民主党の岡田元幹事長が民放の番組に出演し、党内のTPP慎重派を批判してこういったそうだ。「反対している皆さんは、衰退していく農業がこのままでどうなるのかということに対する答えがない。そこの議論なくして単に反対しているのは理解できない」
そのうえで、自分の率直な思いを吐露したそうだ。「私はTPPを推進するという考え方だ。アジアの豊かさを、わが豊かさにするのが日本の基本戦略だ。閉じたままでやっていけるはずがない」
これは、変な理屈、というよりインチキ論法だ。
山田さんら民主党内のTPP慎重派の皆さんが、政府側の拙速な姿勢を批判しているのは、このままでは明確な打撃を受けることが100パーセントわかっている日本農業に対して、政府側が何らの処方箋も示していないことについてだ。
そもそも、日本農業に対する将来の具体的なヴィジョンを示して、慎重派を安心させるのは、政府側の責任だろう。
それを岡田さんは、山田さんたちがあたかもダダをこねているかのような言い方をしている。
これでは、日本の農業は放っておいても衰退するのは明らかなのだから、そんなものにかかずらうのはやめて、自由貿易による恩恵だけつまみ食いすればよい、そういっているようなものだ。
つまり、岡田さんに代表される民主党の主流派の皆さんは、日本農業に対して、いささかの同情ももたないということなのだろう。
そういう連中に、国の政治を任せておいてよいのか。筆者などは、自分自身は農民ではないけれども、日本の食糧安保と云う視点から、非常な危惧を覚える。(写真はYouTubeの映像から)
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