メキシコで発生した豚インフルエンザが大きな騒ぎを引き起こしている。4月13日に新型のウィルスであることが確認されて以来、今日(現地時間4月25日)までのわずか10日余りの間に、メキシコでの患者は1300人を越し、そのうち80人以上が死んだ。またメキシコと国境を接するカリフォルニアやテキサスでも患者の発生が報告されている。
メキシコの医療従事者は、最初このインフルエンザを冬の間に流行したものがぶり返したのだろうと取り違えていたらしい。しかしよく分析すると症状がそれまでのものと違う。摂氏38度以上の高熱のほかに、咳、喉や体の節々の痛み、呼吸困難、そして場合によっては嘔吐や下痢を伴う。特徴的なのは、子供や年寄りではなく、働き盛りの年齢の人がかかっているということだ。
メキシコ政府は事態を重視して本格的な対策に乗り出した。今のところ感染の拡大を防ぐことが最大のターゲットだ。学校や劇場などは軒並み閉鎖されて、日曜日の恒例のミサまで中止された。
これまで動物のインフルエンザが人に感染する例としては、鳥のインフルエンザが重視されていた。1918年から1919年にかけて、世界中で4000万人が死んだとされるスペイン風邪は、鳥インフルエンザが突然変異を引き起こして、人に感染し、それが人から人へと感染する過程で大きな犠牲を生んだものだった。
だから数年前に東南アジアで鳥インフルエンザが人に感染したときには、世界中がその封じ込めに躍起になった。対応が遅れればスペイン風邪の二の舞になる恐れがあったからだ。
これに対して豚のインフルエンザが人に感染した例はこれまでにほとんどなかったらしい。今回の事態では、豚のインフルエンザがおそらく突然変異を引き起こして人にも感染するようになり、これがまた人から人への感染を引き起こして、あっという間に広まったもののようである。
人の体は豚由来のインフルエンザに対しては無抵抗にできている。これが広まるようだと深刻な事態になりかねない。
WHOは今のところ緊急事態とまでは見てはいないようだが、各国に対して感染状況の報告と、水際での侵入防止策をとるように呼びかけている。日本でも成田空港に専門チームを派遣して、メキシコからの入国者を対象にスクリーニングを始めた。
関連リンク: 人間の科学
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