地球と宇宙の科学


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今日2009年7月22日は、日本で46年ぶりに皆既日食が見られるとあって、日本中が大フィーバーした。事前のガイドによれば、午前11時前後を境に、南西諸島から小笠原にかけての諸島で、最大6分間にわたり、ダイアモンドリングをはじめとした皆既日食の美しい光景が見られるとあった。

二酸化炭素などの温暖化ガスは大気圏の温度を上げるだけではない。それは当然海洋の温度も上昇させる。地球全体の温度が上がるのだから、海面の温度もあがるのは道理だが、温暖化ガスは、別の連鎖を通じても、海洋に悪い影響を及ぼし始めている。

ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられたのは1990年のことだ。当初はトラブル続きだったが、何回かの修理を経て観測精度を上げ、数々の宇宙の映像をキャッチしてきた。

地球の温暖化がいよいよ待ったなしの段階になってきた。CO2削減の国際的な取組を尻目に、毎年のCO2排出量は減るどころか増え続けている。このままだと、今世紀の末には地球の気温は今より2度ないし5度上昇する。5度も上昇したのでは、海面が上がって陸地の多くが水没するばかりか、生命自体が生息困難になるだろう。

21世紀に入って、太陽系外の惑星が次々と発見され、その数はいまや350近くにもなる。天文学者たちが惑星の発見にやっきになる動機はいうまでもなく、地球によく似た惑星、つまり生命が宿る星を探すことだ。仮に探せなくとも、惑星とその親星との関係を通じて、太陽系に関する新たな知見が得られるかもしれない。

太陽系を遊泳している天体が地球に接近すると、地球の引力に吸い寄せられて流れ星となり、大気圏に突入するのはよく見られることだ。ほとんどの場合、流れ星は大気圏突入時の衝撃によって、こなごなになってしまうので、その残骸を突き止めることは不可能に近かったが、このたびNASAのグループが、それを見つけ出すという快挙をなしとげた。

深海に生息する類のタコには墨袋がない。タコが墨を吐き出すのは敵から姿をくらますためだが、深海はもともと真っ暗なので、その必要がないからである。

月の探査衛星、正式には月周回衛星「かぐや」から送られてくる報告が、月と地球の歴史に関する貴重な情報を提供してくれるようになった。かぐやが撮影した月面の映像は、世界中でもっとも緻密なものなので、科学者たちは地球にいながら月をつぶさに観察できるようになったのだ。

恒星とその惑星らしいものが同時に映った写真を撮影することに、トロント大学の研究グループが成功した。その恒星 JRXS J160929. 1-210524 は、さそり座の一角にあって、地球からの距離は約500光年、太陽の質量の85パーセントほどの大きさである。一方惑星と思われる星は、木星の8倍ほどの大きさで、恒星からの距離は、太陽―地球間の距離の330倍である。

この夏、国際宇宙センターが不思議な雲を捉えた。その雲は地球の先端部、大気圏が宇宙空間と接するところに浮かんでいた。高度でいえば7万6千メートルから8万5千メートルの上空にあたる。通常の雲が発生するのはせいぜい1万8千メートルの上空が限度とされるから、これは非常に珍しい雲といえる。

東京湾の入り口付近が深い海底の谷になっていて、そこに様々な深海魚が生息しており、とりわけサメの仲間は40種類を数えるということだ。世界の海の中でこんなにも多くの種類のサメが集中していること自体珍しいそうだが、それが大都会の目と鼻の先で展開しているというのも、非常に珍しい。

今年の夏も、前半は昨年に増して暑さが厳しかったが、後半は雨模様の日が続き、しかもすさまじい勢いの集中豪雨が日本各地を断続的に襲った。気象庁によれば、ゲリラ豪雨と称される集中豪雨は、全国39箇所において過去最高の雨量を記録したそうだ。静岡県の富士市では一時間当たり113ミリの雨量だったというが、これがどれほどすさまじいものか、経験した人でなければわからないだろう。

地球上の生命がどのようにして生まれたか、詳しいことはほとんどわかっていない。ひとつの仮説として従来有力だったのは、宇宙の外の天体からもたらされたというものである。ある時期地球に衝突した天体に原始的な生命体が含まれていて、そこから地球の生命の歴史が始まったと推測するものだが、説明できないことを、神の業に帰するのと同様、都合がよすぎるという批判が強い。

NASAの元宇宙飛行士で、アポロ計画に従事し、人類では最も長時間の月面滞在記録をもつエドガー・ミッチェル Edgar Mitchell 氏(77歳)が、宇宙人の存在について発言し、話題を呼んでいる。氏は、宇宙人がこれまでに何度も、地球を訪れたことがあるにかかわらず、政府はそれを60年間にわたって隠蔽してきたというのだ。

大西洋とインド洋の亜南極地帯の島嶼に生息するオウサマペンギンは、南極圏に生息するコウテイペンギンに次いで大型のペンギンである。かつては亜南極の海に広く分布していたが、19世紀中に、航海者によって乱獲され、一時絶滅寸前にまで減った。船乗りたちはオウサマペンギンの脂肪を料理用の油として使っていたのである。

ここ数年間における天文学の進歩は目を見張るばかりだ。地球からはるか彼方にある惑星が次々と発見されているのはその象徴的な出来事である。最近日本ではUFO論議が盛んになっているが、それは、このような惑星に高度な知性を備えた生き物がいるかもしれないという予測が、現実味を帯びて語られるようになったからだろう。

一億三千五百万年前から約七千万年間続いた白亜紀が、六千五百万年前に突然終了し、それとともに恐竜類も滅びたことに関しては、先稿「恐竜を絶滅させた巨大隕石」で述べたように、太陽系の中で発生した隕石がユカタン半島に激突した結果、地球環境が激変したことに主要な原因があることについて、ほぼ異論がないところであろう。

地球温暖化対策がますます危急の課題となりつつある現在の世界において、バイオ燃料は化石燃料に代わるものとして一躍脚光を浴びている。政治家のパフォーマンスとしてもわかりやすいテーマなので、アメリカのブッシュ大統領も人気回復策に利用しているほどだ。

メキシコのユカタン半島に、巨大隕石が衝突した結果できたクレーターが残っている。名をチクシュルーブ Chicxulub クレーターといい、幅170キロにもわたる広大なものだ。これは今から6500万年前、宇宙からやってきた直系約10キロの巨大隕石が作った穴だ。クレーターの規模からして、衝突したときの衝撃は想像を絶するものだったと推測される。

地球のような惑星がどのようにして作られるか、その誕生のメカニズムについてはわからぬことが多かった。このたび、アメリカの天体学者マクロー氏 Mordecai-Marc MacLow のグループが惑星の形成過程について一つのモデルを提出した。なかなか興味深いので紹介したい。

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