世界情勢を読む


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エズラ・パウンドは第二次世界大戦中にはイタリアに居住し、ムッソリーニに大いに共感したうえで、アメリカにはイタリアに敵対しないように呼びかけた。そのことで彼はファシストであると断罪され、イタリアの敗北後、祖国に対する反逆罪に問われて、12年以上も監獄にぶち込まれた。下獄したのちは再びイタリアに渡ったが、政治的な活動は一切つつしみ、沈黙を守りとおした。

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インド北西部の都市ジャイプールで2006年以来開かれてきた文学祭は、今では世界中の文学者の注目を集めるまでに成長したようだが、今年はちょっとした波乱に見まわれた。イスラム教徒から目の仇にされているイギリスの小説家で「悪魔の詩」の作者サルマン・ルシュディーが、不可思議な脅迫を受けて、この催しへの参加をキャンセルしたのだ。そのいきさつを、インドの人気作家ルシール・ジョシがNewsweekに寄稿した文章の中で明らかにしている。Salman Rushdie's Contentious Absence at India's Jaipur Festival By Ruchir Joshi

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ラヴロフの日本訪問に寄せて、プラウダが感情的な反応を見せている。ラヴロフがNHKとのインタビューの場で、南クリルの帰属問題について日本側に幻想を抱かせるような発言をしたのは、ロシアの国益に反することだ、ラヴロフは南クリルがロシアのものであることを断固として表明すべきだった、というものだ。

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陰暦文化圏では、今年は1月23日が元旦に当たっていた。中華社会ではこの日から新しい一年が始まる。そしてその一年は、干支の上では辰年に当たる。中国でも台湾でもシンガポールでも、人々は爆竹を鳴らしながら、龍の舞を演じ、新年の門出を祝った。おかげで北京や上海や深刻な大気汚染に見舞われた。爆竹の煙が街の空を灰色に染めたのだ。

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NEWSWEEK 最新号にニアール・ファーガソン(Niall Ferguson)が一文を寄せている。「豊かなアメリカ、貧しいアメリカ」(Rich America, Poor America)と題し、今日のアメリカが極端な格差社会になってしまった状況と、それへの処方箋の可能性について論じたものだ。

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国分良成氏によれば(中国はどこへ行く「中国は、いま」所収)、中国共産党員は2010年現在で7800万人、2009年のデータによればそのうち労働者は9.7パーセント、農民、漁民は31.1パーセントで、いずれも減少傾向にあるのに対して、企業幹部、専門職などは22.2パーセントまで上昇してきている。彼らは共産党幹部と太いパイプを持ち、中国経済の発展の恩恵を集中的に受けている、幸福な連中だ。

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プーチンがこのたび大統領選への立候補を決意するに至った背景と、彼がロシアの民衆の抗議をどう受け取ったかについて、Newsweek 最新号の記事が興味深く分析している。The Law Of Putin's Jungle The Russian leader may be in for a surprise: he misjudges his adversaries. By Owen Mathews & Anna Nemtsova

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中国には56の民族がおり、そのうち漢族以外の55が少数民族といわれている。小数といっても、絶対数では2010年時点で1億449万人にのぼり、日本の人口にほぼ匹敵する。そうした少数民族に対して、中国政府がどのような統治方針を取ってきたか、「中国は、いま」(岩波新書)所収の星野昌裕氏の論文「周縁からの叫び」をもとに考えてみたい。

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プーチンが、自身のウェブサイトとイズヴェスチアに同時に、3月4日の大統領選に向けての決意表明を発表した。「自分はロシアにとってなくてはならない男だ」、決意表明はこの言葉で始まっている。

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昨年末にロシア各地で高まった反プーチン運動。最初に集会を呼びかけたのは野党勢力だが、Facebook や「ヴ・コンタクテ」といったソーシャルネットワークを通じて、様々な階層から参加表明が相次ぎ、膨大な規模の集会へと発展した。

北京大学法学院教授で、中国の司法改革に向けてメッセージを発し続けている賀衛方氏が、日本誌「世界」のインタビューに答え、中国現行法制度の問題点について語っている。

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上の映像は、タリバンの三人の遺体に向かって、4人の米兵が放尿しているところを写したビデオの一部だ。装備から海兵隊員とみられる4人の顔には笑いの表情がある。地上に横たわっているタリバンが、兵士なのか非戦闘員なのか、映像からは詳しくわからない。

1989年におきた天安門事件は1978年に始まった改革開放路線のひとつの中間帰結だったとみることができる。(南亮進他「中国経済入門」)

渡辺真理子氏の論文「金融は中国経済のアキレス腱か?」(中国経済入門)によって、中国の金融政策の変遷を眺めてみよう。

毛沢東の夢見た農村の姿はソ連の集団主義的な農業モデルを参考にしたものだった。コルホーズやソフホーズを手本にして、中国型集団農場が設立された。200-300戸の農家を単位として農業合作社と云うものが作られ、いくつかの農業合作社を合わせて2000-3000戸からなる人民公社が設立された。人民公社は農業生産の単位としては無論、農村における基礎的行政単位としても機能し、それこそ農民生活のすべてをカバーするものになった。

1980年代以降の中国経済の発展ぶりはまさに目を見張るものがあった。21世紀になると発展の速度は更に高まり、ここ10年余りの間一貫して年率10パーセント前後の経済成長を続けてきた。その結果GDPで日本を上回り、アメリカに次いで世界第二の経済大国にのし上がった。

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いわゆる南京大虐殺を描いた中国映画「金陵十三釵(張芸謀監督)」がいま大きなブームになっているという。中国人の歴史観に基づき、日本人による中国人の大虐殺を糾弾したものらしい。らしい、というのは、実は筆者はまだこの映画を見ていないからだが、NEWSEEKの紹介記事によれば、日本人への憎しみを掻き立て、中国人の愛国感情に訴えるものだという。

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ハレディム(Haredim)と呼ばれる超伝統主義のユダヤ人社会が、イスラエル国家にとって大きな問題として浮かび上がってきたという。これまでは国民全体に占める割合が圧倒的に小さかったため、あまり問題にされなかったが、今や人口の1割を占めるようになり、しかも2034年には2割にも達するだろうと予測されているように、イスラエル国家の中での存在感を急激に高めてきたことがその背景にある。

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昨年暮れの31日に、鴨緑江を越えて中国に渡ろうとした北朝鮮人三人が、北朝鮮の国境警備隊によって射殺されるという事件が起こった。過去にも同様の事件が起こらなかったわけではないが、今回のは余りにも殺伐としたやり方だったと、川越しに現場を見ていた中国人も肩をすくめたということだ。

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北朝鮮恒例の政府系新聞共同社説が発表された。筆者はハングルを解しないので、直接読むことはできなかったが、内外のメディアの論評をもとに、その概要を探ってみた。

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