Face Book にアップロードされた二枚の写真が、おぞましい反響を引き起こしている。それらの写真からはイスラエルの女性兵士がパレスチナ人を侮辱している様子が明らかに読み取れ、またこの女性がコメントとして乗せている友人との会話の中で、パレスチナ人を口汚く罵っているところから、パレスチナ人の怒りは無論、イスラエル人社会からも厳しい非難を浴びた。
上の写真(AP提供)はそのうちの一枚。目隠しをされ、手ぐさりを課せられた三人のパレスチナ人の前で、イスラエルの軍服を着た女性が笑いながらポーズをとっている。コメントの中では、彼女の友人なる人物が、このポーズをセクシーだなどと褒めている。
この写真は早速パレスチナ人の猛反発をかった。パレスチナ政府のスポークスマン、ガッサン・ハティブ Ghassan Khatib は、こうした卑劣な行為はイスラエルによるパレスチナの不法占拠がもたらした道徳的腐敗を物語るものだと非難した。
イスラエル軍当局も、この行為に対して遺憾の意を現した。だがこの女性を処罰することは考えていないという。すでに退役したというのがその理由のようだ。
今回のこの事態は、おのずと1993年におきたアブ・グライブ事件を思い出させた。アメリカ兵がイラク人を裸にして侮辱しているところを撮影した写真が世界中にばら撒かれ、そのことが原因となって、アメリカ軍の道徳的な退廃が指弾されるにいたった事件だ。
今回のケースもアブ・グライブに劣らぬ問題をはらんでいると指摘する評者もいるが、いまのところ、この写真が巨大なスキャンダルに発展する可能性は薄いと、受け取られている。
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