上の写真(AP提供)は、ハッブル宇宙望遠鏡が送ってきた宇宙の最先端に近い部分の映像。一見しただけではなかなかわからないが、数千に上る新しい銀河が発見できるという。ハッブル宇宙望遠鏡は近赤外光を分析できるので、それを用いれば、宇宙の果からの情報も詳しく解析できるのだそうだ。
それによれば、これらの銀河ができたのはビッグバンから6億年後のこと。ビッグバンによって想像を超える大量の物質が放出され、それらが新たな空間を次々と生み出しながら拡散・膨張していく過程で、膨大な数の銀河群が誕生したと推測される。こうした銀河のそれぞれをもっと詳しく調べていけば、宇宙生成の謎が、すこしづつ解けていくだろう。
これらの銀河群が存在する空間は、地球から130億光年離れたところにある。1光年は10兆キロに相当するというから、それこそ気が遠くなるような距離だ。
それにしても、この写真からは、宇宙がいかに込み合っているかが見て取れる。我々が見上げる夜空は、星々が互いに適当な距離を置いて浮かび、その間には広大な虚無が開いているように見えるが、それは遠くの星が我々の眼に入ってこないことによる、錯覚のようなものだ。もしもすべての星が、位置の遠近に関わらず我々の眼に見えるとすれば、夜空には星が積み重なって、びっしりと空間を埋めてしまうだろうと想像される。
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