上の写真(ナショナル・ジオグラフィック)はニュージーランド・タスマン氷河の崩壊した模様を写したもの。先日(2月22日)の大地震の影響によるものだ。
タスマン湖に突き出た巨大氷河の先端部が、幅75メートル、長さ1200メートルにわたって湖に流れ込んだ形だ。氷の容積は東京ドーム20杯分に達したという。
タスマン氷河は震源地から200キロも離れたところにあるが、地震のエネルギーが大きかったことに加え、今シーズンの大雨で氷の密度が緩んでいたこともあって、大規模に崩壊したのだろうと推測される。
氷河のうち湖に注ぐタイプのものは、海に注ぐタイプと比べて、クレヴァスの形成が少ない。したがっていったん崩落が始まると、規模が大きくなる傾向があるといわれる。
なお崩落が起きた時間帯には、何組かの観光客がタスマン湖上にいて、崩落現場を目撃したそうだ。その人たちの証言によれば、砲声のようなすさまじい音響とともに、氷河の先端部が湖に流れ込み、その衝撃で3.5メートルの高さの波しぶきが舞い上がったということだ。
この地震は、20人以上の日本人が倒壊したビルの中で圧死するなどの大きな被害をもたらしたが、大きく離れた氷河地帯にも、思わぬ揺れをもたらしたわけだ。
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