平成二十四年を迎えて

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平成二十四年の元旦を迎え、例の如くの描き初めに、今年の干支である龍を描いてみた。龍は筆者の家内の干支だ。家内はこれで還暦となる。夫婦そろって還暦を過ぎたわけだ。思えばはるけくも生きつるものかな、と聊かの感慨がないわけではない。

昨年は、この国にとっても、筆者自身にとっても節目になるような年だった。三月十一日に、千年に一度という巨大な地震が東北地方の太平洋岸を襲い、それにともなう巨大な津波が沿岸部の街々村々を飲みつくした。続けて福島の原子力発電所で深刻な事故が起こった。日本人はいまでもその後遺症に苦しんでいる。

津波に飲まれた地帯では、いまだに瓦礫の山が残されており、福島県から関東北部にかけては広大な土地が放射能に汚染されたままだ。原発周辺の地域に住んでいた人々は、いつになったら故郷に帰ることができるのか、展望をもてないまま年を越すことになった。

地震と津波はもちろん天災だが、その結果起こった原発事故は、人の傲慢さが招きよせたものという意味で、人災としての側面が強かった。

筆者自身についていえば、長年の宮仕えに終止符を打ち、十一月末日を以て退隠生活に入ることにした。人生の終末が目前に見えてくるようになり、そろそろ残された時間を、自分のために使いたいと思ったからだ。

海外に目を向ければ、ヨーロッパ諸国ではソブリンリスクが顕在化し、深刻な金融危機がおきた。それをきっかけに地球規模での経済恐慌が起きるのではないかと懸念されている。

その一方、政治的には民衆のコミットメントが高まった一年だった。アラブの春といわれるものをきっかけにして、世界中の民衆が、変革を求めて立ち上がった。その結果、いくつかの国では長年民衆を支配してきた独裁者たちが倒され、アメリカのような成熟した民主主義国家でも大勢の民衆が政治的な意思表示をした。

さて今年はどんな年になるだろうか。あるいはどんな年にするべく、人間は努力すべきだろうか。

ある人たちは、今年(2012年)はアルマゲドンの年だといっている。マヤのカレンダーが2012年12月21日で終わっていることを根拠にして、人類はこの日付を最後にこの世から消滅すると予言しているのだ。

この予言に聊かの意味が宿っているとすれば、今年は人類にとって特別な年になるかもしれない。金融危機が世界大恐慌に発展するといった事態も考えられぬわけではない。それはそれで人類にとって厳しい試練には違いないだろう。

日本人だって、東日本大震災の打撃からまだ立ち上がりきれていない状況で、新たな危機がやってくれば、どんな事態に陥るか分かったものではない。

やはり未来をしっかり見据えたうえで、きちんとした展望を抱きながら生きていく、この単純なことの大切さをしっかりと肝に銘じたい。





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このページは、が2012年1月 1日 17:23に書いたブログ記事です。

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