李白の五言古詩「三峽を上る」(壺齋散人注)
巫山夾青天 巫山 青天を夾み
巴水流若茲 巴水 流るること茲(かく)の若し
巴水忽可盡 巴水は忽ち盡すべくも
青天無到時 青天は到る時無し
三朝上黄牛 三朝 黄牛を上り
三暮行太遲 三暮 行くこと太だ遲し
三朝又三暮 三朝 又三暮
不覺鬢成絲 覺えず 鬢絲と成るを
巫山が青天をはさんでそそり立ち、巴水はその名のごとく曲がりくねって流れている、巴水はやがて通り過ぎることができるが、青天は到達することができぬ
三たびの朝黄牛山を上り、見たびの暮を迎えたが遅々として船は進まぬ、三朝 又三暮、気がついたら鬢が白糸のようになっていた
夜郎に向かう途中、三峽に差し掛かったときの作、巫山では両岸絶壁が川においかぶさり、そのため空が挟まれて見える、また黄牛山は尽きるともなく連なっているので、それを過ぎるのには数日かかるといわれた、
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