
インド北部ニューデリー近くのサイニという村で、双面の女の子が生まれたそうだ。ラリと名付けられたこの子は、頭部に二つの顔が並んでついており、頬っぺたのところを境界線にして、左右に二つずつの目、一づつの鼻と口がそれぞれ対称をなしてついている。医学的には Craniofacial Duplication (頭蓋顔面複写)というのだそうだが、発生の確率は非常にまれで、近年の報告例はほとんどない。
人体の畸形としては、下半身が癒着するシャム双生児の例などが知られているが、このようにひとつの頭に顔面が二つある例は、大昔の神話に出てくるくらいで、実際の話としてはこれまで出現したことがなかったのではないか。
インドの神話に出てくるヤヌスという神格は、前後に二つの顔を持っていて、前の顔は未来を、後ろの顔は過去を見ているといわれるが、このように二つの顔が並んでついている神格はインド神話にもないらしい。それほど珍しい出来事なのだ。
この子を見た医師たちは、何とかして片方の顔を切除して、通常の人間の顔に整形しようと両親に申し出たそうだが、両親はこれを拒絶したということだ。手術には生命の危険が伴うということ以上に、両親はこの子がヒンドゥーの女神だと信じて疑わないのだ。この子の誕生を聞きつけた近隣の人々も、この子がヒンドゥーの女神の生まれ変わりだと確信して、この子を拝みに集まってきているという。そのうち、インド中の人々が尊い女神を崇拝するために、この子のもとに集まるだろうともいわれている。
いまのところラリの健康状態には目立った異変は起きておらず、順調に育っているそうだ。左右の顔はコピーしたようによく似ており、両方とも同じように働いている。四つの目はそろって瞬きをするし、両方の口がミルクを飲む。
このまま順調に育って成人の女性に成長したら、インドはもとより世界中の人々に、福音をもたらすようになるかもしれない。
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