李白の五言絶句「静夜に思ふ」(壺齋散人注)
牀前看月光 牀前 月光を看る
疑是地上霜 疑ふらくは是れ地上の霜かと
挙頭望山月 頭を挙げては山月を望み
低頭思故郷 頭を低れては故郷を思ふ
寝室の前に広がる月光をみると、その白さはまるで地上に降った霜のようだ、頭を上げては山の端にかかった月を見つめ、頭を垂れては故郷のことを思う
李白31歳、安陸にいたときの作、安陸は妻の家があったところだから、この詩の中の故郷とは蜀のことをさすのだろう。
視覚的なイメージが鮮明で、しかも詩人の心の動きが生き生きと現れている、李白の傑作のひとつである
関連リンク:李白:漢詩の注釈と解説
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