今年は朝鮮戦争勃発60年にあたるというので、韓国ではさまざまな記念行事が行われているという。中でも、米軍とともに実施した戦闘再現のイベントが、大きな注目を集めた。上の写真(AFP提供)はそんなシーンの一齣。洛東江における、北朝鮮、中国連合軍と韓国、アメリカ連合軍の戦闘を再現したものだ。
朝鮮戦争が勃発したのは1950年6月25日、その時点では北の軍事力が圧倒的に勝っていたため、戦争の序盤は北が圧勝、韓国側は首都ソウルを奪われて南へ向かって敗退した。その年の9月には、両軍の全線は朝鮮半島最南部の洛東江まで退却した。
10月になると、米韓連合軍は体制を整えて反撃、米軍の仁川上陸作戦を契機として、逆に北側に攻め入った。こんなところから、洛東江の戦いは、戦争全体のターニングポイントになったといわれている。
60年記念行事とはいえ、いまの時期にこんなイベントを実施するのは、挑発的にもみえる。というのは、北による韓国軍哨戒艦撃沈事件以来、南北の間にはかつてないほどの緊張が高まっているからだ。
だがこのイベントは、急遽実施されたというわけでもない。すでに昨年のうちに、計画されていたものだ。その間に哨戒艦撃沈事件が起こったために、南北間の対立が改めてクローズアップされたということだ。
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