上の写真(AFP提供)をみて、筆者は考え込んでしまった。これはシリアでの光景。両手を後ろ手に縛られて、路上に転がされているのは、政府軍によって拘束された反体制派の人々だ。
シリアでは6週間前に、反体制運動が始まった。無論、ジャスミン革命の一環を担う形での、民主化運動だった。だが次第に、父親から権力を引き継いだ独裁者アサドを倒すことに、標的が移ってきた。
民衆の反抗運動は、週を追うごとに激しくなり、一時はアサドも妥協点を探るかに見えたが、先週あたりから、政府軍の反攻が強くなった。
週があけて、25日になると、政府軍は反政府運動の中心地ダルアに軍や治安部隊を投入、デモ隊に向けて無差別発砲を行っているとの情報が流れてきた。というのも、アサド政権は外国人ジャーナリストを一人残らず国外追放したので、正確な情報がなかなか伝わらないのだ。
一説によれば、民主化運動が始まってからこれまでの6週間で、300人もの死者がでたともいう。
アサド政権が、反政府運動に対して強気に出ている背景には、リビアでの動きがあるのは否めない。カダフィは反政府運動に屈して殺されるよりは、最後の血の一滴まで戦う姿勢を鮮明にしている。アサドも、弱気が自分の身の破滅につながることを、恐れているのだろう。
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