日本の政治と社会


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動き出した民主党総裁レースを、筆者は小人の背比べにたとえたが、そのレースに小人の選手がもう一人加わるという。先日国会論戦の場で野党から厳しい追求を受け、顔をくしゃくしゃにして泣きべそをかいた某大臣だ。

菅総理大臣が退場を呑んだことで、民主党の後継総裁選びが一気に本格化した。早ければ8月中にも選出手続きが行われそうで、野田財務大臣、鹿野農水大臣、馬渕元国交大臣、小沢元環境大臣などが出馬に意欲を見せているが、いまのところ野田財務大臣が一歩リードしているようだ。だがその野田氏を含めて、どの候補者も政治家としての手腕が不足しているのは否みがたく、これで果たして日本国総理大臣が立派に勤まるのか。誰もが不安に思うところだろう。

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読売の10日付け社説が「核燃サイクル 無責任な首相の政策見直し論」と題して、菅総理大臣が国会で表明した「核燃料サイクル見直し論」を強く批判している。批判の論点は、原子力信仰に立った他愛のないものだが、そのなかに核燃料の再処理が潜在的な核抑止力として働いているという記述があって、おやおやと感じだ。

与野党の政治的駆け引きの結果、子ども手当の実質的な廃止が決まった。自民・公明両党が民主等のばら撒き政策のシンボルとして、その廃止を強く求めたのに対して、菅総理大臣の退陣の環境を整えたい民主党執行部が、妥協を図った結果だ。それ故、国民の目には、政策論争というより、権力争いのだしに使われたのではないかとも映る。

2011年版の「子ども・子育て白書」が閣議決定された。男性の既婚率と所得の相関について分析し、年収300万円を境にして、それより低いと8-10パーセント、それを超えると25-40パーセントになると紹介。所得水準が、男性の結婚に重大な影響を及ぼしていることを、数字の裏付けを以て明らかにした。

大阪府議会で単独過半数を占める地域政党・維新の会が議員定数を109から88に削減する条例案を強行採決で成立させた。

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上の写真(毎日新聞)は6月3日の参議院予算委員会の一齣だ。添え書きによれば、自民党の森雅子議員の質問を聞いているところだというが、ご覧のとおり、理事者席に座っているのは菅さんだけで、周りには誰もいない。

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今回の菅内閣不信任騒ぎは、日本の政治の仕掛けについて、国民に一定の勉強をする機会をもたらしたようだ。日頃政治システムにあまり感心のない人たちも、権力をめぐる日本的なルールをもう一度考える機会になったのではないか。

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自民党などの野党が共同提案した菅内閣不信任決議案は否決された。一時は場合によっては可決もあるかと思われた決議案が否決されたことには、菅総理大臣が自分の退陣に一定の道筋をつけたことが背景にある。これによって、菅総理大臣に厳しい対決姿勢を見せていた小沢前民主党代表や、鳩山前総理大臣が対決姿勢を和らげた。

<自民政権の北方領土交渉「指導力欠く」 米当局が酷評>と題して、朝日新聞がウィキリークスから入手した外交公電を分析する記事を載せた。

朝日新聞が5月4日付朝刊のコラムで菅内閣に厳しい評価をしている。菅総理は「責任取らない」、枝野官房長官は「共感呼ばない」、これでは「ないないづくしない閣」だといわんばかりだ。

内閣参与と云えば、時の政権にとっての知恵袋、総理大臣とは何重もの信頼関係によって結ばれている、国民の誰もがそう思っているところだろう。だからその任に当たるものが、総理大臣に辞表を突きつけるというのは、並大抵のことではない。その並大抵では考えられないことが、菅政権のもとで起こった。

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最近の日本の政治はどうも袋小路に入ってしまったかのようだ。菅さんの支持率は地を這うほどの低さだし、一方の野党もそれを材料に大攻撃を仕掛けるほどの迫力を持っていない。国政がどこに向かって進んでいくのか、国民にはいまひとつはっきり見えない。こんな状況をとらえて、マスコミ諸君の間ではチキンレースにたとえるのが流行っているらしい。

日頃毒舌で世間を沸かせている亀井静香国民新党代表が、今度は菅政権のグループを連合赤軍に譬えて、世間を苦笑いさせた。もっともこう指摘された菅さん自身は、一向にこたえた様子には見えないが。

2月15日付の日経新聞社説「対ロ外交の長期戦略が今こそ必要だ」を読んで、非常に驚いた。驚いたというよりあきれ返った。ロシアという国に対する姿勢が、あまりにも卑屈で、日本の真の国益という点から見逃せない内容を含んでいると感じからだ。

朝日新聞の調査によれば、活動実績のない休眠中の宗教法人が激増しているそうだ。全国18万2千件余りの宗教法人のうち、義務付けられている活動報告を提出していないものが2009年末の時点で1万6750件あった。これは2004年時点の8千件の2倍以上、2008年の1万3400件の25パーセント増しだ。

就職氷河期

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ひところ流行った就職氷河期という言葉が、昨年あたりから再び深刻さを帯びて語られるようになった。中には悲鳴に近い声もある。

先稿「日本は沈み行く太陽か」の中で、イギリス人ジャーナリスト、ヘンリー・トリックス Henry Tricks 氏の悲観的な日本論を紹介した。日本が抱えている問題について検証し、今のうちに手を打たないと、日本は近い将来に沈んでしまうと警告したものだ。

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朝日新聞の1月5日付社説が、昨年暮のロシアのホドルコフスキー裁判について批判した。筆者はそれを読んで、何を今更という気持ちになったが、それでも何も書かないよりはましだろうと、朝日の姿勢を多少は評価する気持ちにもなった。というのも、日本のメディアはロシアの惨憺たる政治的・社会的状況について、余りにも鈍感だからだ。

北洋で操業している日本の漁業会社が長期にわたり不正経理を行っていたとして税務当局から摘発された。不正の中身とは、驚いたことに、北洋の漁場で割り当て分を超過した漁獲を得る見返りに、ロシアの国境警備当局の役人に対して、2009年までの3年間に5億円の賄賂を渡していたというものだ。

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