東日本大震災


このたびの大震災は動物たちにとっても試練だった。逃げ遅れて津波に呑まれたペットは夥しい数になると思われる。飼主は、自分が逃げるのに精一杯で、ペットを救う余裕もなかっただろうから、いたし方のないことといえよう。

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桜の花が開いた。日本中の小中学校が入学式を迎える。だが東日本大震災の被災地では、数百に上る学校が再建できないでいる。幸い被災を免れた学校も、避難所として使われ、教育機能を回復できないものが多い。こんな状態の中で、被災地の子供の教育をどう保障していくのかが、重い課題となっている。

ついに、ここまでやるかと感じたのは筆者ばかりではあるまい。東電が放射能汚染水を直接海に放出したという話だ。

東日本大震災では、最高43万人の人々が2000箇所近い避難所に避難した。避難所の中には、周囲から孤立し、必要な物資がなかなか届かないところもあった。(写真は避難所の様子:ロイター)

東日本大震災では、被害が余りにも巨大であるために、救援の規模も巨大になった。自衛隊の災害出動は、定員の半数を超える10万人以上に規模に達した。まだ全国から消防などの救援組織が駆けつけたほかに、一万人を越える在日米軍をはじめ、各国から救援隊が集まってきた。

しかし、救援隊が瓦礫の中から助け出した人の数は限られていたようだ。数多くの人々が海岸に溺死体の形で見つかったほか、行方不明者のほとんどは、津波によって海に流され、遺体が見つからない状態だ。

上の写真は岩手県陸前高田(ロイター)

東日本大震災は、マグニチュード9.0という日本の歴史上未曾有の激震と、それに引き続いて襲ってきた巨大津波によって、甚大な被害を蒙った。三週間後の調査結果で、死者行方不明2万8000人、このほか警察が把握できていない安否不明者が、万単位に上るだろうと推測されている。家屋などの物的被害の情況は、まだつかみきれていない状態だ。

上の写真は、被災直後の名取市、破壊のすさまじさに呆然とする女性(ロイター)

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東日本大震災は、桁外れに大きな規模からして、局部的な災害というよりは、国民的な大災害ということができる。中にはこれを1945年の戦災にたとえる論調もある。それは大げさすぎるとしても、阪神・淡路大震災の比でないことはたしかだ。

東日本大震災の様子は世界中の耳目を集めた。刻々と流れる事態に添って、おびただしい光景が撮影され、それが世界中にフィードバックされて、この震災の甚大な規模と、それが持った悲劇的な意味を発信した。

ここでは、そうした報道写真のうちから、筆者が感銘を受けた作品を、何回かに分けて紹介したい。

最初は、地震と津波によって、岩手の三陸海岸から宮城、福島の沿岸沿いの集落が、甚大な被害を受けた、被災直後の様子から。

上の写真は、津波の流された船が、建物の屋上に乗り上げた様子。こうした眺めがいたるところで見られた。

米紙ワシントン・ポストが、現在進行中の東電福島原発事故の処理をめぐって、東電社長の清水正孝氏が事故後二日目の13日を最後に公の場に姿をみせていないことについて、無責任な雲隠れだと、強烈に批判している。

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福島第一原発3号機のタービン建屋で復旧作業をしていた作業員は、2-6シーベルトの放射線を浴びていたことが、放射線医学総合研究所の検査で分かった。

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写真は成田空港で自国に向かう便を待つ間、フロアに寝具を広げて横たわる中国人たち。中国人に限らず、日本に滞在している外国人の中に、福島原発事故に伴う放射能騒ぎで、日本脱出パニックが起こったのだ。

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上の写真は、先般の津波の様子を記録した貴重な映像、ナショナル・ジオグラフィックスのWEB版が公表した。場所は福島県の海岸というだけで、撮影者の名も明記されていない。

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国の原子力安全委員会が「緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)システム」の試算結果を公表した。それによれば、半径30キロ圏及びそれを越えた40キロ圏地帯の一部まで、まだら状に汚染が広がっている実態が明らかになった。

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福島原発事故の基本的な原因は、冷却システムが機能不全に陥ったことにある。そしてその原因は、システムを動かすのに必要な電源が供給をたたれたことにある。何故そうなったのか。

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この写真を見て、筆者は心を激しく揺さぶられるのを感じた。

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昨日(3月23日)、東京都の金町浄水場の水から放射性物質ヨウ素131が検出されたと、東京都が報道した。濃度は1リットル当たり210ベクレル、これは大人の許容限度300ベクレルよりは低い値だが、乳児向けに設定されている数字100ベクレルを超えるとして、東京都は乳児には与えないよう、注意を呼びかけた。

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東日本大震災では、被災者たち自身の冷静・沈着な行動が、世界中の人々の目に印象的に映ったようだが、その影で、被災者たちを援助すべき立場にある行政機構が、かえって被災者たちの足を引っ張っているという実態が、一部の外国人ジャーナリストを憤慨させているようだ。

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今回の福島第一原発事故は、最終的にどの程度の災害レベルに位置づけられるか、まだはっきりしない。しかし規模の大きさと事態の深刻さからして、1979年のアメリカ・スリーマイル島原発事故、1986年のウクライナ・チェルノーブィリ原発事故と並ぶ深刻な原発事故として記憶されることになるだろうとする意見が、専門家たちの間で有力だ。

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東電福島第一原発事故は、放水作業や電力施設の復旧作業が進み、最悪の事態を脱しつつあるようだ。

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シンガーソングライターの川嶋あいさんが、路上ライブを行って、東日本大震災の被災者への支援を始めた。あいさんのファンである筆者は、そんなあいさんの行動に拍手を送りたい。

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