鉢呂経済産業大臣の失言問題が政局問題に発展しそうだ。先日(9月8日)、野田総理大臣とともに福島の原発事故現場を視察した際、原発周辺の自治体を「死の町」と表現したのがけしからぬと、自民党の大先生にかみつかれて謝罪したかと思ったら、今度は記者会見の席上、記者たちを相手に「放射能をつけちょうぞ」などといいながら、ふざけた仕草をしたというのだ。
「死の町」云々については、筆者はただ揚げ足をとられたのだろうと、それくらいに軽く思っていた。何しろ自民党の大先生たちは、政策論争はそっちのけで、政敵のあら探しばかりなさっているわけだから、その兎の目鷹の目に映らぬよう、慎重な振る舞いに心がけねばならぬ所を、まんまと見とがめられてしまった、そう感じたくらいだった。
ところがその同じ男が、重ねて不始末を指摘されて、皆さんの前で素直に謝罪したというのだから、あいた口がふさがらない。とにかく、被爆者はもとより国民全体が放射能の恐怖におののいているときに、それを笑い話のように軽く扱うとは、政治家としての資質を問われるのは当然だ。
この男は恐らく、大臣になれて、うれしくてうれしくて仕方がなかったのだろう。気持ちが舞い上がって、我が心ここにあらず、そんな状態がつい思わぬ失態につながったのだろう。それほど大臣になるというコトは大変なことらしい。大の男を狂わせてしまうのだから。
おっと、大臣になって狂ったのは、男だけではなかった。先日は、ある女の厚生労働大臣が、タバコの値段は700円くらいにするべきですと云いだし、あまつさえ煙草の税金は財務省ではなく厚生労働省で所管すべきですと続けた。
これは所管外の事項についての発言だから、当然のことながら財務大臣が不満の意を表明した。また官房長官が政府を代表する形で、当該の発言は政府の統一見解ではないと念押しをした。
なんといっても、総理大臣の野田さんだって愛煙家だというし、喫煙を犯罪行為のようにきめつけて、愛煙家からなけなしの金を巻き上げようというのは、たしかにフェアではないかもしれない。
ところで、この女の厚生労働大臣については、もっと辛辣な批判をするひともいる。この女の大臣がでっぷりと太っておられることは、子どもでも知っていることであるが、そのお人が、所管外の煙草について個人的な見解を吹いている暇があったら、ご自身の肥満について適切な対応をするよう心がけなさいというのだ。肥満は喫煙に劣らず、人間の健康にとっての大問題なのだから、というわけだろう。
この厚生労働大臣は女の大臣だから、この場合には大臣病が、大の男ならぬ大の女を狂わせたということになる。
ことほどさように、大臣になるというコトは大変なことらしい。(写真は謝罪会見をする鉢呂大臣)
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