李白の七言絶句「蘇臺にて古を覽る」(壺齋散人注)
舊苑荒臺楊柳新 舊苑 荒臺 楊柳新たなり
菱歌清唱不勝春 菱歌 清唱 春に勝(た)へず
只今惟有西江月 只今 惟だ有り 西江の月
曾照呉王宮裏人 曾て照らす呉王宮裏の人
古びた庭園、荒れ果てた高台に楊柳ばかりがみずみずしい、菱を摘む歌を清唱する乙女らの声に惜春の思いを駆り立てられる、昔も今も変わらずにあるのは西江の月のみ、その光はかつて呉王宮裏の人西施を照らしたこともあったのだろう
蘇臺とは呉越抗争の舞台となった枯蘇臺のこと。呉王夫差はここで越王句践に和睦を願い出たが許されずに死に、臥薪嘗胆の挙句に呉は破れて滅亡した。
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