2012年8月アーカイブ

筆者のブログ「壺齋閑話」は、エントリーが4200件を超えて、重量オーバーとなりました。そこで、新しいブログを別途立ち上げました。「続壺齋閑話」といいます。今後はそちらの方を閲覧いただきたく、ご案内申し上げます。リンクは、こちら(続壺齋閑話) をクリックしてください。

大嶽秀夫氏の著作「日本型ポピュリズム」(中公新書)は、1990年代以降に現れたポピュリズム型政治家についての分析であり、小泉純一郎と田中真紀子に焦点を当てて、主に彼らの政治姿勢について考察を加えているのであるが、その前段として、戦後日本政治における政策軸というべきものをお浚いしている。筆者にはその部分が興味深く受け取れた。そこで、氏の分析を参考にしながら、戦後日本政治を貫いていた政策軸を、筆者なりに改めて整理してみようという気になった。

歴史を語る場合の切口にはいくつものやり方があるが、もっともわかりやすくて、かつドラマティックなものは、英雄を中心に描くことである。これを英雄史観という。英雄史観は読み物としても面白い要素があるので、大衆受けもする。その反面、個人に対して過剰なスポットがあてられる結果、歴史の全体的な流れが歪曲される危険が付きまとう。これを克服して、歴史と個人の相互作用を過不足なく描くことができれば、それは一流の歴史物語になる資格がある。

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南天のホウオウ(フェニックス)座の方角に、我々の銀河系から57億光年離れた巨大銀河団が見つかって、フェニックス銀河団と名付けられた。この銀河団は我々の銀河が属する銀河団の1000倍もの質量をもち、年に740個もの恒星を生み出していることが分かった。

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中世ヨーロッパの人々にとっては、肉体の悦楽を肯定することは異教的な堕落であり、ましてそれを賛美することは、神への許しがたい冒涜行為だとする観念が支配的だった。しかし肉体の賛美がまったく存在の余地を持たなかったかといえば、そうでもない。中世の民衆は、たとえば「薔薇物語」のような形で、肉欲を賛美する物語を楽しんでいたし、「デカメロン」や「カンタベリー物語」といった文学作品にも、肉欲を賛美する場面は多く描かれていたものだ。

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高倉健さんの主演映画「あなたへ」を見た。以前から高倉健さんのファンだった筆者は、数年ぶりに健さんの主演映画が公開されるとあって、何を差し置いてもと、公開初日(8月25日)に映画館に足を運んだのだった。


 ねえ、ちびっこ王子、きみの人生って、わびしいものだったんだね。だって、お日さまが沈むのを見るよりほかに、気晴らしがなかったなんて。僕には、そのことが、四日目の朝に、君と交わした対話から、わかったんだ。

蘇軾は陶淵明を深く愛し、その詩のすべてに和した。和するとは、原詩の韻をそのまま用いて新しい詩を作ることである。次韻ともいう。

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保守派の論客として知られるニアル・ファーガソン(Niall Ferguson)が、雑誌Newsweek の最近号に、オバマ大統領を強く批判する記事を寄せた。題名は Hit the Road, Barack (立ち去れ、オバマ)というショッキングなものだ。するとすかさず、クルーグマンが反論の文章をニューヨーク・タイムズのコラムに寄せた。ファーガソンのオバマ批判はお門違いだというのだ。

近世以降の日本人は、死者の遺体を火葬したうえで、その遺骨を大事に保存して敬意を払うということを基本にしてきたが、これがヨーロッパ人の目には奇異に映るのだと民俗学者の山折哲雄はいう。(「死の民俗学」)

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毎週金曜日の夕方に総理大臣官邸周辺で脱原発デモを繰り広げてきた人々の代表と、野田首相が会談の場を設けたそうだ。テレビや新聞の報道によれば、野田さんには菅元首相が付き添い、脱原発デモ側からは10名ばかりが参加して、ほぼ30分にわたり会談を行ったが、互いに主張を言い合うだけに終わり、会談とは程遠い事態に終わったそうだ。

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日本人女性ジャーナリストの山本美香さんが、内戦中のシリアで取材中、アサド軍の民兵に銃撃され、死亡する事件が起きた。山本さん(ジャパンプレス所属)は同僚のジャーナリストとともに、トルコ国境から、シリア北部の都市で激戦地となっているアレッポに入り、取材活動中にアサド政権側の民兵に襲われたということだ。

大江健三郎は「ドン・キホーテ」を壮大なパロディの体系としてとらえる。この小説そのものが、本来は騎士道物語のパロディとして構想されたのであるし、小説の内部にも、牧人小説のパロディをはじめとして、多様かつ多面的なパロディが盛り込まれている。それのみではなく、相次いで展開される様々な物語が、それに先行する物語のパロディにもなっていると言った具合に、小説全体がパロディの入れ子細工のような観を呈している。

小泉政権の外交政策については、明確な戦略性に欠けていたとの評価が強い。自民党の伝統であった対米追随姿勢を、みっともないほど強める一方、中国や韓国など東アジア諸国とは最悪の関係に陥ったというわけである。一方では、就任早々ブッシュと親密な関係を演出し、ブッシュの求めに対しては何でも応えながら、度重なる靖国参拝で東アジア諸国を挑発し、首脳レベルでの関係は冷え込んだ。地政学的にも、戦略的にも、日本としてほとんどありえない選択、というか為体を、小泉はやってのけた、そういう批判が強くある。

語基と擬態語

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阪倉篤義氏は、日本語の副詞表現のなかから、いくつかの特徴的なグループをあげている(日本語の語源)。
A~うっかり、ひっそり、ほっそり、にっこり、うっとり、にったり、こっそり、しっとり、ねっとり、のっそり、はっきり、べったり、むっくり、めっきり
B~しんみり、ほんのり、やんわり、ひんやり、まんじり、のんびり
C~すらり、ちらり、ゆらり、たらり、からり、きらり、そろり、ぐにゃり、ずばり

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NHKが尾瀬を紹介する番組を放送した(奇跡の湿原 尾瀬)。先日例の仲良しの熟女たちと尾瀬を散策したばかりで、その雄大な光景がいまだ瞼の奥に焼き付いていた筆者は、半ばは懐かしさから、半ばは知識欲から、画面に見入った次第だった。

山口昌男氏は「敗者の精神」の末尾を飾る人物として、松浦武四郎を選んでいる。幕末から維新にかけて、日本国中をくまなく歩き、それを財産として各地の民俗を研究し、晩年には各地から集めた民芸品の膨大なコレクションを楽しんでいた人物である。一般にはあまり知られることのない人物だが、山口氏ら文化人類学者の世界では一応は知られているという。日本の民俗学あるいは文化人類学の草分けといった位置づけになるらしい。

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先日失脚した元重慶市トップ薄熙来の妻で、イギリス人殺害の容疑で裁かれていた谷開来に、2年間の執行猶予つきで死刑判決が言い渡された。

小泉政権下で経済財政諮問会議の果たした役割は巨大なものだった。それは従来の官僚主導で分散型の意思決定から、官邸主導で集権型の意思決定への転換を可能にし、族議員らによる既得権益の独占を排除して、新たな政策軸を持ち込むことに成功した。小泉はこの経済財政諮問会議を最大限に活用することで、郵政民営化をはじめとした、新自由主義的な政策を次々と実行していったのである。

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「悦楽の園」はボスの最高傑作との評価が高い。トリプティクス(三連祭壇画)の形式を用いたこの作品は、他のトリプティクスが教会の祭壇を飾るに相応しい宗教的なテーマを描き出しているのに対して、宗教性は前面には出てこない。というより、人間の背徳性を前面に出しているといってもよい。そんなことからこの祭壇画は、教会の祭壇を飾るために描かれたのではなく、富裕な商人たちの現世的な道楽のために描かれたのであろうと推測されてきた。

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今時民主主義国家を標榜する国でこんなことが起きるとは驚きだ。スト中の労働者に対して治安当局が発砲し、大勢の労働者が殺害されたというのだ。殺害したほうはこれを正当な行為だと主張し、殺害された方は非人道的な皆殺し行為だと非難している。

 日ごとに僕は、その惑星とか、その子がそこから出発して、旅に出たことなんかが、わかるようになった。考えているうちに、少しずつわかったんだ。そして出会って三日目に、バオバブの話を聞いたってわけ。

蘇軾の七言律詩「江を汲んで茶を煎る」(壺齋散人注)

  活水還須活火煎  活水 還た須らく活火もて煎るべし
  自臨釣石取深清  自づから釣石に臨んで深清を取る
  大瓢貯月歸春甕  大瓢 月を貯へて春甕に歸し
  小勺分江入夜瓶  小勺 江を分かちて夜瓶に入る
  雪乳已翻煎處腳  雪乳 已に煎處の腳を翻へし
  松風忽作瀉時聲  松風 忽ち瀉時の聲を作す
  枯腸未易禁三碗  枯腸 未だ三碗を禁じ易からず
  坐聽荒城長短更  坐して聽く 荒城の長短更

小泉政権の5年余りをどう評価するかについては、いまだ様々な議論がなされている。日本の政治史の上で非常にユニークな政権であったことは間違いなく、そのことで研究者の分析視点も様々だし、肯定・否定の評価軸も一様ではない。これを肯定的に見る人には、この政権が日本の統治構造を変えたという歴史的な功績に注目する者が多く、これを否定的に見る人には、その新自由主義的政策が日本を格差社会に追いやったという点を批判する者が多い、と一応は言えるようであるが、そんなに単純には割り切れない。結局功罪相半ばするという、曖昧な評価がまかり通っているというのが現状だろう。

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鎌倉時代の初めに制作された「六道絵」の一つに「餓鬼草紙」がある。餓鬼とは人が死んだあとの、成仏できないでいる霊魂のあり方をあらわすものだが、この餓鬼の様々な様相を絵に現したのが「餓鬼草紙」だ。このうち、「塚間餓鬼」と称されている一枚は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての、埋葬場所の有様を伺わせる貴重な資料ともなっている。

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戦後67年もたつというのに、アジア太平洋戦争の全貌はいまだに明らかになっていない。それは全貌解明のために必要な情報が出そろっていないことに原因がある。そうした情報は、終戦時に隠滅されたり、あるいは重要情報を知る人物が固く口を閉ざしてきたことで、なかなか出そろわなかったのだが、近年になって、少しずつ明るみに出てくるようになった。その一つとして、ソ連参戦にかかわる重要情報が最近明らかにされた。それも日本国内からではなく、イギリスの国立公文書館から。

アウエルバッハが主著「ミメーシス」を刊行した時、セルバンテスを論じた章はなかった。スペイン語版が出されるに及んで「魅せられたドゥルシネーア」と題するセルバンテス論を書き、それを第14章として挿入したのである。

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軍隊に軍法会議はつきものだが、旧日本軍での軍法会議のあり方がどうだったかについて、筆者は殆ど知らなかった。ところがその一端を、NHKスペシャルの「戦場の軍法会議~処刑された日本兵」という番組を通じて知った。

男女の性別を表す日本語として、「おとこ」と「おんな」という一対の言葉があるが、語源を遡ると、もともと別の系統の言葉だったらしい。「おとこ」は古代では「をとこ」といい、「をとめ」とともに男女一対の言葉だった。それに対して「おんな」のほうは、古代語では「おみな」といい、それが「おうな」を経て「おんな」になった。「おみな」に対応するのは「おきな」である。

山口昌男著「敗者の精神史」第七章は、「明治出版会の光と闇」と題して、明治から大正にかけて日本の出版文化をリードした博文館を取り上げている。何故博文館かといえば、博文館の創業者大橋佐平が長岡藩の出身者、つまり敗け組だったからという単純な理屈によるらしい。

ロンドン・オリンピックでの日本の獲得メダルの総数は38個。金メダルについては7個で、当初目標の15個を下回ったが、総数としてはアテネの37個をしのぎ史上最大となった。この躍進の影には、国によるサポート・システムの存在があるのだそうだ。

絞首刑は残虐なのか?もしそうなら、死刑の執行方法を見直す必要があるのか? この微妙な問題について、法務省内で検討が始まったそうだ。きっかけは裁判員裁判の導入、普通の市民が容疑者に死刑判断を下す際に、絞首刑が残虐な方法だという意識があると、適正な判断ができない場合がある。それ故、死刑の執行方法について議論を深めることで、国民の理解を得るようにしたいということらしい。

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この絵においても、地獄は劫火と洪水とでイメージされている。日本の地獄には洪水は殆ど出てこないが、ヨーロッパの絵画ではつきもののようである。

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強くて、やさしくて、かっこいい。これは卓球選手の福原愛さんが女子レスリングの吉田佐保里さんを評して言った言葉だ。平野、石川の両選手とともに出演したNHKの番組のなかで飛び出してきた。筆者はそれを聞いて、すがすがしい気分になった。

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ミット・ロムニーがポール・ライアンを副大統領候補に選んだと聞いて、驚いたのは筆者のみではあるまい。ライアンと言えば、保守化の傾向を強めている共和党の中でも最も右寄りの人物だ。そのいうことは小さな政府の一点張りで、外交を含めて政治家としてのキャリアは非常に小さく、その能力にも疑問がもたれている。そういう人物を副大統領候補に選んだということは、共和党保守派の票を取り込みたいという意向が強く働いた結果だろう。なにしろライアンは共和党保守派のホープと言われる人材なのだ。

 もうひとつ、とても大事なことがわかった。その子の生まれた惑星は、普通の家よりちょっぴり大きかっただけってこと。

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NASAが打ち上げた火星探査機キュリオシティが、火星の表面に着陸し、そこで撮影した映像を地球に送ってきた。それを見ると、あまりにも地球に似ているため、科学者でなくても想像力を刺激される。

蘇軾の五言絶句「縦筆」(壺齋散人注)

  寂寂東坡一病翁  寂寂たり東坡一病翁
  白須粛散満霜風  白須 粛散 霜風に満つ
  小児誤喜朱顔在  小児 誤って喜ぶ朱顔在ると
  一笑那知是酒紅  一笑す 那んぞ知らん 是れ酒紅なるを

オリンピックも終末近くになったところで、ビッグニュースが舞い込んできた。女子レスリングで、三つの金メダルを獲得したというのだ。獲得したのは48キロ級の小原日登美、55キロ級の吉田佐保里、63キロ級の伊調馨の三人だ。吉田と伊調はオリンピック三連覇の偉業を成し遂げたことになる。

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ロンドン・オリンピック女子サッカー決勝戦なでしこ対アメリカの試合を、筆者は未明(3時半頃)に起きてテレビ観戦した。日頃応援しているなでしこたちの試合だ、早起きには弱い身でも、多少の無理をしても見なければならぬ、そんな風に思ってのことだった。

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西塘の運河に並行して狭い道が走っており、その道と運河沿いの道との間に、この絵にあるような狭い路地が通じている。この路地には、入り口に門が設けられ、箸帽街という表示がされている。箸と帽子を商う店が集まっているのかもしれない。

フランスのオランド大統領が打ち出した富裕層への増税政策が広範な議論を呼んでいる。政策の目玉となるのは、所得税の最高税率を75パーセントに引き上げようとするものだが、そこには二つの目的があると言われている。ひとつは、財政立て直しの方策として、これまでのように間接税の引き上げばかりに頼るのではなく、直接税である所得税の増税にウェイトを置こうとすることだ。もうひとつは、富裕層に税負担を重くすることで、格差の拡大を是正しようとすることだ。

高橋康也氏は「道化の文学」において、「ドン・キホーテ」を、エラスムス、ラブレー、シェイクスピアの系列に位置する道化の文学として位置付けている。ドン・キホーテは「ルネサンスが生み出した最後の道化」というわけである。その限りにおいて、「ドン・キホーテ」は近代文学の先駆けというよりは、中世・ルネサンスの民衆文化の延長上のものであるといわねばなるまい。バフチンがラブレーの作品について定義づけたのと同じような意味合いにおいて。

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ハチドリの仲間は鳥の中でももっとも小さいことで知られる。マメハチドリに至っては、全長が6cm、体重は2gしかない。ブンブンと蜂のような音をたてて、ホバリングしながら、花の蜜を吸う。その姿や習性が蜂によく似ているため、ハチドリと名付けられたわけだ。英語ではハミング・バードという。

京言葉の「そやさかいに」は、関東で「そうだから」にあたる。「そやさかいに」の「そや」の部分は「そうや」が短縮した形で、「そうだ」あるいは「そうじゃ」と同じ意味である。京言葉の歴史をたどると、「そうだ」が最も古く、次に「そうじゃ」となり、いまでは「そうや」が支配的になった。

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写真(NASA提供)は、うお座にある渦巻銀河N74。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたイメージだ。

山口昌男氏の「敗者の精神史」のうち、まず第5章、第6章と拾い読みしていたところ、依田学海の周辺人物として、淡島椿岳、寒月父子の名前が出てきた。父親の椿岳の方は、晩年向島に庵を結び、同じく向島に別邸をもっていた学海とは近所付き合いをしていたという。それもなかなか洒落た付き合い方だったというので、筆者は俄に興味を覚え、この本の中で、椿岳、寒月父子を取り上げている第3、4章に戻った次第だった。

泣虫愛ちゃんこと福原愛さんがうれし涙にむせんだそうだ。卓球団体戦の準決勝でシンガポールチームを破り決勝進出を決めたときのことだ。愛さんは年下のパートナー石川香澄さんと抱き合って喜びの涙を流したという。

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中世の画家たちは、地獄の光景を描くことは多かったと思われるが、罪あるものが地獄へ落ちていく降下の有様を描いたのは、ボスが初めてだったのではないか。ボス以前にも、堕天使(反逆天使)の降下はイメージとしてあった。だが罪人の魂が地獄へ向かって降下していくのは、これが初めてだと思う。

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今年(2012年)の2月、プッシー・ライオットという名のロシアの女性パンクロック・グループが、モスクワにあるロシア正教の大聖堂に忍び込み、覆面姿で外壁の上に立って、プーチンを批判する内容の歌を歌った。「マリア様、プーチンめを追い出してちょうだい」という歌詞だった。

 この子がどこから来たのか、それがわかるまでは長い時間がかかった。だって、このちびっこ王子は、僕にはいろいろ質問するくせに、僕のいうことには耳を貸さないんだ。でも、その子がたまにしゃべる言葉からから少しずつ、わけがわかってきたんだ。

先日、中国に進出した日本企業王子製紙の排水問題をきっけかに、江蘇省南通市で住民暴動が勃発したが、それをを取材していた朝日新聞の記者が、地元の警察官から暴行を受け、カメラを略奪されるという事件が起こった。この事件に対して、朝日新聞社は外交ルートを通じて抗議したようだが、暴行を働いた警察官の特定など、はかばかしい成果は期待できそうもないようだ。

紹聖四年(1079)、家の普請が完成した頃、蘇軾は海南島に流されることになった。恵州での蘇軾の暮らしぶりが、流人の境遇に相応しくないという噂が立って、宰相の章敦がもっとひどい目にあわせてやろうと思ったためだ。

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オリンピックが華やかに繰り広げられているロンドンだが、華やかなのは競技場の中だけで、一歩街中に出ると不況風が吹いているといわれる。期待した観光客の脚は、ロンドン都心や観光スポットには及ばず、ロンドン名物のミュージカル・シアターやパブでは閑古鳥が鳴いているそうだ。ユーロ圏を襲っている不況の風に加えて、イギリスが抱えている構造的な要因も働いているようだ。

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西塘の運河沿いに立ち並んでいる建物は、一階部分が土産物屋や食堂、二階部分は民宿になっているところが多いという。この絵はそんな建物の一つを描いたもので、運河に面して茶店が望まれる。「人家」という表示があるから、二階には宿泊の施設があると思われる。

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反体制派のブロガーとして知られ、反プーチン・デモのリーダーでもあったアレクセイ・ナヴァーリヌィが刑事訴追された。容疑は材木を盗んだ、というものである。このニュースが伝えられると、西側のジャーナリストの間では、プーチンによる反体制派の弾圧が本格化するのではないかとの観測が広がったようだ。

本田誠二氏は、今日では日本のセルバンテス研究の第一人者ということらしいが、彼の書いた「セルバンテスの芸術」という本は、正直言って読みづらかった。論旨展開がトリヴィアリズムに走っていて、なんだか枝葉末節の事柄を聞かせられているような感じをうけるし、文章の運びにもなんとなくリズムが感じられない。

愚かな人間をさしていう言葉「バカ」は、古語で愚かなことや人を意味する「ヲコ」が、音便作用によって生じた言葉だとする柳田国男の説を、このブログでも紹介したことがあるが(「馬鹿の語源」)、その際、「アホウ」と言う言葉については、とくに問題意識をもつようなことはなかった。ところが、この言葉も「ヲコ」の転訛したものだという説を知るに及んで大いに驚いたことがある。



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