2011年10月アーカイブ

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来年の3月にプーチンがロシアの大統領に復帰することが確実になった。憲法改正によって、ロシアの大統領職は2期12年間やれるようになったので、プーチンは長期的に政権を掌握し、ロシアを自分の好きなように作り変えていくことだろう。だがそれは、ほかならぬロシア人自身にとっては、必ずしも好ましいことにはならないだろう。

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ブリューゲルの「月歴画連作」の最後の作品ともいえる「牛群の帰り」は、11月を描いている。11月は秋から冬への移行期で、丘で放牧していた牛たちを麓の小屋に移す季節だ。この絵はその移動の様子を描いたものだ。

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今年(2011年)のワールドシリーズは、セントルイス・カージナルスとテキサス・レンジャーズとの戦いとなり、カージナルスが第7戦までもつれこんだシリーズ決戦を制して、5年ぶり11度目のワールド・チャンピオンになった。

エズラ・パウンドの連作詩「ヒュー・セルウィン・モーバリー(Hugh Selwyn Mauberley)」から第七の詩「シエナが私をつくり」SIENA MI FE', DISFECEMI MAREMMA(壺齋散人訳)

  胎児の漬け物や骨の瓶詰めに囲まれて
  カタログを作成している間に
  俺が出会ったのはムシュー・ヴェローグ
  ストラスブールの貴族の末裔だ

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エッフェル塔の真下にある遊覧船の船着場近くで見かけた光景。観光客向けにアイスクリームやクレープの類を売る店だ。

「アントニーとクレオパトラ」は、アントニーが自殺する第四幕を以て終了させてもよかった。ところがシェイクスピアは第5幕を書いた。だがそれは、附けたしというには重い内容を含んでいる。そこでテーマになっているのは、クレオパトラのアントニーに対する義理立て、別の言葉でいえば女の意地のようなものなのだ。

超新星SN 1987A

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超新星SN 1987Aは、1987年の2月に可視光線をとおして初めて観察された。位置はマゼラン星雲の一角、地球からは16.4万光年の彼方にある。肉眼でも見えるような非常に明るい光を放った後、5月頃に明るさのピークを迎え、その後徐々に減光した。

対談集「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」は1994年に当時アメリカ滞在中だった両氏が、河合氏の滞在先のプリンストンで行った二日間にわたる対談を記録したものだ。河合氏によるあとがきにあるとおり、村上春樹が書き上げたばかりの「ねじまき鳥クロニクル」について語るのが主な目的だったらしいが、それにとどまらず話題はいろいろな方面に及んでいる。

ロベール・デスノスの詩集「Contrée (1944)」から「夏の夜(La Nuit d'été)」(壺齋散人訳)

  はびこったバラの枝に君のドレスが引っ掛かって
  破れた布の切れはしが朝靄で濡れている
  君が歩いていく周りでは リラやタイムの香りが
  別世界の花の香りと溶け合っている

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パネッタ米国防長官が日本に乗り込んできて、野田首相、玄葉外相、一川防衛相と相次いで会談し、沖縄普天間基地の辺野古移転について、早期に実現するようにハッパをかけた。

蘇軾は好奇心が旺盛でいろんなことに手を出したが、料理は自分の趣味にとどまらず、周囲の人々まで幸福にさせることができた。中でも評判がよかったのは豚肉を煮たものだ。

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ワモンアザラシ(Ringed Seal:写真はナショナル・ジオグラフィック)は、北極海周辺に広く分布するアザラシだ。ゴマフアザラシの仲間で、灰色の肌に紋のような模様が点在することから、こう名付けられた。

今は昔、夏の頃のこと、若い女が近衛大路を西に向かって歩いておった。小一条の宗形神社の北側を行くうちに、小便がしたくなり、築垣に向かって腰を下ろして用を足した。供の女の童が通りで見張りをし、「早く終わらないかな」と思っていたが、午前8時頃から10時頃まで、2時間もしゃがんだままだった。

先日神保町の古本屋街を歩いているとき、半藤一利氏の著作「ノモンハンの夏」を見かけて買った。その直前に読んだ村上春樹の小説「ねじまき鳥クロニクル」に、ノモンハン事件の話が出てきて、筆者は非常に感銘を受けていたところだったので、結構厚い本だったが、読んでみる気になった次第だった。

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この絵「穀物の収穫」は、月歴画連作のうち8月を描いたものである。良く実って刈入れを待っている麦畑が画面の下半分を領し、上半分には穏やかな色をした空と、のんびりとした田園風景が描かれている。

地域政党維新の会を率いる橋下大阪府知事が自ら大阪市長になって、是が非でも大阪都構想を実現したいといきまいているそうだ。府と市の間で二重行政の状態が生じ、それが多くの無駄を生んでいるから、東京のように、府と市の垣根をなくして一元的な行政を行えるようにしよう、そうすれば予算をはじめ資源の効率的な活用も可能となり、大阪の経済圏も地盤沈下から逃れられる、こんな理屈のようだ。

エズラ・パウンドの連作詩「ヒュー・セルウィン・モーバリー(Hugh Selwyn Mauberley)」から第六の詩「青い瞳」YEUX GLAUQUES(壺齋散人訳)

  ジョン・ラスキが「王の宝庫」を出版した頃
  グラッドストーンはまだ尊敬され
  スウィンバーンとロゼッティは
  あいかわらず罵しられていた

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ゴッホは37歳のときにパリ近郊のオヴェール・シュル・オワーズ(Auvers sur Oise)の小麦畑でスケッチをしている最中、拳銃で自分の胸を撃って自殺したということにされてきた。ゴッホ自身が死の床でそう語ったというのが有力な根拠だ。だが自殺にしては不自然なことが多い。弾痕の角度、用いた拳銃やスケッチ道具が発見されなかったことなど。そこで他殺説もささやかれてはいたのだが、このたび他殺を裏付ける有力な証拠が提出された。

「アントニーとクレオパトラ」は壮絶な政治劇であるとともに、中年の男女の悲しい恋物語でもある。それは「ロメオとジュリエット」が展開した若者の情熱的な恋に劣らず、強烈で人間的な恋であった。

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昨日(10月20日)、長らく行方をくらましていたリビアの独裁者カダフィが、中部の町シルトで暫定政府側の兵士によって拘束された上、殺害されたとのニュースが世界中に発信された。シルトはカダフィの出身地であることから、闘争中のカダフィがこの町に潜伏している可能性が指摘されていたが、実際その通りだったわけだ。これで、2月に民衆の反乱から始まり、8ヶ月にわたって繰り広げられた内戦に、終止符が打たれることとなった。

村上春樹の長編小説「ねじまき鳥クロニクル」は全三巻からなり、第一巻が「泥棒カササギ」、第二巻が「予言する鳥」、第三巻が「鳥刺し男」というタイトルを付され、全体のタイトルとして「ねじまき鳥クロニクル」を用いている。いづれも鳥にちなんだ命名である。

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先日中国広東省仏山(Foshan)の市場で起きたひき逃げ事件の様子を写した防犯ビデオがネットにアップロードされたところ、これが中国人の間で大きな反響を呼んだ。

ロベール・デスノスの詩集「Contrée (1944)」から「川(La Rivière)」(壺齋散人訳)

  こっちの岸から向こう岸へ僕は川を渡った
  しぶきを避けて岩伝いに飛び跳ねながら
  川の流れにうつった岩の影は
  泡で青くなった水に溶けこんでいた

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セーヌ川には観光用の遊覧船がひっきりなしに行きかっている。その船の上から仰ぎ見るパリの景色は美しい。それぞれに個性のある橋がつぎつぎと視界を横切り、それを前景にしてクラシックな建物が連なる。川辺には散策用の小道が通され、人々が思い思いにその上を歩く。なんとも優雅な眺めだ。

蘇軾の七言絶句「東坡」(壺齋散人注)

  雨洗東坡月色清  雨は東坡を洗って月色清し
  市人行盡野人行  市人行き盡して野人行く
  莫嫌犖確坡頭路  嫌ふ莫かれ犖確坡頭の路
  自愛鏗然曳杖聲  自ら愛す鏗然として杖を曳くの聲

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日中の防衛関係者の間で、定期的な意見交換の場が設けられているそうだ。日本側からは退役将校が中心となり、中国側からは現役の将校が参加して、日中間の相互理解を目的に、忌憚のない意見交換を行っているという。

今は昔、某というところの山の中に、乞食が二人歩いていたが、その前を子を負った女が歩いておった。女は乞食どもが後ろから近づいてくるのを見ると、脇に立って乞食どもをやり過ごそうとしたが、乞食どもは、「いいから早く行け」といって、前に出ないので、女が再び歩き始めると、いきなり襲ってきた。

ニューヨークの金融街で始まった「ウオール・ストリートを占拠せよ(Occupy Wall Street)」の運動は、その後全米に広がり、更に世界中にも広がる勢いだ。勢いが拡大するうちに、運動の目標も「反格差」に集約されつつあるようだ。

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この絵「干し草の収穫」は月歴画連作のうちの7月を描いたものだとされる。背景には雄大な自然がのびのびと描かれ、その手前に広がった牧草地では干し草の収穫が行われている。収穫に励む人々は、みな風景の中に溶け込んでいる。

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昨日、ロシア側の極東軍備近代化構想についてのプラウダ電子版の記事を紹介し、その目的は日本の北方領土要求への牽制だと説明した。ところが、ロシア情勢の専門家の中には、ロシアは対日だけではなく対中国も意識して極東軍事戦略を立てているとみる者もいる。ここではエコノミストの最新号に発表された防衛研究所米欧ロシア研究室長兵頭慎治氏の論を紹介しよう。(ロシアが日本に強硬姿勢をとる理由)

エズラ・パウンドの詩集「ヒュー・セルウィン・モーバリー(Hugh Selwyn Mauberley)」の第五の詩(壺齋散人訳)

  無数の若者が死んだ
  才能ある若者も死んだ
  歯抜けの老いぼれのために
  つぎはぎだらけの文明のために

シェイクスピアの悲劇「アントニーとクレオパトラ」は、ローマ史に題材をとった壮大な歴史劇だ。それは時間的には10年以上をカバーし、空間的にはローマ人にとっての世界全体を舞台としている。そこに40人もの登場人物が、少なくとも220回以上の出入りを繰り返し、舞台は40回も空になる。劇の壮大さが通常の舞台の枠と進行形式に収まらないのだ。

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先日豊穣たる熟女たちと新橋で飲んだ帰りにガード下を覗いて歩いたことがあったが、その際に、次回は是非こんなところで飲んでみたいわと熟女たちが口を揃えていった。そこで9月の22日に設定したのだったが、その日は例の台風騒ぎの翌日で、彼女たちは疲労困憊の様子だった故、とりあえず延期することにしたのだった。そんなこんなで、秋の気配が深まる頃になってやっと、4人で新橋のガード下を、よさそうな店を探して覗き歩くことになった。

プラウダの電子版(英語)上に、ロシアによる北方諸島防衛のための軍事基地が一新される計画であるとの報道記事が掲載された。

村上春樹の小説は、「ノルウェーの森」を除いて、ほとんどの作品をシュール・レアリズムと特徴づけてよい。筋書き、場面設定、会話の進行を通じて、シュールな雰囲気が充満している。しかしシュールさはあまり度が過ぎると、現実を遊離し、荒唐無稽なものに陥りやすい。だが村上の作品世界は必ずしもそうなってはいない。そうさせないためのいくつかの装置があるのだが、その最も有用なものは、夢、幻想、霊魂の活動をうまく活用していることだろう。

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ウクライナの前首相でヤヌコーヴィチ現大統領の政敵ユリア・チモシェンコ(Юлия Тимошенко)への政治的な迫害については先稿で紹介したところだが、このたびキエフの裁判所において禁固7年の刑が言い渡された。罪状は首相時代の2009年にロシアのプーチン首相とのあいだで取り交わしたガスの取引に関して、ウクライナに損害を与えたというものだ。

ロベール・デスノスの詩集「Contrée (1944)」から「風景(Le Paysage)」(壺齋散人訳)

  かつて夢見ていた愛は今の愛とは違っていた
  そこにはリラやバラの花束が出てきて
  森中をかぐわしい匂いで包み
  まっすぐな小経の先には炎が光っていた

先日厚生省がフィリピンで収集した旧日本軍兵士の遺骨の中に現地の人たちの遺骨が大量に含まれていたというニュースが流れて、遺族たち直接の関係者はもとより、心ある日本人すべての怒りを買った。厚生省のあまりにもお役所的で無責任なやり方が、国民の尊厳を踏みにじるばかりか、旧日本軍が侵略した国の人々の尊厳をも踏みにじったと。

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先日はロシアのロストーフ・ナ・ドヌーで行われた動物のファッションショーに無毛の猫スフィンクス・キャット(Sphynx Cat)が出場した時の様子を紹介したが、今回はブルガリアで同じようなショーが行われ、やはりスフィンクス・キャットが人気を集めた。

  夜飲東坡醒復醉  夜東坡に飲んで 醒めては復た醉ふ
  歸來仿佛已三更  歸り來れば仿佛として已に三更
  家童鼻息已雷鳴  家童の鼻息已に雷鳴
  敲門都不應     門を敲けども都て應へず
  倚帳聽江聲     帳に倚って江聲を聽く
  長恨此身非我有  長に恨む此の身我が有に非ざるを
  何時忘卻營營    何れの時にか營營たるを忘卻せん
  夜闌風靜縠紋平  夜闌けて風靜かに縠紋平らかなり
  小舟從此逝     小舟此より逝きて
  江海寄餘生     江海に餘生を寄せん

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3月11日の大地震直後、首都圏はすべての鉄道がストップし、1400万人にのぼる膨大な人々が帰宅困難の情況に陥った。かくいう筆者も横浜で地震に遭遇した後、千葉県船橋市の自宅に帰るまでに多大の困難を味わった一人だ。折角乗れたタクシーが道路渋滞に巻き込まれて全然前に進まない。結局その日のうちに家にはたどり着けず、二日がかりでやっと帰宅できた。

今は昔、日向ノ守に某というものがあった。任期が終わって次の守を待つ間、引継ぎの文書を書かせていたが、書生の中から優秀なのを選んで、そのものに古いことの書き直しをさせた。この書生は、「こんな風に書き直しをさせても、自分の口から本当のことを話されてはまずいと思って私を疑うかも知れぬ。あの男は人柄が良くないようだから、きっとひどい目に合わされるだろう。」と思うと、何とかして逃げたいと思うのだが、強そうなものが四五人、昼夜を分かたず見張っているので、逃げようもなかった。そうこうするうち二十日ばかりが過ぎ、文書は完成した。それを見た守は、「一人でこれだけの量を書いたとは感心だ。京へ上っても、このわしを頼るがいい」といって、褒美に絹を四疋くれた。

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上の写真(ナショナルジオグラフィック提供)は、コヨーテの気配に気づいてまさに逃げ出そうとしているオオツノヒツジの群れ。場所はアメリカ、ロッキー山地。

ユーロ圏諸国のソヴリン危機がギリシャからスペインやイタリアといった大国にまで広がる動きが報道される中で、財政上はこれら諸国より深刻な問題を抱えている日本は、いまのところ危機とは無縁な状態にあると広く受け取られている。

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月歴画連作の2番目、2月を描いたのがこの「暗い日」である。2月は一年のうちで最も暗く寒い日、画面の暗さがそのことをよく物語っている。

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今年のノーベル平和賞は三人の女性に与えられた。リベリア大統領エレン・サーリーフ女史、同じくリベリアの平和活動家リーマ・ボウイー女史、そしてアラブの春運動を導いてきたイエメンの人権活動家タワックル・カルマン女史だ。

エズラ・パウンドの詩集「ヒュー・セルウィン・モーバリー(Hugh Selwyn Mauberley)」の第四の詩(壺齋散人訳)

  いづれにしたってこいつらは戦ったんだ
  あるものは祖国のためだと信じて
  あるものはすばやく武器をとり
  あるものは冒険心から
  あるものは弱さを恐れて
  あるものは非難されるのを恐れて
  あるものは想像のうちで殺戮を愛し
  後になって思い知った
  そしてあるものは殺戮を愛したことを恐れた

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パリの街を歩いていて一番楽しいことのひとつは、路上に並んだテーブルに腰掛けて一息つくことだ。日本ではこんな光景はまず見られないが、パリではどこでも見ることができる。道路はただ単に交通の手段のみならず、人々の社交やくつろぎの場所でもあるのだ。

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革新的な発明家であり、かつ創造的な経営者であったスティーヴ・ジョブス(Steve Jobs)氏が、56歳にしてすい臓がんで死んだ。世界中のメディアは彼の死を惜しむ記事で溢れている。一企業家の死がこんなにも大きな関心を集めたことはかつてなかったことだ。

シェイクスピア劇の中で亡霊が大きな役割を担うのは、ハムレットとマクベスである。ハムレットの中の亡霊は饒舌だ。彼は殺されたデンマーク王の亡霊であり、息子のハムレットの前に出没しては、自分が殺された怨念をつらつらと語る。ハムレットはその亡霊の言葉を信じて、父親の敵討ちに立ち上がるのだ。

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写真(ナショナル・ジオグラフィック)は、ミナミゾウアザラシの子どもたちが遊んでいるところ。場所は南大西洋の亜南極圏の島英領サウスジョージア島。本格的な春を迎えると、ミナミゾウアザラシの母親は新しい繁殖相手を探して、乳離れしたばかりの子どもを置き去りにして去る。取り残された子どもたちは、それ以後は自力で生きていかなければならない。

村上春樹は小説の展開のきっかけとしてセックスシーンをよく使う。大江健三郎などの世代と比較して、その描写は生々しいものだ。日本文学が大胆で開放的になってきたことの現れだと思うが、この(セックスの解放という)プロセスに、村上自身大きく寄与していることも明らかだ。

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プーチンは10月4日付のイズベスチア紙に寄稿した論文のなかで、ロシアが中心になった国際共同体としてユーラシア連合(Евразийский Cоюз)を提唱したが、いまのところ海外のメディアはあまり大きく取り上げていない。来年ロシア大統領に復帰することが確実視されている政治家が、早々と外交戦略をぶち上げたというのに、これはちょっとさびしい反応だ。

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アルマ望遠鏡のファーストライト画像が10月3日に公表された。上の画像がそれだ。からす座にある触覚銀河(Antennae Galaxies)といって、二つの銀河(NGC 4038、NGC 4039)が衝突してできたペア銀河だ。地球から7千万光年の彼方にある。

ロベール・デスノスの詩集「Contrée (1944)」から「滝(La Cascade)」(壺齋散人訳)

  この空と岩を貫いたのはどんな矢だ?
  孔雀の羽のように震えながら広がっていく
  あるいは夜中にねぐらを目指す彗星のように
  柄と矢先からは霧が吹いている

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世界20カ国による国際プロジェクト・アルマ望遠鏡が、いよいよ(9月30日)科学観測を開始した。

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写真はヒョウアザラシ(Leopard Seal)の表情を真正面からとらえたもの。彼らは獰猛な性格の肉食獣で、人間に襲いかかることもあるが、時には愛想よく人間に近づいてきて、自分でつかまえたペンギンをプレゼントしてくれることもあるという。

蘇軾の五言古詩「東坡八首其五」(壺齋散人注)

  良農惜地力  良農は地力を惜しむ
  幸此十年荒  此の十年の荒を幸とす
  桑柘未及成  桑柘未だ成るには及ばざれど
  一麥庶可望  一麥望むべきに庶(ちか)し
  投種未逾月  投種して未だ月を逾(こ)えざるに
  覆塊已蒼蒼  塊を覆ひて已に蒼蒼たり
  農夫告我言  農夫我に告げて言はく
  勿使苗葉昌  苗葉をして昌かんならしむる勿れ
  君欲富餅餌  君餅餌に富まんと欲すれば
  要須縱牛羊  要(かならず)須らく牛羊を縱(はな)つべしと
  再拜謝苦言  再拜して苦言に謝す
  得飽不敢忘  飽くを得なば敢へて忘れず

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「ウォール・ストリートを占拠せよ」運動のデモ隊がニューヨーク市警察によって弾圧されたことは先稿で触れたとおりだが、その際の警察のやり方が用意周到で、最初から彼らを弾圧する目的で、準備万端を整えていたのではと非難されている。この弾圧の中核になったのが白シャツ(NYC White Shirt Police Commanders)と呼ばれる幹部職員たちだ。

あの運命の日、巨大地震に続いて巨大津波が東北太平洋沿岸の集落を飲み込んだとき、地震の発生から津波の襲来まで、場所によっては1時間以上があったところもある。そういうところでは、人々は決して逃げられないほど余裕がなかったわけではない、にもかかわらず多くの人々が、逃げ遅れて津波に呑まれた。

今は昔、平ノ貞盛ノ朝臣という兵があった。丹波の守として赴任中に、身に悪性の腫瘍ができたので、某という高名な医師を迎えて診察を請うに、医師は「大変な腫瘍ですが、男の子の胎児の生き胆を煎じて飲めばなおります。めったに処方しませぬが、日時がたてば効き目がなくなりますので、早く求めなさい」といって、退出した。

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ウォール街を舞台にしたデモは、10月1日にも2500名ばかりの参加者を集めて盛り上がった。これに対してニューヨーク市警察も強硬な姿勢で臨み、デモ隊がブルックリン橋で座り込みを始めたところを、交通妨害容疑で排除、700人にのぼる人々を拘束した。

ニューズウィーク日本版の最近号が中国のスパイ戦略を分析したアレックス・ニューマン氏の記事「世界の機密を貪る中国スパイ」を載せた。題名もショッキングだが、中国が巨大な諜報国家になりつつある事実もショッキングだ。日本を含めて先進国が油断していると、最先端の情報を中国に盗まれるばかりか、その情報を生かして深刻なサイバー攻撃を受けないとも限らない、記事はこう警告している。

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1565年から翌年の初めにかけて、ブリューゲルは月歴画連作と呼ばれる一連の作品を描いた。月ごとの人々の習俗を、当時のネーデルランドの風景を背景にして描いたものだ。ブリューゲルはこれらを、アントワープの商人ヨンゲリングの注文に応じて描いたが、現存するのは5点のみである。

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新種の猛禽型恐竜(Raptor Dinosaur)の化石がアメリカ・ユタ州の白亜紀後期の地層の中から発見された。タロス・サンプソニ(Talos sampsoni)と名付けられたこの恐竜は、7600万年前の北アメリカに生きていたと推測される。当時の北アメリカは、浅い内陸水路によって、西の「ララミディア」と東の「アパラチア」という二つの部分に分断されていたと考えられている。

フランス語で未婚の女性をさしてつかう「マドモワゼル(Mademoiselle)」という敬称が女性を差別しており我慢できないと、フランス国内のフェニミスト・グループが、撲滅に向けて立ち上がったということだ。

エズラ・パウンドの詩集「ヒュー・セルウィン・モーバリー(Hugh Selwyn Mauberley)」の第三の詩(壺齋散人訳)

  コスのモスリンの代わりに
  紅茶色のティーガウン
  サフォオの竪琴の代わりに
  自動ピアノ

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ニューヨークのウォール街を舞台に、一つの市民運動が盛り上がっている。この運動を組織した人々はそれを、「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」と呼び、ネットを通じて多くの人々に集会への参加を呼び掛けた。

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大相撲秋場所は惨憺たる光景からはじまった。東京では8か月ぶりの開催にもかかわらず、初日から客入りは悪く、連日半分しか埋まらぬ客席を前にして取り組みがなされたのは、八百長問題でタガが緩んだ相撲協会に対する世間の目がいかに厳しいものであったかを物語っていた。

マクベスの冒頭に登場するのは三人の魔女たちである。彼女ら、あるいはそのものらは、おまじないのような、現代の観客にはまるで意味の通じない言葉を発して、闇の中に消え去る。



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