2012年1月アーカイブ

120135.snow-owl-reuter.jpg

この冬、アメリカの太平洋岸から中部の草原地帯を経て東海岸に至るまで、シロフクロウ(Snowy Owl)の大規模な群が各地で観察され、バードウォッチャーたちを興奮させているそうだ。シロフクロウが越冬のためにアメリカ諸州まで南下する習性を持っていることはこれまでにも確認されていたことだったが、今年は少し様子が違う。何百何千と云う個体がアメリカにやってきたのだ。

スターリンが対日参戦を決断したのは、アメリカやイギリスを助ける為(連合国に対する義務)ではなく、まして軍国主義に対する民主主義の勝利の理念からなどではなく、自分自身の野心を成就させるためだった。その野心とは、日露戦争の敗北によって失ったものを取り戻すことだった。著書「ソ連が満州に侵攻した夏」の中で、こう半藤さんは断定している。

120134.journey.jpg

NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか」の第二集は、「グレートジャーニーの果てに」と題して、人類がアフリカを出て、南極を除く地球上のすべての大地に広がっていった過程を追跡していた。

473.misanthrope.jpg

黒い修道服を着た男の背後にみすぼらしいなりをした男の子が忍び寄って、男の財布をかすめ取ろうとしている。男の子が入っているガラスの地球儀は人間の略奪を表しているという。画面の下部にはフランドル語で「世界が不実であるゆえに、私は喪に服す」と書かれている。

大瀧雅之「平成不況の本質」を読んだ。副題に「雇用と金融から考える」とあるように、この本は平成不況と称されるものが、主として雇用の破壊と云う形で現れ、それが消費の縮小を通じて経済のさらなる縮小と云うマイナスの循環をもたらしてきた一方、企業所得のほうは一貫して拡大してきたことを説明している。

120133.medvedev_0818.jpg

メドヴェージェフが朝日新聞に寄稿したというので読んでみた。折から外相のラブロフが来日しており、日露関係についての日本側の意識も高まっていることから、大統領の立場から日ロ関係について有意義な発言でもするのかと思ったら、そうではなかった。内容はロシアへの投資を呼びかけるもので、ロシアがいかに魅力的な投資先か、弁々と述べたものに過ぎない。そもそも日本人への呼びかけと云う体裁をとっていない。宇宙人に呼びかけたとものとしても、不体裁ではないほどだ。ひがごとというほかはない。

120132.lavrov.png

昨日(1月28日)、来日したロシアのラブロフ外相と日本の玄葉外相が会談を行った。この会談に向けて玄葉外相は事前に北方諸島を視察し、ロシア側に領土返還に向けて協議の再開を呼びかける意向だと表明していた。一方、ロシア側は、今回の外相の日本訪問は日露間の経済協力について話し合うことが主な目的だ、と国内向けのメッセージを出していた。

120131.lavrov.jpg

ロシア外相ラブロフが今月末から6日間の予定で来日するのを前に、日本はどのようなスタンスで彼をもてなすべきか、その要諦について、ロシアの政府系新聞プラヴダが忠告してくれている。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「てんとう虫(La Coccinelle)」(壺齋散人訳)

  バガテルのバラの花に
  てんとう虫がひそんでました
  プロヴァンスのバラの中で
  120まで数を数えました

120130.Fed-articleLarge.jpg

FRBのバーナンキ総裁が、現在実施中のゼロ金利政策を少なくとも2014年いっぱいは継続すると表明した。デフレ傾向の中で長引く不況を意識したものだ。バーナンキ総裁は併せてインフレ目標を2パーセントに設定し、その実現のために必要なら、貨幣の供給量を増やす方策としてのQE3を実施する可能性にも言及した。

訳者の村上春樹がいうように、カポーティの小説「ティファニーで朝食を」は映画でのオードリー・ヘップバーンの印象があまりに強烈だったので、小説本来の雰囲気が誤解されて伝わっている感がある。映画の中では成熟した女性のオードリーが、これもまたタフガイ然としたジョージ・ペパードと大人の演技を交し合っていた。だがこの物語は本来、女性を主人公にした青春小説というべきものなのだ。

120129.chineses-ny.jpg

陰暦文化圏では、今年は1月23日が元旦に当たっていた。中華社会ではこの日から新しい一年が始まる。そしてその一年は、干支の上では辰年に当たる。中国でも台湾でもシンガポールでも、人々は爆竹を鳴らしながら、龍の舞を演じ、新年の門出を祝った。おかげで北京や上海や深刻な大気汚染に見舞われた。爆竹の煙が街の空を灰色に染めたのだ。

元豊八年、蘇軾は徐州へ赴任する前に常州の宜興に土地を求めた。できうればここに定着して余生を静かに送りたい、そう考えた蘇軾は常州居住の許可を朝廷に願い出た。朝廷ではその頃神宗皇帝が死去する騒ぎがあったが、蘇軾の願いは聞き届けられた。

120128.anglerfish.jpg

あんこうといえば、鍋物とあんきも、ちょうど今頃の冬の味覚だ。我々が食しているそのあんこうが、どれもみなメスであることは普段あまり気にはしていない。ところがものの本に当たると、あんこうのオスというのは、我々人間様の目に触れることはまずないのだそうだ。というのも、あんこうのオスはメスに寄生し、心も形もメスと一体化してしまうというのだ。

あひるの新年会を催した。場所は西新宿ヨドバシカメラ本店隣りにある漁船水産「三代目網元」という居酒屋。約束の時間より十五分ほど前に店につくと、既におーさんあひるが来ていた。静ちゃんあひるの名前で案内を乞う、その名前では予約は入っていないという。仕方なく彼女の来るのを待っていると、みーさんあひるに続いて、よこちゃんあひるといまちゃんあひるを従えた静ちゃんあひるがやってきた。筆者らから事情を聴いた静ちゃんあひるは、俄然店員を捕まえて叱責し、その剣幕で一同は奥まった部屋に通された次第だ。

大槻文彦は明治2年の「北海道風土記」を手始めにして、「琉球新誌」、「小笠原新誌」とった海防論ともいうべき著作を連続して書き上げた。いずれも日本周辺に位置する島々が日本古来の固有の領土である所以を考証し、これを領せんと虎視眈々と狙う外国勢力に対して防備を固めなければならぬと主張したものである。

120127.human01.jpg

NHKスペシャルが「ヒューマン 何故人間になれたのか」と題して、現生人類の進化の過程を4回にわたって放送する。第一回目は「旅はアフリカから始まった」。現世人類の祖先がアフリカに登場した経緯についての報告である。

472.magpie.jpg

ブリューゲルの伝記を書いたファン・マンデルは、「絞首台の上のカササギ」を、ブリューゲルが妻への遺贈品として描いたものだと指摘した。そんなところから、この作品は彼の画業の総決算として受け取られてきた。

120126.helix.jpg

上の写真はヨーロッパ南天天文台(European Southern Observatory)のヴィスタ(Vista)望遠鏡がとらえたらせん星雲(Helix Nebula)の赤外線映像だ。リング状の部分には無数のフィラメントが、その周縁部にはハローと呼ばれる暈状のものがはっきりと見える。

120125.bear-cubs.jpg

ホッキョクグマは春先に交尾をし、冬の最中に出産するのが普通なので、母親は氷の中に穴を掘って小さな空間を作り、そこに子供を産む。一時に複数の子どもが生まれ、彼らあるいは彼女らは、このように小部屋の中で身を寄り添いあって、春の訪れを待つわけだ。

ロナルド・ドーアといえば日本研究で有名な社会学者だ。筆者も若い頃に「学歴社会~現代の文明病」などを読んだことがある。1925年生まれと云うから、80歳をとっくに超えている。そんな氏が「金融が乗っ取る世界経済~21世紀の憂鬱」と題して、この20-30年ほどの短い間に世界中で進行した金融資本による経済の制圧と云う現象を、嘆かわしい事態として描き出している。老体にムチ打って慨嘆せざるを得ないほど、この現象は度が外れて異常だというのだ。

120124.poor-america.jpg

NEWSWEEK 最新号にニアール・ファーガソン(Niall Ferguson)が一文を寄せている。「豊かなアメリカ、貧しいアメリカ」(Rich America, Poor America)と題し、今日のアメリカが極端な格差社会になってしまった状況と、それへの処方箋の可能性について論じたものだ。

ロベール・デスノスの「お利口さんのおとぎ歌」から「蝙蝠(La Chauve-souris)」(壺齋散人訳)  

  四旬節の中日や カーニバルの日には
  サテンのマスクをかぶるものさ
  でもお祭りが終わるとマスクはどこへ?

120123.party.jpg

国分良成氏によれば(中国はどこへ行く「中国は、いま」所収)、中国共産党員は2010年現在で7800万人、2009年のデータによればそのうち労働者は9.7パーセント、農民、漁民は31.1パーセントで、いずれも減少傾向にあるのに対して、企業幹部、専門職などは22.2パーセントまで上昇してきている。彼らは共産党幹部と太いパイプを持ち、中国経済の発展の恩恵を集中的に受けている、幸福な連中だ。

オウム真理教の信者だった高橋英利氏が書いた「オウムからの帰還」を読んだ。読む気になったきっかけは、村上春樹による一連のオウム事件へのかかわりに触発されたことだ。

村上春樹の作品「アンダーグラウンド」に登場するインタビュイーのトップバッターは和泉きよかさんという26歳の女性だ。彼女は外資系の航空会社に勤務していることになっているが、かつてはJRの総合職として働いた経験もある。

120122.putin120118.jpg

プーチンがこのたび大統領選への立候補を決意するに至った背景と、彼がロシアの民衆の抗議をどう受け取ったかについて、Newsweek 最新号の記事が興味深く分析している。The Law Of Putin's Jungle The Russian leader may be in for a surprise: he misjudges his adversaries. By Owen Mathews & Anna Nemtsova

120121.tibet-reuters.jpg

中国には56の民族がおり、そのうち漢族以外の55が少数民族といわれている。小数といっても、絶対数では2010年時点で1億449万人にのぼり、日本の人口にほぼ匹敵する。そうした少数民族に対して、中国政府がどのような統治方針を取ってきたか、「中国は、いま」(岩波新書)所収の星野昌裕氏の論文「周縁からの叫び」をもとに考えてみたい。

蘇軾の四言絶句「荊公の韻に次す(その二)」(壺齋散人注)

  斫竹穿花破綠苔  竹を斫り花を穿ち綠苔を破る
  小詩端為覓榿栽  小詩は端(まさ)に榿栽を覓(もと)めんが為
  細看造物初無物  細かに造物を看るに初め物無なし
  春到江南花自開  春到れば江南花自ら開く

120120.putin-afp.jpg

プーチンが、自身のウェブサイトとイズヴェスチアに同時に、3月4日の大統領選に向けての決意表明を発表した。「自分はロシアにとってなくてはならない男だ」、決意表明はこの言葉で始まっている。

高田宏「言葉の海へ」を読んだ。日本最初の本格的国語辞典「言海」の著者大槻文彦の評伝である。一人の学者が日本近代化の象徴である国語辞典を単身の努力で作り上げていく過程を、明治維新と云う歴史的大変動と関連付けながら丁寧に浮かび上がらせていた。その点で、明治維新史のちょっと変わったヴァリエーションとしても楽しむことができる。

120119.russia_protest-afp.jpg

昨年末にロシア各地で高まった反プーチン運動。最初に集会を呼びかけたのは野党勢力だが、Facebook や「ヴ・コンタクテ」といったソーシャルネットワークを通じて、様々な階層から参加表明が相次ぎ、膨大な規模の集会へと発展した。

120118.watar.jpg

福島第一原発事故による放射能汚染のうち、海洋、湖、河川など水にかかわる汚染の状況はほとんど明らかにされてこなかった。というより、国は水の汚染の状況を調査してこなかったのだ。その穴を埋めるための調査をNHKが独自に実施し、その結果を放送した。(知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~)

471.peasant.jpg

一見のどかな農村風景をえがいたこの絵は、ネーデルラントの諺、「鳥の巣がどこにあるかを知っているものは知識を持つが、それを取るものは巣を持つ」を形象化したのだと解釈されている。

北京大学法学院教授で、中国の司法改革に向けてメッセージを発し続けている賀衛方氏が、日本誌「世界」のインタビューに答え、中国現行法制度の問題点について語っている。

120117.planets-afp.jpg

天の川銀河には地球大の惑星が数十億個存在する可能性がある。こんな仮説を提出したのはパリ天体物理学研究所のダニエル・クバス(Daniel Kubas)教授らが率いる国際研究チーム。教授らは、重力マイクロレンズ効果と呼ばれる手法を用いて、天の川の恒星とその惑星を観察した結果、この仮説にたどりついた。

経済学史の名著として知られる宇沢弘文氏の労作「経済学の考え方」を再読した。世界規模の経済危機が深刻化し、1930年代位以降最大の経済恐慌も懸念されている現在、経済学がこうした事態に有効な対策を打ち出せないでいるのは何故なのか、その手掛かりを経済学の歴史のなかに見出そうとして、この本を再読した次第なのであった。危機の時代にあってこそ、歴史から学ぶべきものは多いと考えたからだ。

120116.urinate.jpg

上の映像は、タリバンの三人の遺体に向かって、4人の米兵が放尿しているところを写したビデオの一部だ。装備から海兵隊員とみられる4人の顔には笑いの表情がある。地上に横たわっているタリバンが、兵士なのか非戦闘員なのか、映像からは詳しくわからない。

120115.merkozi.jpg

ドイツのメルケル(Merkel)首相とフランスのサルコジ(Sarkozy)大統領を合わせてメルコジ(Merkozy)というのだそうだ。いま世界中で最も熱い注目を浴びているカップルだ。ユーロの行方はこの二人のパフォーマンスにかかっているというわけだ。

ロベール・デスノスの「お利口さんのおとぎ歌」から「くじらさん(La Baleine)」(壺齋散人訳)

  くじらさんはえらいな
  水の中でもおぼれずに
  赤ちゃんにお乳を
  飲ませてやるんだもの

120114.louisiana-crayfish.jpg

アフリカの湖沼や湿地帯でアメリカザリガニ(Crayfish)が大繁殖し、小魚、魚卵、軟体動物、甲殻類、水生植物を食い荒らし、このままでは、ヴィクトリア、タンガニーカ、マラウィなどの湖において、既存の生態系が大きく崩れる恐れがでてきたと、ナショナル・ジオグラフィックの記事が警告している。Cajun Crayfish Invading Africa, Eating Native Species

村上春樹の作品「アンダーグラウンド」は、1995年3月20日に起きた地下鉄サリン事件で被害に遭った人々から聞き出した体験談のインタビュー記録である。事件の現場となった五本の電車ごとに、それに乗り合わせて被害に遭った人々のインタビュー記事を集め、それらを読みあわせることで、事件の全体像が浮かび上がってくるような体裁になっている。

うるう秒

| トラックバック(0)

4年に1回うるう年がやってくることは子供の頃から知っていたが、うるう秒というものがあることは今まで知らなかった。というのも導入されたのが1972年と、比較的最近の事に属するからだろう。そのうるう秒だが、存続を巡って熱いやりとりが続けられているらしい。

120113.Stephen-Hawking.jpg

現代に生きる我々にとって、画期的な世界像を作るうえで大きな役割を果たしたホーキング博士が、70歳の誕生日を祝ってくれたケンブリッジの仲間たちに、スピーチを寄せた。博士自身は健康状態がすぐれなくて、お祝いのパーティに出席することができなかったのだ。

蘇軾は黄州を経って徐州に向かう途中、金陵(南京)にしばらく滞在した。その間に、生まれてまだ一歳にもならぬ妾腹の子遯が死んだ。

120112.f-35.jpg

政府がFX次期主力戦闘機の選定を、米英など9か国が共同開発したF-35に決定したことに批判が出ている。

文春文庫版の「昭和天皇独白録」を読んだ。昭和21年3月18日から同4月8日までの延5回にかけて、松平慶民宮内大臣、木下道雄侍従次長、松平康昌宗秩寮総裁、稲田周一内記部長及び寺崎英成御用掛の5人に、昭和天皇が独白と云う形で、大東亜戦争の遠因から戦争遂行への天皇自身のかかわりなどについて率直に語られたものを、寺崎英成が記録したものだ。

中尊寺金色堂

| トラックバック(0)

120111.konjikido.jpg

平泉の中尊寺金色堂を見たのはかれこれ20年も前のことだ。季節は秋も深まる紅葉の時期だったと記憶している。単身ぶらりと松島を訪ね、そのついでに立ち寄った。その時のことは日記に書いた覚えがあるので、取り出して読んでみると、平泉の駅前から馬車に乗っていったということ、全山が見事な紅葉に包まれていたことなどが書いてあるが、肝心の金色堂の様子は何も書いていない。

1989年におきた天安門事件は1978年に始まった改革開放路線のひとつの中間帰結だったとみることができる。(南亮進他「中国経済入門」)

464.yagai.jpg

この絵は、「農民の踊り」、「農民の結婚式」の二部作より以前の1566年に描かれた。画面いっぱいに大勢の人物を配置し、それぞれに躍動感をもたせている。農民への愛情といい、豊かな色彩感といい、ブリューゲルの代表作というに相応しい作品だ。

渡辺真理子氏の論文「金融は中国経済のアキレス腱か?」(中国経済入門)によって、中国の金融政策の変遷を眺めてみよう。

120109.map.jpg

民主党政府が、原発の稼働期間について法制化する方針を決めたという。稼動してから40年たった時点で原則的に廃炉するというものだ。脱原発社会の実現へ向けての第一歩といえるだろう。

毛沢東の夢見た農村の姿はソ連の集団主義的な農業モデルを参考にしたものだった。コルホーズやソフホーズを手本にして、中国型集団農場が設立された。200-300戸の農家を単位として農業合作社と云うものが作られ、いくつかの農業合作社を合わせて2000-3000戸からなる人民公社が設立された。人民公社は農業生産の単位としては無論、農村における基礎的行政単位としても機能し、それこそ農民生活のすべてをカバーするものになった。

シンベリンは独裁的な王が自分の気まぐれから子供たちを放浪の運命に追いやり、その子供たちがさまざまな試練に耐え抜いた後に、最後には親子の和解を遂げるという物語だ。その和解の中に、シンベリンの娘イモージェンと孤児ポスチュマスの結婚が含まれていることから喜劇に分類されたこともあるが、話の大筋は喜劇と云うよりは運命劇であり、その点で悲劇的な要素ももっている。そんなところからトラジコメディと呼ばれることもあるが、今日ではシェイクスピア晩年の一連のロマンス劇に含められている。

1980年代以降の中国経済の発展ぶりはまさに目を見張るものがあった。21世紀になると発展の速度は更に高まり、ここ10年余りの間一貫して年率10パーセント前後の経済成長を続けてきた。その結果GDPで日本を上回り、アメリカに次いで世界第二の経済大国にのし上がった。

120108.nanjing-massacre.jpg

いわゆる南京大虐殺を描いた中国映画「金陵十三釵(張芸謀監督)」がいま大きなブームになっているという。中国人の歴史観に基づき、日本人による中国人の大虐殺を糾弾したものらしい。らしい、というのは、実は筆者はまだこの映画を見ていないからだが、NEWSEEKの紹介記事によれば、日本人への憎しみを掻き立て、中国人の愛国感情に訴えるものだという。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「熊さん(L'Ours)」(壺齋散人訳)

  でっかい熊さん 檻の中
  ハチミツにつられて入ったとさ

120107.heredim.jpg

ハレディム(Haredim)と呼ばれる超伝統主義のユダヤ人社会が、イスラエル国家にとって大きな問題として浮かび上がってきたという。これまでは国民全体に占める割合が圧倒的に小さかったため、あまり問題にされなかったが、今や人口の1割を占めるようになり、しかも2034年には2割にも達するだろうと予測されているように、イスラエル国家の中での存在感を急激に高めてきたことがその背景にある。

120106.susizanmai.jpg

今日(1月5日)行われた築地の初競りでマグロ一本がなんと5649万円で落とされたそうだ。昨年の初競りでは3249万円で落としたものがいて、世間をあっと言わせたものだが、今回はその比ではない。

作家村上春樹にとってオウム真理教事件というのは、特別な意味をもったらしい。この事件が起こったとき彼はアメリカにあって、長編小説「ねじまき鳥クロニクル」を執筆中で、事実経過をリアルタイムで追うことはなかったというが、帰国するやかなりの時間を割いて、オウム事件の裁判を傍聴したり、地下鉄サリン事件の被害者に対して、膨大な時間に上るインタビューを行ったりした。

120105.kju_ap.jpg

昨年暮れの31日に、鴨緑江を越えて中国に渡ろうとした北朝鮮人三人が、北朝鮮の国境警備隊によって射殺されるという事件が起こった。過去にも同様の事件が起こらなかったわけではないが、今回のは余りにも殺伐としたやり方だったと、川越しに現場を見ていた中国人も肩をすくめたということだ。

余の日記壺齋日録より平成廿三年末より平成廿四年始にかけての一週間の記事をここに再掲せんと欲す。

蘇軾の七言絶句「西林の壁に題す」(壺齋散人注)

  橫看成嶺側成峰  橫より看れば嶺を成し 側よりすれば峰を成す
  遠近高低各不同  遠近 高低 各 同じからず
  不識廬山真面目  廬山の真面目を識らざるは
  只縁身在此山中  只身の此の山中に在るに縁る

120104.yamada.jpg

NHKのドキュメンタリー「ガレキに立つ黄色いハンカチ」を見た。映画監督山田洋二さんの東日本大震災と向き合う姿を追ったものだ。倍賞千恵子さんや吉永小百合さんなど山田監督とつながりの深い人々も出てきて、それぞれの立場から震災に向き合い、被災した人々を励ましていた。

120103.famine.jpg

北朝鮮恒例の政府系新聞共同社説が発表された。筆者はハングルを解しないので、直接読むことはできなかったが、内外のメディアの論評をもとに、その概要を探ってみた。

ロシア・ソ連は日清、日露戦争以来の日本の宿敵だった。日本が朝鮮半島を属国とし、満州に傀儡国家を樹立したのも、ロシアの脅威に備えるための防波堤としての役割を期待しかたらだ。無論それがすべてではないが、最も大きな動機であったことは間違いない、と半藤さんは考える。

120102.tiny-spider.jpg

蜘蛛は、体積のうち脳みその占める割合が極めて高いことを、スミソニアン研究所のビル・エバーハルト(Bill Eberhard)氏の研究グループが突き止めた。とくに小型の蜘蛛ほど脳みその占める割合が高く、トビグモなどは体積の80パーセントにものぼるという。

463.danse.jpg

この絵は「農民の結婚式」とほぼ同じ時期に描かれたと思われる。全く同じ大きさの板で描かれ、色彩感覚にも共通するものがある。

エズラ・パウンドの詩「メダリオン(MEDALLION)」(壺齋散人訳)

  磁器に描かれたルイーニ
  グランドピアノが
  澄んだソプラノで
  罰当たりな声を上げる

dragon.jpg

平成二十四年の元旦を迎え、例の如くの描き初めに、今年の干支である龍を描いてみた。龍は筆者の家内の干支だ。家内はこれで還暦となる。夫婦そろって還暦を過ぎたわけだ。思えばはるけくも生きつるものかな、と聊かの感慨がないわけではない。



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

最近のコメント

このアーカイブについて

このページには、2012年1月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2011年12月です。

次のアーカイブは2012年2月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。