1990年代からこれまでの比較的短い期間に、500もの太陽系外の惑星が発見されたが、いづれも天の川銀河系内のものばかりだった。最近になってやっと、天の川銀河以外の起源をもつ惑星が発見された。
HIP13044bと名づけられたこの惑星は、天の川銀河の周囲をとりまく恒星のストリームの中で見つかった。このストリームは、かつて天の川銀河の周囲にあった矮小銀河が、天の川銀河に衝突した残骸だと推測されている。
惑星とその親星は、衝突する以前の古い矮小銀河の姿をとどめていると思われる。衝突は80億年前の出来事だが、親星は恒星の寿命の最終段階にあると思われており、赤色巨星となっている。普通親星がこの段階に突入すると、惑星は親星に飲み込まれてしまうものだが、どういうわけか、HIP13044bはいまだに親星の周りを公転している。
この惑星は、土星の25倍もの質量を持つ巨大なガスの塊で、水素とヘリウムから出来ていると推測されている。これまでに発見された惑星の大部分は、中核部分に鉄などの重い元素があり、その重力によって周囲の物質を集めて惑星になるプロセスをたどったと推測されるが、この惑星の場合、そのような核となる要素はない可能性が強い。その点で、天の川銀河系の惑星とは、大きな相違点を持っている。
(上の写真は、この惑星の想像図:Illustration courtesy JSW Art via Science/AAAS)
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