パーシー・シェリーの詩「嘆きの歌」 A Lament を読む。(壺齋散人訳)
嘆きの歌
おお世界よ! おお命よ! おお時よ!
わたしは人生の最後の階段を上り
かつてわたしの立っていた所を見て震えるのだ
青春の栄光が戻ることなどあるだろうか
いや ない 決して戻ることはない
日々生きることからは
わたしはもう喜びを感ずることがない
春も夏も 真っ白い冬も
わたしの心を悲しますだけだ
いや ない 喜びが戻ることはない
この詩はだれにでも訪れる青春との決別を歌ったものだ。これを書いたとき(1821年)シェリーはまだ20代の青年であったから、あまりに早い決別の自覚ともいえるが、年若い友人キーツの死を前にして、シェリーは自分の青春も終わったと自覚したのかもしれない。
リフレインと、リフレインの中の二重の脚韻が効果的に働いている。
A Lament - Shelley
O World! O Life! O Time!
On whose last steps I climb,
Trembling at that where I had stood before;
When will return the glory of your prime?
No more -Oh, never more!
Out of the day and night
A joy has taken flight:
Fresh spring, and summer, and winter hoar
Move my faint heart with grief, but with delight
No more -Oh, never more!
関連リンク: 英詩のリズム>パーシー・B・シェリー
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