水彩画を楽しむ


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前年(2009年)の晩秋友人たちと一緒に房総をドライブした折、太海の漁港を訪ねた。ここは漁港そのもののほか、それに隣接する仁衛門島の景色も優れているため、スケッチスポットとして人気がある。ところが筆者は港や島ではなく、漁村のなんとなく寂れた光景が気に入った。この絵はそんな光景のひとつを描いたものだ。

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横浜外人墓地は、元町公園の東端、山手の高台の西側斜面に沿って広がっている。元町公園の散策路を上り詰めて、エリスマン邸付近まで来ると、墓地のほぼ全景を眺め渡すことができる。この絵はその角度から描いたものだ。

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横浜の赤レンガ倉庫を始めて訪ねたのは2001年の暮だった。公開される前のことで、建物は改修の最中だった。この絵はその折のスケッチをもとに描いたものだ。運河にかかる橋のたもとから見ると、このような構図が得られる。

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山手の高台の通り沿いに、外国人墓地の反対側に立っているゴシック風の教会は、横浜山手聖公会だ。その歴史は古く、1863年山下町の居留地内に英国教会として建てられた。現在の建物は昭和6年のもの、J.H.モーガンの設計だ。

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元町公園の坂を上り山手の高台に出ると、最初に見えるのがエリスマン邸だ。山手通りに面した公園の一角に瀟洒なたたずまいを見せている。

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「北総の台地状の土地には幾条もの小さな河川が櫛の歯のようにつらなって南北に流れ、その流れの一つ一つが台地を削り狭い谷状の窪地をあちこちに作り出している。これらの窪地は谷津と呼ばれ、低湿地であるところから、古来細々と水田耕作が行われてきた。多くは埋め立てられたが、自然公園として残されている所もあるときき出かけてみた。

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横浜聖公館の隣に立つ二階建てのほっそりした建物は山手資料館という。明治時代に立てられたもので、横浜に現存する唯一の明治の木造洋館だそうだ。個人の邸宅として本牧に立てられたが、昭和52年に現在地に移築された。山手の洋館群のなかでも、小粒ながらユニークな建物だ。

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山手百十一番館が、港の見える丘公園の一角、南側の外れにある。この建物は坂の途中の傾斜地に立っていて、北側にある傾斜沿いの庭園から見上げたところが一番美しいのだが、何せ逆行が眩しくて長く見つめていることができない。そこで、西側にある道路を隔てて、正面からの眺めを描いてみた。これでも何とか絵になるようだ。

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筆者は少年時代の後半を千葉県の佐倉で育ったから、印旛沼ではよく遊んだ。その隣の手賀沼は、名前は無論知っていたが、行ったことはなかった。手賀沼を始めてみたのは、初老に差し掛かった頃だ。

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横浜イタリア山公園の一角、外交官の家の向かい側に、洒落た作りの洋館が建っている。ブラフ18番館だ。もともと山手通り沿いに立っていたものを、外交官の家同様、イタリア山公園の整備にあわせて移築したものだ。

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横浜山手地区の高台には洒落た洋館群が立ち並んでいる。元町側から高台に通じる坂を上っていくと、途中元町公園の緑を望みながら、やがてエリスマン亭のある場所に出る。その瀟洒な洋館の向かい側に、小さいながら洒落た建物が見える。えの木亭だ。

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今年は横浜開港150周年に当たる年だ。開国博はじめさまざまな記念イベントが催されたという。筆者が数年前に見た楽しいパレードも、さらに規模を大きくして華やかに行われたに違いない。あの頃筆者は足しげく横浜に出向いては、港の風景や洒落た洋館群をスケッチするのが楽しみだった。

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筆者老年の趣味のうちでも水彩画はもっとも気に入ったものだ。五十の峠を越してから描き始め、最初は高名な水彩画家を手本にして、構図のとり方やら色の使い方など、手探りしながらやっていた。そのうち鈴木輝美画伯の指導を受けるようになり、少しは絵らしいものになってきたのではないかと思うのだが、なかなか上達しないのが心苦しい。だがこれはあくまで趣味なのだからと、自分に言い聞かせて精進している。下手なりに自得できれば、それでよいではないかと。

白いハイビスカス:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

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ハイビスカスといえば、燃えるような赤い花という印象が強烈だが、このように白い花もある。目印は、如雨露から飛び出たように見える芯だ。

ポピー(ヒナゲシ、虞美人草):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

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ポピーは和名をヒナゲシという。また虞美人草ともいう。漱石の小説の題名になり、それ以前に項羽の愛妾の名として、伝説的な響きを伴っている。

アジサイ(紫陽花):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

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紫陽花の花をよく見ると、四枚からなる花弁が無数に集まって、こんもりとした鞠のような形になっている。花に見えるものは実は萼である。萼紫陽花の周辺に花のように見えるものが、密集して咲いたものだと考えてよい。

アスチルベ(泡盛草):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

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アスチルベは晩春から初夏にかけて、泡を思わせるような花の塊を咲かせる。もともと日本に自生する花で、その形状から泡盛草、または升麻などと呼ばれる。これに対して最近園芸店で出回っているのは、洋種のものを改良したもので、名も西洋風にアスチルベと呼ばれる。

山吹:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

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山吹は日本の野辺に自生する花で、万葉の時代から、春の花の代表的なものとして愛されてきた。その山吹を歌った万葉の歌を、ここにまとめて取り上げてみる。

ハナデマリ(花手鞠);水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

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ハナデマリ(花手鞠)は日本ではバーベナの異称として用いられている。こんもりと咲き広がった姿が手鞠を連想させるからだろう。また一枚一枚の花びらが桜の形に似ていることから、美女桜と呼ばれることもある。

ハナミズキ(花水木):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)

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国立国会図書館の前庭にハナミズキの木が植えられていて、桜の散った後に、華やかに咲き広がる。戦前日本がワシントンのポトマック河畔に桜の木を贈り植えたお返しに、贈られてきたものだ。いまではここに限らず、靖国神社近くの通り沿いをはじめ、都内のいたるところで見られる。

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