)」(壺齋散人訳)
百歳になっても僕には君を待つ気力がある
明日に希望を予感しながら
体のあちこちに捻挫の跡があるけれど
新たな夜明け 新鮮な夕べと いうことができる
蘇軾の五言古詩「東坡八首其四」(壺齋散人注)
種稻清明前 稻を種う清明の前
樂事我能數 樂事 我能く數へん
毛空暗春澤 毛空 春澤暗く
針水聞好語 針水 好語を聞く
分秧及初夏 秧を分ちて初夏に及び
漸喜風葉舉 漸く喜ぶ風葉の舉がるを
月明看露上 月明らかにして露の上るを看る
一一珠垂縷 一一 珠 縷を垂る
先日浙江省で起きた高速鉄道の大事故からまだ2ヶ月しかたっていないというのに、今度(9月27日)は上海の地下鉄で大規模な衝突事故が起きた。この事故で、死者こそ報告されていないが、日本人2人を含む270以上の乗客が負傷した。
ロシア副首相兼財務相アレクセイ・クドリン(Алексей Леонидович Кудрин)の辞任劇をめぐって小さな波紋が起きている。
いわゆる陸山会事件をめぐる裁判の一審判決が出され、小沢一郎代議士の秘書ら3人に有罪判決が下された。三大新聞をはじめ大方のメディアは、この判決を当然のこととして受け止め、小沢一郎代議士の責任を改めて云々している。
今は昔、京に住んでいた男があった。妻が丹波の国のものだったので、あるとき丹波まで妻を連れて行った。妻を馬に乗せ、自分は竹の箙に矢を10本差し、弓を握って馬の背後から歩いていった。大江山に差し掛かった頃、太刀を帯びた若い男と一緒になった。話し合うついでに、若い男が太刀を見せて、「この太刀は陸奥ノ国から伝わる逸品です、どうぞ見て御覧なさい」と太刀を抜いて見せた。見事な太刀であった。
宮崎県の深い山奥に今でも焼畑を行っている人がいるという。椎葉クニ子さんといって、87歳の女性がひとりで焼畑の伝統を守っているのだそうだ。その様子を紹介したNHKの番組を見て、筆者はいたく感動した。題して「クニ子おばばと不思議の森」
ブリューゲルは「東方三博士の礼拝」をテーマにした絵を三点描いた。この絵はその最初の作品。このテーマはブリューゲルの先輩ボスも好んで取り上げたから、あるいはそれに触発されたのかもしれない。
プーチンがロシアの大統領に復活することになった。与党統一ロシア(Единая Россия)の大会席上、来年行われる大統領選挙に立候補することを明らかにしたのだ。プーチンには事実上対抗馬は存在しえないから、彼の意思がそのまま通ることになる。なお、メドヴェージェフはプーチンの下で首相を勤めることに意欲を見せているらしい。
20代末期から40代前半の女性を熟女と呼べるとすれば、彼女ら熟女たちは、他のどの年代の女性よりも、セックスに対して積極的である。それもそのはず、そのことは人類の女性に遺伝的に仕組まれた傾向なのだ。こんな仮説を、米テキサス大学のデヴィッド・バス(David Buss)博士が最近の研究レポート"Personality and Individual Differences"の中で展開している。
エズラ・パウンドの詩集「ヒュー・セルウィン・モーバリー(Hugh Selwyn Mauberley)」の第二の詩(壺齋散人訳)
時代が求めたのは
あわただしいしかめ面のイメージ
現代という時代に相応しい何かであって
断じて アッテイカの優雅ではない
素粒子ニュートリノが光より早く飛ぶことを発見したとするニュースが世界中を震撼させた。もしそれが事実ならば、アインシュタインが確立した特殊相対性理論は誤っていたということになり、現代物理学は根本的な立て直しを迫られるからだ。その影響の大きさから、今回の実験グループも、「拙速な結論や物理的解釈をするべきではない」とコメントしている。
マクベスが自分一人の意思で、誰の手も借りずにダンカンを殺したとしたら、この劇の構造はそんなに複雑なものにはならなかっただろう。彼は魔女たちの予言を信じて自分が王にとって代わろうとした浅はかな男であり、そのために王を殺した殺人者であり、その罪の報いを受けて殺されざるを得なかった哀れな男であった、ということになるだけだ。
村上春樹の小説「ねじまき鳥クロニクル」では、バットが暴力の徴票として機能している。バットというものは基本的にはボールを打つために作られているのに、それが人間を殴ったり叩き殺したりするために使われるとき、おどろおどろしい人間の暴力性が濃縮してあらわれるグロテスクな道具となるのだ。
今年は台風の当たり年だ。12号に続いて15号が日本列島を直撃、九州から東北にかけ死者・不明が17人に上るなど広い範囲で災害をもたらした。
ロベール・デスノスの詩集「Etat de Veille(1943)」から「今日 僕はあいつと一緒に散歩したんだ(Aujourd'hui je me suis promené...)」(壺齋散人訳)
今日 僕はあいつと一緒に散歩したんだ
たとえあいつが死んでたとしても
僕はあいつと散歩したんだ
二つの太陽を持つ惑星が確認できたと、NASAの研究グループが発表した。惑星が太陽を持つというのがふさわしくないというなら、二つの太陽を親星として、その周囲を回転している惑星があったと言い換えてもよい。
蘇軾の詩から「東坡八首其二」
荒田雖浪莽 荒田浪莽たりと雖も
高庳各有適 高庳各々適する有り
下隰種亢余 下隰に亢余を種ゑ
東原蒔棗栗 東原に棗栗を蒔かん
江南有蜀士 江南に蜀士有り
桑果已許乞 桑果已に乞ふを許せり
好竹不難栽 好竹栽するに難からず
但恐鞭橫逸 但だ恐る鞭の橫逸するを
モンマルトルの丘の北側の斜面の一角に、絵にあるようなしゃれた建物が建っている。キャバレー・オー・ラパン・アジール(Au Lapin Agile)といって、シャンソン喫茶のようなものだ。
今は昔、袴垂という盗人があった。盗みのとがで捕らえられ獄につながれていたところを、大赦にあって出獄したが、行く宛もなく、やることもないので、関山に行って、裸で死んだまねをして横たわった。
地球の大気圏の外側にあって宇宙の暗黒との接点になっているところを、宇宙の渚と呼ぶことができる。地球を陸地に、宇宙を海に譬え、その両者が接するところを渚としてイメージするわけだ。
ブリューゲルは、宗教画を描くことはあまりしなかったが、1564年に、キリストの死と生誕をテーマにした絵を何点か描いた。これはそのうちの一点、「十字架を担うキリスト」だ。アントワープの美術収集家ヨンゲリングの依頼に基づいて描かれたのではないかとされている。ヨンゲリングはブリューゲルの絵を16点所有していたが、そのすべてはハプスブルグ皇帝家に収められた。
韓流バブルという言葉が流通するほど、韓国文化の日本への浸透ぶりには目を見張るものがある。先日東京お台場のフジテレビ前で「韓流ゴリオシやめろ」と叫ぶ「反韓流デモ」が数千人規模で行われたという記事を読んだりすると、いかに韓流バブルに勢いがあるか思い知らされるというものだ。
キタホオジロテナガザル(Northern White-cheeked Crested Gibbon)は、中国南部からベトナム・ラオスにかけての高山地帯に生息している。中国ではすでに絶滅、ベトナム・ラオスでも絶滅寸前とされていたが、このたびベトナム北部のプーマット国立公園周辺で、130集団、450体あまりの個体が確認された。
今日(9月18日)は満州事変の発端となった柳条湖事件からちょうど80年目の日。中国では満州事変を9・18事変と称して、毎年この日に記念式典をしてきた。しかし今年は節目の年であるにかかわらず、式典は抑制されたものになった。権力交代を控えた胡錦濤政権が、反日が反政府に転化する事態を憂慮して、反日運動の芽を摘んだというのが、大方の解釈だ。
エズラ・パウンドの詩集「ヒュー・セルウィン・モーバリー(Hugh Selwyn Mauberley)」から「自らの墓のためのオード(Ode pour l'election de son sepulchre)」(壺齋散人訳)
三年もの間 時代と折り合いがあわず
あいつは死んだ芸術を蘇らせようとした
それは旧い意味合いでの荘重な詩だったが
どうもスタートから間違っていたようだ
上の写真(ナショナル・ジオグラフィック)は、木星とその衛星を撮影したもの。イギリス人のダミアン・リーチ氏がカリブ海のバルバドスから撮影。地上からにかかわらず、ハッブル宇宙望遠鏡に負けないほど鮮やかに写っている。
政府が震災復興財源の一つとして東京メトロ株の売却を検討していることを受けて、東京都の石原知事が購入に強い意欲を示した。地下鉄の経営一元化を意識してのことだ。
マクベス(Macbeth)はシェイクスピアの四大悲劇の中で最も短い。その分シンプルでわかりやすく、しかも迫力がある。テーマは殺人だ。王権の正統性のために行使される殺人だ。
上の写真(CNNから)は木の上で居眠りしているヘラジカ。実はこのヘラジカ、発酵したリンゴを食べて酔っ払ってしまったのだ。
作者の村上春樹自身いろいろな場面でいっているように、「ねじまき鳥クロニクル」においては暴力が大きなテーマになっている。ほとんど全篇が暴力にまつわる挿話によって彩られているといってよい。その暴力は、戦争という形であらわれるメカニックな暴力から、個人と個人が顔を突き合わせて傷つけあうヒューマンな暴力まで、多重な性格を帯びている。この小説は暴力のショーケースのような感を呈しているのである。
再燃したギリシャのデフォールト危機が何とか回避されそうな見込みだ。メルケル、サルコジ、パパンドレウの三者が電話会議を行い、一定の道筋を示したからだ。ギリシャをユーロ圏内に引き止めることを前提に、独仏が必要な支援を行う代わりに、ギリシャは財政再建に真剣に取り組むという内容だ。
ロベール・デスノスの詩集「Etat de Veille(1943)」から「夢(Rêves)」(壺齋散人訳)
枕に頭を乗せて
この枕で寝るんだ
そして夢を見るんだ
面白いことや未来のことを
日本の研究グループが世界で始めて巨大ブラックホールの位置を特定したそうだ。そのグループとは、国立天文台、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、総合研究大学院大学合同の研究グループ。おとめ座の方向に約5400万光年はなれたM87銀河の中心部にある超巨大ブラックホールを、米国立電波天文台の望遠鏡10台を動員して突き止めた。
先日金正日大将軍とメドヴェージェフ大統領がシベリアで会見し、両国の友好関係の強化を確認しあったが、その成果が早速現れてきたということか。両国合同の軍事演習を来年にも実施する方向で一致したというのだ。
蘇軾の詩から「東坡八首其一」
廢壘無人顧 廢壘人の顧る無く
頽垣滿蓬蒿 頽垣蓬蒿滿つ
誰能捐筋力 誰か能く筋力を捐てん
歳晩不償勞 歳晩勞を償はず
獨有孤旅人 獨り孤旅の人有り
天窮無所逃 天窮せしめて逃るる所無し
端來拾瓦礫 端(まさ)に來りて瓦礫を拾ふ
歳旱土不膏 歳旱して土膏ならず
崎嶇草棘中 崎嶇たり草棘の中
欲刮一寸毛 一寸の毛を刮らんと欲す
喟焉釋耒嘆 喟焉として耒を釋てて嘆く
我廩何時高 我が廩何れの時にか高からん
この写真(ロイター)に写っている梅干のようにしわくちゃな顔の生き物を見て、あなたは何を連想されるだろうか。これはロシアの都市ロストフ・ナ・ドヌー(Ростов-на-Дону)で開催された猫のファッションショーに出ている猫ちゃんなのである。
セーヌ川左岸、パリ6区はサンジェルマン・ジェルマン・デ・プレを中心にして、下町らしい雰囲気の街が広がっている。その一角をビュシー通りという狭い路地が貫いている。この路地に面したアパルトマンの一室には、かつてあの天才少年詩人ランボーが寄寓していたということだ。
今は昔、摂津の国から盗みを働こうと京に上ってきた男があった。まだ日が高かったので、羅生門の下に立ち隠れしていると、朱雀通りのほうへ多くの人が歩いていく。男は人通りが静まるのを待とうと、門の下に立っていた。すると山城のほうから大勢の人の足音が聞こえてきた。男は見られてはまずいと思い、門の上によじり上った。
3.11に東北沿岸を襲った巨大津波は、街々を嘗め尽くした後に、甚大な規模の火災を引き起こしていた。人々は、激震と津波を相次いで経験し、やっと生き延びたかと思った矢先に、広がる火災の炎に包まれ、それで命を落とした人も多かった。あまり知られることのなかった、この津波火災というべき現象について、NHKスペシャルが光を当てていた。(巨大津波 知られざる脅威)
2枚現存するブリューゲルのバベルの塔のうちロッテルダムにあるものがこれだ。両方とも同じような構図だが、こちらは塔が紅く塗られ、建設工事がほぼ終わった状態であることを物語っている。
3.11から半年が過ぎた。一口で半年と云うが、被災した方々にとっては辛くて長い時間だったのではないか。というのも、復興が順調に進んでいるとはとうていいえず、現場にはまだ瓦礫が積み重なった荒涼とした光景が広がる一方、仮設住宅にも入れずに不自由な生活を強いられている人々が依然多く存在する、そんな状況の中で、未来に確固たる希望を持てないでいる人が多いだろうからだ。
あの9.11から10年がたった。この10年はアメリカにとって、また世界にとってどんな10年だったか。こんな問いかけが、深く、広く、提起されている。
エズラ・パウンドによる李白の詩「長干行」の英訳(壺齋散人による重訳)
わたしがまだおかっぱ頭だった頃
門の前で花を摘んで遊んでいると
あなたは竹馬に乗って現れて
青梅を弄びながらわたしの傍を通り過ぎた
わたしたちはチョーカンの小さな村で暮らす
あどけない少年少女でしたね
先日(9月8日)、ロシアの爆撃機二機が日本列島を一周した事件について、今のところ、国内の反響は冷静だといってよい。産経など一部のメディアは、野田政権への値踏みだろうとか、露骨な挑発だとかいって、ヒステリックな反露感情を煽っているが、少数派の反応だといってよい。
鉢呂経済産業大臣の失言問題が政局問題に発展しそうだ。先日(9月8日)、野田総理大臣とともに福島の原発事故現場を視察した際、原発周辺の自治体を「死の町」と表現したのがけしからぬと、自民党の大先生にかみつかれて謝罪したかと思ったら、今度は記者会見の席上、記者たちを相手に「放射能をつけちょうぞ」などといいながら、ふざけた仕草をしたというのだ。
シェイクスピアは道化を描くのが得意だったが、それに劣らず悪党を描くことにもたけていた。彼の描いた悪党の中で最大の悪党は無論マクベスだ。マクベスは悪党の中でもスケールが一回りも二回りも違う。マクベスは人間の中に潜む、つまり人間であればだれもが持っている、悪というものを形に表したもの、つまり悪の権化ともいえる。
ロシア西部のヤロスラーヴリ近郊で7日、ロシアのプロ・アイスホッケー・チーム「ロコモティヴ・ヤロスラーヴリ」の選手を乗せた旅客機が墜落、少なくとも43人が死亡した。
筆者は先にTPP問題についての読売の9月6日付け社説を取り上げ、そのナンセンス振りを批判した。天下の公器と呼ばれるもののいうことではないと。ところが翌日の社説は、輪をかけたようにナンセンスなものだった。一体この新聞社には、コモンセンスを持ち合わせた記者が存在しないのではないか、そんな風に思わせるほどだ。
村上春樹の小説は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」あたりから長くなる傾向を強め、「ノルウェイの森」、「ダンス、ダンス、ダンス」を経て「ねじまき鳥クロニクル」にいたってひとつの頂点を示した。この小説は実に三巻計1400ページに上る大長編小説であり、日本の小説としては型破りに長いものとなった。
台風12号は、四国。中国を横断して日本海に抜けた後も、勢力の強い温帯低気圧として北海道にも大雨を降らすなど、ほぼ一週間の長きにわたって、日本列島の各地に甚大な被害をもたらした。死者・不明者は106人にのぼり、同99人を出した平成4年の台風23号を上回り、平成に入って最悪の記録となった。
9月6日付の読売新聞の社説を読んで、いささかあきれ返った。天下の大新聞の、しかも社説を標榜する主張が、道化のたわごとのように聞こえたからだ。
ロベール・デスノスの1942年の詩集"運命(Fortune)"から「葉っぱ(Il était une feuille)」(壺齋散人訳)
葉っぱには模様がついていた
命の模様
チャンスの模様
心の模様
先日、菅総理の退陣三条件の一つになっていた「再生エネ法」が成立して、日本でもいよいよ一般企業や家庭による再生可能エネルギーが電力会社によって買い取られる仕組みができた。しかしそれが実際に機能するために必要な買い取り価格や買い取り期間といった条件は、これから決められることになっている。その次第によって、この制度の普及が促進されたり、逆に行き詰ったりすることともなる。
黄州の蘇軾の周りには様々な人が集まってきたが、そのなかには旧知の馬夢得もいた。彼はもう20年も蘇軾に付き合っていたのだったが、蘇軾が罪を蒙って流謫の身にあってもなお、見捨てることはなかった。
中東諸国に吹き荒れてきたジャスミン革命の嵐がついにイスラエルにも波及したか?こんな風に思わせる事態がイスラエルで起きた。九月三日、ネタニアフ政府に抗議する大規模なデモが、首都テル・アビブやエルサレムなどいくつかの都市で、45万人の民衆を巻き込んで行われたのだ。
哺乳類のうち胎盤で子どもを育てる有胎盤類を真獣類ともいう。これは有袋類の祖先に当たる後獣類から分かれたが、その時期がいつかについては、今まで漠然としていた。
今は昔、美濃の国へ向かっていた下衆の男がいた。近江國の篠原というところをとおりがかった折、空が暗くなって雨が降ってきたので、「どこか雨宿りするところはないか」とあたりを見回したが、人気のない野原の真ん中とて、家らしきものはなかった。だが墓穴がひとつあるのを見つけて、そのなかに入り込んで、潜んでいると、日が暮れて暗くなってきた。
9月2日から4日にかけて吹き荒れた台風12号は、各地で大きな災害をもたらした。この記事を書いている今の時点(9月5日朝)でのネット上の報道では、死者24人、不明54人となっている。最も被害の大きかったのは和歌山県で、11人が死亡、29人が行方不明とある。
バベルの塔をテーマにした絵をブリューゲルは3枚描き、そのうちの2枚が現存する。一枚はここで取り上げるウィーンにある作品、ほかの一枚はロッテルダムにある一回り小さな作品だ。
アラブマネーなどのイスラムパワーを背景にしてイスラム金融なるものが世界の金融市場に一定のプレゼンスを示すようになってきたそうだ。資本主義の理念に基づいた金融システムとは根本的に異なった理念に基づいて運用されているこのシステムは、今後イスラムパワーが拡大していくにしたがって、無視できない影響を持つようになるだろうと、専門家たちは指摘している。
上の写真(AP)は、ナショナル・ジオグラフィックのThe Best of August に選ばれたもの。The Disappearing Act と題したこの作品は、中国の透明人間アーチストとして知られる劉勃麟(Liu Bolin)が制作したものを写したものだ。プラスティック容器を並べた棚の前に劉勃麟さん自身が立っているが、服の部分にもプラスティック容器を書き込むことで背景に溶け込み、あたかも透明人間であるように見える。
アマゾンのポロロッカと並んで大規模な海嘯で知られるのが中国の銭塘江。毎年十五夜の頃に、杭州を流れる銭塘江の河口に、高さ3メートルにもなる大波が、川を大逆流する。地元の人々は月餅を食べながら、この眺めを見るのが、古くからの習わしだった。
エズラ・パウンドの詩集「ペルソナ」から「湖の小島」The Lake Isle(壺齋散人訳)
神よ ヴィーナスよ 泥棒の守護神ヘルメスよ
適当な折に 一軒の小さなタバコショップが欲しい
棚の上にタバコケースを積み重ね
ばら売りのキャヴェンディッシュや
刻みタバコ
それにバージニアの葉巻を
ガラスケースに陳列しよう
それと あまり汚くない
天秤を一台用意しよう
通りがかりの娼婦たちがちらっと立ち寄って
他愛ない冗談をいったり お化粧を直したりできるように
上の写真(Guardian から)は、来週発刊予定のファッション雑誌 Garage の表紙を飾るものだ。若い女性の下腹部の上に蝶の形のシールが貼られていて、"Peel slowly and see," と添書きがされている。指示通りシールを剥がすと、その下には、きれいにシェーブされた女性の陰部に、蝶のタトゥーが施されているのが見えるという工夫だ。
イスラム教の断食の月ラマダンの最終日は8月30日、その日には世界中のイスラム教徒がモスクで敬虔な祈りをささげ、断食の修行を終えることとなるそうだが、モスクワでもこの日には、都心のモスクに大勢のイスラム教徒が集まり、そのために大規模な交通渋滞が生ずることが、ひとつの社会問題ともなってきた。
シェイクスピアは悲劇「リア王」の中に、リア王の運命に劣らず悲惨なグロスターとその息子エドガーの物語を差し挟んだ。リア王の物語をメインテーマとすれば、これはサブプロットだが、そこで展開される運命は、リア王以上に凄惨なものだ。観客はグロスターの運命に救いがないことを見てとり、運命というものがもし存在するとしても、それが残酷な嘲笑でしかありえないことに、身震いするのだ。
政治リーダーとしての経験不足が指摘される野田総理大臣、とくに外交については全く経験がないといってよく、このむつかしい時代にいかにして日本の国益を守っていけるか、不安視する向きもある。
「ハードボイルド・ワンダーランド」と並行して語られる「世界の終り」の物語は、「ハードボイルド・ワンダーランド」が現実の表層意識の中で展開される物語なのに対して、人工的な意識体が紡ぎ出した物語だ。わかりづらい言い方だが、要するに誰かによって作られた物語だ。作られた限りで創作品であるのに、それが創作品であることを逸脱して、実在性を主張する、そんなメチャクチャな次元性を帯びた物語なのだ。
中国文化部(文部省)は、アメリカの人気歌手レディ・ガガさんや日本人歌手の歌を含む100曲を禁止曲に指定し、これらの曲を含むサイトを9月15日までに削除するように命令した。従わない場合には罰則が適用される。
8月31日、BPのモスクワ事務所がロシア司法当局によって強制捜査された。司法当局はBPをめぐるビジネス上のトラブルから提起された訴訟手続きの一環だと説明しているが、BP側は何らの法的根拠を持たない違法な捜査であり、陰湿な政治的な意図を持つものだと反発している。もっとも捜査そのものに対しては協力したそうだ。
ロベール・デスノスの詩集"Le Livre secret pour Youki"から「夜の光に(Lumière de mes nuits Youki)」(壺齋散人訳)
君は覚えているかい?
君が僕の家の扉越しにやってきた夜のことを
君は僕の部屋の影の中に突然現れて
僕のベッドの中に大きな鳥のように滑り込んだ
まるで海や草原や森を駆け回るのに疲れたみたいに
最近のコメント