ウィリアム・ブレイク詩集「無垢の歌」より「羊飼い」The Shepherdの歌。壺齋散人訳。
羊飼い
羊飼いの仕事は楽しい仕事
朝から夕まで歩きまわって
一日中羊を追いかける
感謝の言葉をささやきながら
子羊が可愛い声をあげると
母羊がやさしく答えてあげる
羊飼のおかげで羊たちは平和
羊飼がいつもそばにいるから
ウィリアム・ブレイクの第一詩集「無垢の歌」は、実質的には「羊飼い」の歌から始まる。羊飼いは羊飼いの仕事が楽しいといって、自分の仕事に満足している。なぜなら羊とともに暮らすのは素敵なことだし、羊も自分を頼ってくれる。自分も羊も神様に感謝しなければならない。
羊のほうも、羊飼いがいるおかげで、狼に襲われる心配もなく、のんびりと草を食べていられる。やはり神様に感謝しなければならない。
なにやら人間の親子、母と子の幸せな関係を物語っているようだ。無垢な子どもと、子どもを導く母親の愛。この詩はそんな愛と喜びのテーマを、うららかに歌ったものだ。
The Shepherd : William Blake
How sweet is the shepherd's sweet lot!
From the morn to the evening he strays;
He shall follow his sheep all the day,
And his tongue shall be filled with praise.
For he hears the lambs' innocent call,
And he hears the ewes' tender reply;
He is watchful while they are in peace,
For they know when their shepherd is nigh.
関連リンク: 英詩のリズム>ブレイク詩集「無垢の歌」
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