モスクワの交通渋滞は相当深刻なようだ。道路の整備がモータリゼーションの進行に追いつかないからだ。そこで道路整備の遅れを補う妙策として、空を活用したらどうだという議論が巻き起こっているそうだ。
言い出したのが、ロシア共和国副首相のセルゲイ・イヴァーノフだから、それなりの現実性はある。イヴァーノフはヘリコプターによるタクシー事業を認可することで、交通渋滞による時間的損失をカヴァーしてはどうだといっている。
だが今のところ、この話がとんとん拍子に進む見込みはないようだ。ロシアには「パンがなければケーキを食べたらよい」ということわざがあるが、このアイディアも、それに似たり寄ったりだという意見が大きいのだ。
それにモスクワは、ソ連時代から上空の飛行を厳しく制限してきた経緯がある。安全保障が主な理由だとする意見もあるが、モスクワっ子はどうも、上から覗かれるのを嫌うという指摘もある。
空のタクシー構想は数年前にも議論されたことがある。そのときには、モスクワと周辺都市を結ぶきめ細かな航空網が整備されるきっかけを作ったが、市内のタクシー事業を立ち上げるまでには至らなかった。(上の写真はプラウダ提供)
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