李白の五言律詩「秋に宣城の謝朓北樓に登る」(壺齋散人注)
江城如畫裏 江城 畫裏の如く
山晩望晴空 山晩れて晴空を望む
兩水夾明鏡 兩水 明鏡を夾み
雙橋落彩虹 雙橋 彩虹を落とす
人煙寒橘柚 人煙 橘柚寒く
秋色老梧桐 秋色 梧桐老ゆ
誰念北樓上 誰か念はん北樓の上
臨風懷謝公 風に臨んで謝公を懷はんとは
川沿いの町は絵のように美しく、山に日が落ちる頃青空を見る、二つの川の澄んだ流れが町を挟み、二つの橋が川面に五色の二次のように姿を映す
人家の煙がたなびく中蜜柑が寒さを冒して黄ばみ、秋の気配の中で桐が葉を落とす、思いもよらず謝朓ゆかりの北樓の上に立って、風に吹かれながら謝公をしのぶことができた
謝朓は六朝時代の詩人で李白がことのほか敬愛したことで知られる。風景の描写に優れていた。宣城はその謝朓が太守として赴任していた町で、李白はしばしば訪れた。詩のテーマとなっている北樓は謝朓が建てさせたものだとされる。
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