杜甫の七言律詩「詠懐其四」(壺齋散人注)
蜀主窺吳幸三峽 蜀主吳を窺ひて三峽に幸(みゆき)す
崩年亦在永安宮 崩年亦永安宮に在り
翠華想像空山裏 翠華想像す空山の裏
玉殿虛無野寺中 玉殿虛無なり野寺の中
古廟杉松巢水鶴 古廟の杉松に水鶴巢くひ
歲時伏臘走村翁 歲時伏臘に村翁走る
武侯祠屋常鄰近 武侯の祠屋常に鄰近
一體君臣祭祀同 一體の君臣祭祀同じ
蜀の君主は呉を伺ってここ三峽に行幸し、死んだのもやはりここの永安宮においてであった、その当時の旗の模様をこの空山にあって想像する、玉殿は野寺の中に埋没していまはない
古廟の杉松には水鶴が巣くい、年中行事の折々には村翁が走り回っている、あの諸葛孔明の祠屋も近くにあって、君臣仲良く祀られている
この詩は蜀の先主廟について歌う、その廟堂には主君と並んで宰相の武侯も一緒に祀られている
関連サイト: 杜甫:漢詩の注釈と解説
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