陶淵明擬古九首から其七「日暮天無雲」を読む。
擬古其七
日暮天無雲 日暮れて天に雲無く
春風扇微和 春風 微和を扇ぐ
佳人美清夜 佳人 清夜を美とし
達曙酣且歌 曙に達するまで酣しみ且つ歌ふ
歌竟長歎息 歌ひ竟れば長歎息し
持此感人多 此を持て人を感ぜしむること多し
皎皎雲間月 皎皎たり雲間の月
灼灼葉中華 灼灼たり葉中の華
豈無一時好 豈に一時の好無からんや
不久當如何 久しからざるは當に如何すべき
日が暮れて天には雲ひとつなく、春風が穏やかに吹いている、佳人はこの夜を良しとし、暁に至るまで楽しみかつ歌を歌った、歌い終わると長いため息をつき、人々はために感ずるところがあった
雲間の月は皎皎と輝き、葉の中の花は灼灼と燃え立つ、これらのように佳人もまた短いながら華やかな時期があるが、それが永久に続かないのは如何ともしがたいことなのだ
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