プーチンが5月7日にロシアの大統領職に就任した。先の憲法改正で、一期6年で二期までとなったので、プーチンは最大12年間、2024年までロシア大統領であり続ける可能性がある。
いまのところ、儀礼的な挨拶だけで、どんな国家運営をするつもりなのか、明確なメッセージは伝わってこないが、その政策の最大の柱が「強いロシア」であることは間違いない。
プーチンは今までにも大ロシア主義を標榜してきたが、今後はいっそうその路線を追求するものと思われる。
タイミングよくも、今年は1612年から400年目にあたる節目の年だ。ロシア人にとって1612年とは、モスクワを占領していた外国勢(主にポーランド人)を駆逐して、ロシアが民族の自立を勝ち取った年だとされる。ロマノフ王朝はこれを契機にして権力を握ったという経緯があり、毎年11月4日を「民族統合の日」として祝っていた。
ソビエト時代には、当然1917年のボルシェビキ革命が政治的な統合のシンボルとなり、1612年は歴史の表舞台から消されてしまったわけだが、プーチンは2005年にこれを復活させて、大ロシア主義のシンボルとした。
民俗の統合を強調する大ロシア主義は、その反面クセノフォビア(多民族嫌悪)を内在させているとされる。最近のロシアは、このクセノフォビアの現れと思えるさまざまな事件に彩られているが、プーチンの大統領復活をきっかけに、いっそう勢いを増す可能性が強い。(写真はItar-TASSから)
(参考)Four Hundred Years of Xenophobia: Vladimir Putin, 1612 and All That By Kamil Tchorek TIME
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