共和党の大統領候補ミット・ロムニーは、アメリカ史上もっとも成功したビジネスマンであり、当然ながら巨額の資産を持っている。そのこと自体は責められることではないが、しかしそれらの資産をどのような形で保蔵しているか、これは興味を引くイシューだ。オバマ陣営は、この問題を取り上げ、ロムニーが海外に保蔵している資産の額が巨額に上ることを、ネット上で暴露した。
オバマ陣営がネット上に公開しているサイトは、再選のための宣伝用サイトだ。そこに次のような情報をアップロードしたというわけだ。
"Mitt Romney has invested his money around the world, from the Cayman Islands to Ireland to Australia,・・・ We don't know if he's using these accounts to avoid paying his fair share in taxes, but we do know that in 2010, Romney's tax rate was a startlingly low 13.9%."
サイトに乗っている地図をみると、ロムニーの海外資産の保蔵先は、ケイソン諸島、バミューダ、アイルランド、ルクセンブルグ、スイス、ドイツ、オーストラリアなどとなっている。金額までは書いていないが、ＡＰ通信社が今年の１月に発表したデータによれば、ロムニーの海外資産の合計は、少なくとも３２００万ドルにのぼるという。
アメリカ人の多くは、成功したビジネスマンが巨額の報酬を手にするのは当然だと思っており、また、ビジネスで成功した人間なら、政治向きのことも得意に違いないと思う傾向があるようなので、ロムニーが３２００万ドルの金を海外資産のかたちで保蔵しているといわれても、そんなに気にはしないのかもしれない。
だからオバマ陣営でも、この海外資産について、それ自体が不当だとはいっていないが、海外に貯めておく金があるのなら、アメリカ国民のために、国内で有効活用すべきだといっているわけなのだ。（写真はロムニー：ＡＰから）
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