人間の科学


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今年2009年のノーベル医学生理学賞は遺伝子の束である染色体の端末部テロメアの研究で大きな業績をあげた3人、エリザベス・ブラックバーン Elizabeth H. Blackburn 女史、キャロル・グライダーCarol W. Greider 女史、ジャック・ショスタク Jack W. Szostak 氏に贈られた。(上の写真 左からショスタク、グライダー、ブラックバーン:NYTより)

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人類がチンパンジーと共通の祖先から枝分かれしたのは600-700万年前のことと考えられている。その時から人類とチンパンジーはそれぞれ独自の進化を歩んできたと思われるが、その過程で現在の人類に直接つながる祖先として分っている限り、アウストラロピテクス Australopithecus が最古とされてきた。彼らが生きていたのは、300-390万年前のことだ。

アルツハイマー病と関わりのある遺伝子が新たに三つ特定された。クラステリン (Clusterin) 、CR1 (Complement Recepter 1) 、PICALMという三種の遺伝子で、イギリスとフランスの研究グループが、それぞれ別個に発見した。

あの人は視野が狭いとか、逆に視野が広くて周りがよく見えてるとか、そんな言い方がよくされる。視野が狭いというのは、どちらかというと否定的な感じで、人間としての幅の狭さや思慮の浅さに通じるイメージを伴っている。だがよくよく考えてみると、視野が狭いことは、悪いことだらけでもなさそうだ。

日本ではあまり聞かない話だが、欧米では歯科の局所麻酔があまり効を奏せず、したがって歯の治療を極端に嫌がる人々がいるそうだ。

人類の祖先はいつ頃から楽器を使って音楽を演奏していたか。絵画のような美術的な活動については、洞窟壁画のような形で残っているのが確認されているが、楽器は壊れやすいこともあってか、その痕跡はなかなか見つからなかった。ところが最近、数万年前の楽器の遺跡が発見され、人間の祖先たちの音楽活動の一端が推測されるようになってきた。

加齢による脳の器質上の変化がアルツハイマー病を引き起こすことはよく知られている。脳内にプラークと呼ばれる老廃物がたまり、それが脳の神経組織を阻害して、認知障害や譫妄などの精神障害を引き起こすものだが、人によっては、脳に明らかな変化が現れているにかかわらず、そうした障害が起きない人々もいる。

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大きな腹に色とりどりの模様を施して並んでいるこの妊婦たちの写真は、先日南米ペルーのリマで開かれた母性保護集会での一こまを写したものだ。ロイターが配信したものを借用した。

アメリカの General Social Survey (シカゴ大学が運営)によれば、結婚しているアメリカ人カップルは年間平均58回のセックスをしているそうだ。そのうち30歳以下のカップルは111回だというから、週に2回以上はセックスをしている勘定になる。

安眠の秘訣

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Intent なる Web サイト上に「安眠の秘訣」と題して、16項目にわたる処方が書かれていた。誰しも心地よい眠りは何にもまして大切な事柄だから、日ごろ不眠気味な人にとって、貴重なアドバイスになるに違いない、そう思ってここに紹介する。

自閉症になる確率は、男子のほうが女子より四倍も高い。何故そうなのか、よくわかっていなかったが、神経細胞内の遺伝情報にその手がかりがありそうだということが、最近の研究であきらかになりつつある。なかでも先日 Molecular Psychiatryがネット上で発表した研究成果が、自閉症の発症と密接な関連をもつ遺伝子を特定して、関係者の注目を浴びた。

1983年にドイツのメッセル窪地で発見されていたサルの化石が、その後の調査の結果、人間を含む類人猿全体の祖先であることがわかってきた。アイダと名づけられたこのサルは、4700万年前に生きていたもので、偶然が作用して、ほぼ完全な形で保存されていた。

今回メキシコに端を発した豚インフルエンザ騒ぎは、疫病に関する我々の見方を大いに変えさせるものだった。たかがインフルエンザと思っていた病気でも、まかりまちがえばペスト並みの猛威を振るうこともある、日々流される報道を通じて、そのことがよくわかったからだ。

メキシコで発生した豚インフルエンザが大きな騒ぎを引き起こしている。4月13日に新型のウィルスであることが確認されて以来、今日(現地時間4月25日)までのわずか10日余りの間に、メキシコでの患者は1300人を越し、そのうち80人以上が死んだ。またメキシコと国境を接するカリフォルニアやテキサスでも患者の発生が報告されている。

世界規模で高齢化が進む中、アルツハイマー病の患者も増大し続けている。現在地球全体で2600万人がかかっているといわれるが、この趨勢が続くと、2050年には1億600万人がアルツハイマー病になるだろうと推測されている。

気温の急激な上昇や気圧の変化が頭痛や偏頭痛の原因になっているらしいことが、最近の研究で明らかになってきた。アメリカのケネス・ムカマル Kenneth Mukamal 博士らのグループによれば、気温が短時間で5度上昇すると、およそ8パーセントの人が烈しい頭痛を訴えるようになるという。

先日アメリカで8人の子どもを出産した女性が世界中の話題になった。この女性にはすでに6人の子どもがあり、新しく生まれてきた子どもを加えると、実に14人もの子どもたちの母親になるというのだ。

人間は男女が揃って始めて種として存続できる。どちらがいなくても子孫は残せない。当たり前のことだが、この当たり前がいつか実現することが確実なのだという。地球上から人間の男が消え、したがって人類そのものが消滅することは時間の問題だというのだ。この戦慄すべきことがらについて、NHKの科学番組が細かく解説していた。

女と男とでは、生殖という共通の目的に向かって異なる機能を果たすようにできている。これは人間に限らず、動物植物を通じて二倍体を選んだ生き物の宿命だ。機能が異なるのであるから、身体の構造もそれによって異なるし、行動様式にもさまざまな相違が見られる。男は概して社会的かつ攻撃的であり、女は概して家庭的かつ包容性に富んでいるといった具合に。

人間というものはごくあっさりと死ぬこともあるものだ。筆者は最近心筋梗塞で突然倒れた男が、そのまま静かに死んでいった事態を目のあたりにして、人間の命のはかなさに感じ入るとともに、自分も死ぬのなら、こんな風に穏やかに死んでいきたいと、なかばうらやましく思ったことがあった。

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