李白の七言絶句「宣城にて杜鵑の花を見る」(壺齋散人注)
蜀國曾聞子規鳥 蜀國曾て聞く子規の鳥
宣城還見杜鵑花 宣城還た見る杜鵑の花
一叫一迴腸一斷 一叫 一迴 腸一斷
三春三月憶三巴 三春 三月 三巴を憶ふ
故郷の蜀では子規の声を聞いたものだ、ここ宣城では杜鵑の花が見られる、子規が一声鳴くたびに腸がちぎれ、春の盛りにしきりと蜀が思い起こされる
宣城は安徽省長江流域の都市、李白は753年頃この地を訪れ、ここを拠点に長江流域を往復していたようだ
この詩は宣城で眼にした杜鵑花から故郷蜀で聞いた子規の声を連想し、望郷の念に駆られた気分を歌ったものだろう。数字を効果的に組み合わせているのは、李白の得意とするところだ。
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