ジョン・キーツの詩「愛していますとあなたはいう」 You say you love を読む。(壺齋散人訳)
愛していますとあなたはいう
尼僧のようにか細い声で
尼僧は鐘の音に合わせて
夕べの祈りを歌っている
真実の愛をわたしにおくれ!
愛していますとあなたはいう
九月の夜明けのように冷たい声で
あなたはキューピットの尼のように
愛の燃えさしを抱えているのだ
真実の愛をわたしにおくれ!
愛していますとあなたはいう
あなたの唇は珊瑚のように赤いのに
何の至福もあたえてくれない
珊瑚のように膨らんでキスしてくれることもない
真実の愛をわたしにおくれ!
愛していますとあなたはいう
でもあなたの手はわたしを握り締めてくれない
死んだ彫刻の手のようだ
わたしの手は燃えているのに
真実の愛をわたしにおくれ!
火のような言葉をかけておくれ!
微笑で言葉を焼き滅ぼしておくれ
わたしを抱きしめ キスしておくれ
あなたの胸にわたしを包み込んでおくれ!
真実の愛をわたしにおくれ!
キーツのラヴソングは、込められた気持も、それをあらわす言葉も素直なので、読むものにすがすがしい思いをさせてくれる。この詩の内容については、注釈の必要もないだろう。
You say you love - John Keats
You say you love; but with a voice
Chaster than a nun's, who singeth
The soft Vespers to herself
While the chime-bell ringeth -
O love me truly!
You say you love; but with a smile
Cold as sunrise in September,
As you were Saint Cupid's nun,
And kept his weeks of Ember.
O love me truly!
You say you love - but then your lips
Coral tinted teach no blisses.
More than coral in the sea -
They never pout for kisses -
O love me truly!
You say you love; but then your hand
No soft squeeze for squeeze returneth,
It is like a statue's dead -
While mine to passion burneth -
O love me truly!
O breathe a word or two of fire!
Smile, as if those words should burn be,
Squeeze as lovers should - O kiss
And in thy heart inurn me!
O love me truly!
関連リンク: 英詩のリズム>ジョン・キーツ John Keats :生涯と作品
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