日本の政治と社会


企業による新卒者の採用内定が、相次いで取り消されているという。背景にはこのところ深刻化してきた景気の低迷がある。業績悪化が見込まれる中で、人員を増やす余裕はないというのが、企業側の取り消しの理由だ。だが取り消される学生にとって見れば、険しい就職戦争の中でやっともらった内定通知を、あっさりと取り消されるのではたまったものではないだろう。この先代替の就職先が見つかる可能性も極めて少ない。

麻生首相と小沢一郎氏の党首討論が昨日行なわれた。首相側からの要請に、小沢氏が応えたものだ。だが討論を見た限りでは、首相のほうは守りの姿勢が目立ち、小沢氏に皮肉な牽制球を投げられて苦笑いをするなど、とても討論をリードしていたとはいえない。自分から呼びかけておいて、逃げの姿勢に徹するようでは、大方の嘲笑を買うだけだ。

貧困ビジネスという言葉があるそうだ。誰が作ったかは知らぬが、NHKがこの言葉を使って、現代日本社会に巣食う病理現象を描き出していた。

今回のすさまじい金融危機の引き金になったアメリカのサブプライムローン問題。世界に及ぼした影響は脇へおいて、その問題はアメリカ特有のもののように思われていたが、実は日本でも同様の事態が起こりかねない火種はあるようだ。

ゲーテッド・コミュニティ Gated Community という言葉が、いま世界の都市開発の現場で有力な合言葉になっている。文字通りに訳せば門を備えた共同体社会ということになるが、要するに柵によって周囲から隔絶され、門を通じて出入りするような空間のことだ。

FX取引で大損している人が増えている。FX取引はハイリスク・ハイリターンを売り物にしているから、損をすること自体は本来投資家の自己責任の一部に属する。しかし問題なのは、悪質な業者の詐欺的な手法に引っかかって損をさせられたり、業者の倒産によって預けた金が戻ってこない例が多いことだ。

米の流通業者三笠フーズが引き起こした詐欺事件は、食の安全を巡って、国民に大きな不安を与えた。何しろ政府が食えない米だと烙印を押したものを安く買い取って、それを食用と偽り転売していたわけだから、悪質だ。国民が怒るのも当たり前である。だがこの事件は心情的に反応するだけではすまない、根の深い問題を抱えている。

発足したばかりの麻生政権を評して、朝日新聞の天声人語子が「桜鯛内閣」などと形容し、大方の失笑を買ったばかりだが、政権内部から早速、これに祝儀を添えるような事態が起きた。某国土交通大臣の一連の迷走ぶりだ。

麻生政権が発足した。恐らくジリ貧の現行「自民党」が最後に選んだ内閣になるだろう。

野村證券が破綻したアメリカの証券会社リーマン・ブラザースのアジア部門とヨーロッパ部門を買収すると発表し、続いて三菱UFJ銀行がモルガン・スタンレーの株式を20パーセント取得して筆頭株主になるというニュースが流れて、世界を驚かせた。

アメリカ大統領選を戦っているバラク・オバマ氏が対立候補を攻撃して「豚に口紅」と発言し話題をさらったのは先日のことだ。共和党のマケイン氏が副大統領候補にペイリン女史を担ぎ出し、新鮮さをアピールしたのに対し、いくらうわべを飾り立てても、中身は変わっていないと批判したのだ。

最近「限界集落」という言葉が流行っているそうだ。居住人口のうち65歳以上の高齢者が50パーセントを超えるような集落を称して、こういうらしい。ものの本によれば、林業研究者の大野晃が1990年代に提唱した概念で、林業の衰退によって、集落が過疎化する現象をとらえたものだった。大野はこの過疎化が余りにも深刻かつ急激で、集落が消滅の危機にさえ直面していることを重く見て、過疎化より進んだ状況を現すために、「限界集落」という概念を持ち出したのだった。

悪質な闇金融の被害者が絶えない。その実態ははっきりとはわかっていないが、今や大都市圏を超え、全国規模に拡大しているようだ。被害者も、老人、母子世帯、生活保護受給者など、経済弱者といわれる層にまで広がっている。なぜこうした金のない人々を相手に、闇金融業者がなけなしの金を巻き上げるのか、また何故そんなことが可能なのか、そのからくりを考えてみたい。

ツアーコンダクターといえば、かつては人気のある職種だった。筆者の友人にも大手旅行会社のツアーコンダクターを勤めていた者がいて、若い頃には一年中海外を飛び回り、変化に富んだ生活を送っていた。時にハードなスケジュールに忙しい思いをすることもあるが、なかなかやりがいのある仕事だったようだ。

定時制高校の生徒数が、急に増えているそうだ。手元に資料がないので、全国の動向は詳しくわからないが、都市部の定時制高校は、この二三年の間に、生徒数が倍近くに増えている学校が多いと聞いた。このことは何を物語っているのか。教育をめぐる環境に、おぞましい現象が生じているのであろうか。

管理職といっても名ばかりで、実態は一般従業員と異ならず、長時間の残業を強いられながら手当ての支給もない、これはおかしいと裁判に訴えていた男がいるが、その一審判決が東京地裁から出された。判決は原告の言い分をほぼ全面的に認め、雇用主のマクドナルド・ハンバーガー社に未払いの残業手当2年分750万円を支払えと命ずるものだった。

前稿「世界がコシヒカリを作り始めた」のなかで、NHKの報道番組を紹介しながら、日本の米をめぐる現状とその行方について考え、確固とした農業政策の必要性を痛感した。NHKは更に、政府による農業政策がどのように行われ、どのような結果をもたらしているかを、改めて取り上げているので、今回はそれを材料にしながら、日本の米と生産者の未来について考えてみたい。

コシヒカリは今や、世界最高級の米のブランドだ。モチモチとして歯ごたえのある食感が、日本人だけでなく世界中の人々の味覚をとらえている。これまで栽培の難しさから日本以外では作るのが困難だとされていたが、最近では技術が向上して、世界のあちこちで作られるようになった。

横浜の寿地区といえば、東京の山谷地区と並んで関東でも最大規模のドヤ街だったところだ。「ところだ」と過去形で書くのには多少のわけがある。かつては100軒以上の簡易宿泊所が立ち並び、職を求めて全国から集まった日雇い労働者が、一帯にあふれていたものだが、今ではそうした労働者もめっきり減り、しかも高齢化が進んで、ドヤ街特有の活気が失われてしまったのである。

2007年の参院選は自民党大敗の結果をもたらした。マスメディアの中にはこれを歴史的大敗などと大げさに表現するものもある。

Previous 1  2  3  4  5  6  7  8




アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

最近のコメント

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち85)日本の政治と社会カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは84)経済学と世界経済です。

次のカテゴリは88)東日本大震災です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。