水彩画を楽しむ


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安曇野から北アルプスの峰々を望むと、視界の中央には常念岳がどっしりと構えて見える。安曇野でスケッチする人たちには馴染みの光景であり、山男たちにとっては格好の標的となってきた山だ。

西洋オダマキ(アキレギア):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


日本のオダマキは山野に自生し、その姿は花弁が下に向いて、人に見られるのを恥らっているようにもみえるが、西洋おだまきには、頭を持ち上げて誇らしげに咲くものもある。園芸用に品種改良が進み、花の色や形も多彩になっている。

ボケ(木瓜):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


ボケには木立のものと草性のものとの二種類がある。草性のもの、通称草ボケは、50センチほどの草の先に、冬の終わりに花を結ぶ。木立のものもそうたいして大きくはなく、せいぜい人の背丈のほどにしかならないものが多い。

新宿御苑の桜:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


都内に桜の名所はいくつかあるが、新宿御苑の桜は、広大な庭園を散策しながら味わえるとあって、人気スポットになっている。

ビオラ Viola:水彩で描く折々の花


ビオラはパンジーとは兄弟花で、両者の間に厳密な区別はないらしい。通常花径4センチ未満の小さなものをビオラというようだ。性質はパンジーによく似ているが、パンジーが冬から春にかけて長く咲き続けるのに対して、ビオラは春に咲き、パンジーに比べて花季が短い。それでも相当長く咲いているから、庭園を飾る花としては重宝する。

ジンチョウゲ(沈丁花):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


初春の町を歩いていると、暖かい陽だまりのどこからか甘い匂いがただよってくる。白粉の匂いのようでかなり強烈だ。匂いの元をたどっていくと、道端にこじんまりと咲いている沈丁花の花のたたずまいに行き当たる。この花は匂いによって、どこからでも人をひきつける力があるようだ。

コブシ(辛夷):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


コブシ(辛夷)の花は春の彼岸の頃に咲く。同じ頃に咲く白木蓮とは同じ仲間で、形もよく似ているが、ひとつひとつの花はずっと小ぶりで、しかも木全体を覆うように、びっしりと咲く。こんなところから、白桜と呼ばれることもある。

カトレア Cattleya:水彩で描く折々の花


カトレアは形といい色合いといい、実にすばらしい花だ。洋ランのなかでもひときわ美しく、洋ランの女王とも言われている。ただ非常に高価なので、筆者のようなものにとっては、気軽に買うというわけにはいかない。この絵の中の花も、植物園で見たものをもとに描いた次第だ。

福寿草:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


フクジュソウ(福寿草)は春を告げる花の代表的なものとして、昔から小さな鉢植えにしたものが正月を飾ってきた。福寿草とはそうしためでたさを連想させる名前である。ほかにも元日草とか朔日草とも呼ばれたりする。

黄梅(オウバイ):水彩で描く折々の花


黄梅は立春の前後に咲く。咲く時期や花の形が梅に似ており、色が黄色いことから黄色い梅と名づけられたが、梅の仲間ではない。ジャスミンの一種である。ただジャスミンのような香りはない。

寒椿:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


筆者は子供のころから椿に囲まれて育ったこともあり、椿の花は最も好きな花のひとつだ。春から初夏にかけて咲く、藪椿のように大きな木になるもの、晩秋から冬にかけて低木に花をさかせる山茶花系の椿、そしてこの絵に描いた寒椿と、季節ごとに椿の花を楽しんできた。

デンドロビウム:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


デンドロビウムはランの仲間の中でも、花が豪華で見栄えのする割りに、比較的廉価で買えるので、冬の窓辺を華やかに彩ってくれるものとして人気が高い。筆者の家内もこの花が好きで、鉢植えのものをよく買ってくる。

シクラメン:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


シクラメンは、今では正月を飾るには最も相応しいものだ。秋から春先にかけて、長い間見事な花を咲かせ続ける。形といい、色合いといい、また葉っぱのもつ柔らかなタッチといい、見る人の心を和ませてくれる。冬の花の女王というのに相応しい。

センリョウ(千両):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


センリョウはマンリョウとならんで、正月を彩るめでたい植物だ。ともに花ではなく、鮮やかに色づいた実を鑑賞する。実のなるさまは互いによく似ているが、葉の形で容易に見分けられる。マンリョウのほうは肉厚な葉なのに対し、センリョウのほうはこのように、ギザギザの縁取りをともなった平べったい形をしている。

ポインセチア:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


ポインセチアといえば、今ではクリスマスの季節を彩るのに欠かせない。真っ赤に色づいた鮮やかな姿が、冬枯れの景色に色彩を添えてくれる。一鉢だけ部屋の片隅におかれているのも風情があるが、沢山の鉢が並んだところはいっそう華やいだ気分にさせてくれる。とりわけクリスマスツリーの周りをぐるっと囲むようにして並んだところなどは圧巻だ。

柿の実:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


筆者が少年時代に住んでいた家には、庭の片隅に大きな柿の木があった。晩春に小さな白花を咲かせたあと、緑色の果実が夏の間に徐々に大きくなり、秋には橙色に色づく。その間台風がやってきて、多くの実が吹き飛ばされるが、それに耐えて生き残ったものが、秋の深まりとともに甘い実になる。筆者は物置の屋根に上り、そこから先端を二つに割った竹竿を延ばして、一つ一つ実をもぎ取ったことを思い出す。

アザミ(薊):水彩で描く折々の花


アザミの葉に手を触れて痛い思いをした人は多いことだろう。ただの痛さと違って、しびれるような感じがいつまでも続く、本当にいやな痛みだ。ぎざぎざとした葉の形がいかにも痛そうに思えるので、それとわかっていて触れる人はいないだろうが、他の雑草と混じって生えていることが多いので、思わず触ってしまう。

ヒガンバナ(彼岸花:曼珠沙華):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


いつか大月付近の丸山というところを散策した折に、山の麓を流れる清流沿いに彼岸花が真っ赤に咲き並んでいたことを思い出す。あれは確か秋の彼岸の頃だったから、花はその名を裏切らずに咲いていたわけである。細長くのびた茎の先に、千々に乱れて咲く花の様子は、何とも不思議な気分に人を誘う。

ツワブキ(石蕗):水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


ツワブキはキク科の多年草で、福島以南の日本各地に自生している。名前の由来は艶のあるフキ(ツヤフキ)とする説があるが根拠は怪しい。しかしその葉はフキとよく似ている。フキの葉が柔らかくて繊毛があるのに対して、こちらは硬くしかも光沢がある。両方とも茎は食用になる。

カエデのもみじ:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


カエデ(楓)ともみじ(紅葉)とは、今では同義語になってしまったが、もともとの日本語では違う意味を持っていた。カエデとは植物分類学上の楓のことであり、もみじとは色づく葉のことをさしていたのである。ところが日本の木々の葉の中でも最も鮮やかに色づくものは楓であったから、いつの間にかもみじといえばカエデのことをさすようになった。

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