セックス依存症:新しい文明病

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セックス依存症と云う病理概念が最近問題になっているそうだ。アルコール依存症などの精神疾患と似たところもあるが、特有の問題も抱えている。したがって治療法にもユニークなところが多い。その実態と背景についてNewsweekの最新号が紹介している。The Sex Addiction Epidemic By Chris Lee

記事はまず、30歳の匿名の女性を登場させて、彼女の「異常な」セックス行動について分析する。彼女は結婚(二度も)していて、セックスには不自由しないにもかかわらず、誰彼かまわず男とのセックスを求めた。時には相手の妻に拳銃を向けられたこともあった。それでも婚外セックスの誘惑を断ち切れなかった。おかげで彼女は二人の夫と仕事を失う羽目になった。

彼女は何故こんなにもセックスに飢えていたのだろうか、と記事は問う。彼女の証言によれば、幼いころに両親に見捨てられて孤独にさいなまれた記憶がいまだに彼女を苦しめる。彼女が大勢の男たちとのセックスを求めるのは、そこに「ヒトから求められている」という実感を得たいがための、一種の代償行為なのではないか、記事はこんな仮説を提示する。

彼女自身もこういっている。「孤独感を克服し、誰からも必要とされていないという強迫観念から逃れるために、自分は間違ったセックスを求めてきた」のだと。

今や、異常なセックス行動に陥っている人の数は、アメリカの場合、人口の3-5パーセント、900万人以上にのぼるだろうと推測されている。セックス依存症の増大の背景にはネット社会の浸透があげられる。今や、ネット上には膨大な数の、しかもリアリティ度の高いポルノ映像が氾濫し、誰でも気軽にアクセスできるようになった。

こうしたポルノグラフィはあくまでもヴァーチャルな映像に過ぎないが、そこにのめり込む人を大勢作り出すのは簡単なことだった。人々の中には、ネット上のポルノグラフィにくぎ付けになり、他人とのセックスを夢想したり、マスターベーションに夢中になるものが大量に生まれた。そうした人たちの中には、ヴァーチャルでは満足できず、現実のセックス行動に走るものもあらわれる。

ネット上には、セックスを斡旋するサイトもたくさんある。ヴァーチャルなセックスプレイに満足できなかった人々は、こうしたサイトを通じて、多数の人間との間で無差別なセックス行動をとるようにもなる。

こうして膨大な数の人間が、セックス依存症ともいうべき症状に自分を追い込んでいくという構図が生まれたというわけである。

セックス依存症は、一種の強迫性障害という性格が強いことから、精神的な治療が中心になる。依存性の障害と云う点ではアルコール依存症や重度喫煙者と同じような問題を抱えてもいるが、背景に複雑な心理的問題を抱えていることが多いことから、治療方針も人によって微妙に異ならざるを得ない。

ともあれ、この疾患は文明の利器がもたらした新しいタイプの文明病といえるかもしれない。





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このページは、が2011年11月30日 19:26に書いたブログ記事です。

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