今年の冬は、ヨーロッパと北アメリカが強い寒波に襲われている。これらの地域は、昨年の冬もやはり強い寒波に見舞われた。
これは地球の温暖化が弱まっていることの現われかというと、そうではない、むしろ地球温暖化の影響によるものだと、ドイツのポツダム気候影響研究所が発表した。
彼らが主張する寒波発生のメカニズムは次のようなものだ。(AFP日本語版による要約)
「北極では、世界平均の2~3倍の速さで気温が上昇しており、過去30年間で海氷面積が20%減少している。
「研究チームは、スカンジナビア半島北方のバレンツ・カラ海(Barents-Kara Sea)の冬季の海氷面積の減少が天候パターンに及ぼす影響について、コンピューター・シミュレーションを行ったところ、次のような結果が得られた。
「海氷面積が減少すると、太陽の放射熱は、氷や雪で反射される量より、海に吸収される量の方が多くなり、温暖化が加速される。
「これにより、冬季にも広大な熱源(つまり海に吸収された熱)が存在することになる。海水が比較的温かいため、上空の冷たい空気との温度差により海から上空に向けて熱流が生じ、大気が温められる。
「その結果、海氷のない海の上空には勢力の強い高気圧が発生し、反時計回りに回転して、欧州に北極の寒気を流し込む。」
つまり、地球温暖化の影響が、均等にではなく、局所的に強く働く結果、影響の偏りがこのような現象をもたらすと考えているわけだ。
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