ミャンマー民主化運動のシンボル、アウン・サン・スー・チー女史が、7年半に及ぶ自宅軟禁から解放され、1000人の支持者を前に演説した。そのなかでスー・チー女史は、自分は軍事政権を憎んではおらず、話し合いにも応じる用意があると訴え、今後のミャンマー民主化に向けての決意を語った。
今回の解放は、総選挙の実施に続いて行われただけに、そこに抑圧的姿勢からの脱却をアピールしようとする、軍事政権側の意図を感じる見方もある。だが、ミャンマー民主化にかかわりを持ってきた人々は、軍事政権側のスタンスはほとんど変っていないとみている。
スー・チー女史の軟禁の期限はもともと決まっていたのであり、今回はその規定の期限どおりに開放されたに過ぎない。また選挙を行うにあたって、軍事政権側はスー・チー女史率いる国民民主連盟 NSL に対して抑圧的な姿勢で臨んだ。こんなところからも、軍事政権側が、民主化に向けて一定の理解を示していると見るのは間違っている、こうした見方が圧倒的だ。
それでも、ミャンマー民主化のシンボルであるスー・チー女史が解放されたことの意味は大きい。今後どれくらいの政治的自由が保障されるか、不透明なところもあるが、彼女の登場によって、ミャンマーの民主化運動に、勢いが生まれることは十分に予想される。
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