詩経国風:鄭風篇から「子衿」を読む。(壺齋散人注)
青青子衿 青青たる子が衿
悠悠我心 悠悠たる我が心
縱我不往 縱(たと)へ我往かずとも
子寧不嗣音 子寧(なん)ぞ音を嗣がざらんや
青青子佩 青青たる子が佩
悠悠我思 悠悠たる我が思ひ
縱我不往 縱へ我往かずとも
子寧不來 子寧ぞ來らざらんや
挑兮達兮 挑たり 達たり
在城闕兮 城闕に在り
一日不見 一日見ざれば
如三月兮 三月の如し
青青として若やいだあなたの衿、悠悠として長くこだわるわたしの心、わたしがあなたを訪ねていかないといって、あなたは何故わたしに便りをくれないのですか
青青として若やいだあなたの佩、悠悠として長く続くわたしの心、わたしがあなたを訪ねていかないといって、あなたは何故わたしのもとに来てくれないのですか
あなたはあちこちを往来して、城門のあたりを歩いているというではありませんか、あなたと一日会えないと、三ヶ月も会っていないような気になるのです
常に一緒にいたいのに、それがかなわず、自分と離れている男を恨んだ歌である。青青は青春に通じ、若さの象徴、悠悠は思いが長いこと、嗣音は音信つまり便りを寄せること、挑兮達兮はあちこちを往来するの意である。
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