最近行われた有力民間調査会社の世論調査でショッキングな結果が出た。来年実施される大統領選挙にあたって、今の時点で誰に投票するかを聞いたところ、極右政党国民戦線の党首マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)女史が24パーセント近くで首位になったのだ。
一方現職のサルコジ氏は20パーセントで三番目、社会党はまだ候補者を決めていないが、かりにストロース・カーン氏が出たとしたら23パーセントを集めるだろうという結果だった。
選挙が行われるのは一年以上先なので、まだ決定的なことはいえないが、この数字が持つ意味は大きい。
フランスの大統領選は、一回目の投票で過半数をとった候補者がいない場合には、上位二人の間で決選投票が実施される。サルコジはその決選投票に残れる可能性が低いということだ。
マリーヌ女史の父親ジャンマリ・ルペン氏は、前回の大統領選でも台風の目になったが、実質的に選挙結果に影響を与えることはなかった。ところが次回はマリーヌ女史と社会党の候補者とが一騎打ちを演ずる可能性もあるわけだ。
国民戦線はジャンマリ・ルペン氏が1970年代に結成した極右政党で、露骨な人種差別と移民禁止政策が売り物だ。この政党がここまで躍進した背景には、西欧諸国の保守化傾向と半イスラム感情の浸透があると考えられる。(写真はAFP提供)
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