ウィリアム・ブレイクの詩集「無垢の歌」Songs of Innocence から春の歌 Spring (壺齋散人訳)
春の歌
フルートを吹き鳴らせ
もっともっと大きな音で
鳥たちは昼も夜も
歓喜の声を上げる
ナイチンゲールは谷間の中で
ひばりは空で夜明けを告げる
陽気にいこう
陽気に 陽気に 春の訪れを歓迎しよう
男の子たちは
喜びでいっぱい
女の子たちは
可愛らしさいっぱい
鶏がなくと
みんなは笑う
陽気な声
かわいい叫び
陽気に 陽気に 春の訪れを歓迎しよう
子羊ちゃん
ここだよぼくは
こっちへきて
僕の首をなめておくれ
君の柔らかい毛を
なでさせておくれ
君のあたたかい顔に
キスさせておくれ
陽気に 陽気に 春の訪れを歓迎しよう
この詩には、待ちわびた春を歓迎する素直な喜びが歌われている。
1節目では、空を飛びつつ歌う鳥たちとフルートの音を競い、2節目では元気な子どもたちの飛び跳ねるさまが歌われ、3節目では野原を歩む子羊たちへの呼びかけが歌われる。
言葉はリズミカルで音楽に乗って流れてゆく。パストラル・ソングとしてのみずみずしさが伝わってくるような作品だ。
Spring William Blake
Sound the Flute!
Now it's mute.
Birds delight
Day and Night;
Nightingale
In the dale.
Lark in Sky.
Merrily,
Merrily, Merrily, to welcome in the Year.
Little Boy,
Full of joy;
Little Girl,
Sweet and small:
Cock does crow,
So do you;
Merry voice,
Infant noise,
Merrily, Merrily, to welcome in the Year.
Little Lamb,
Here I am;
Come and lick
My white neck;
Let me pull
Your soft Wool
Let me kiss
Your soft face:
Merrily, Merrily, we welcome in the Year.
関連リンク: 英詩のリズム>ブレイク詩集「無垢の歌」
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