百年三萬日 百年 三萬日
老病常居半 老病常に居半す
其間互憂樂 其の間互ひに憂樂あり
歌笑雜悲歎 歌笑 悲歎を雜ゆ
顛倒不自知 顛倒して自ら知らず
直為神所玩 直ちに神の玩ぶ所と為す
須臾便堪笑 須臾にして便ち笑ふに堪ふ
萬事風雨散 萬事 風雨散ず
自従識此理 自ら此の理を識ってより
久謝少年伴 久しく謝す 少年の伴を
人生はせいぜい三萬日、しかも大部分は老いと病だ、人生には喜びと悲しみがあり、歌と笑いには涙がともなう
人はわけもなく七転八起する、まるで神のつくったおもちゃのように、そしてほどなく過去を振り返っては笑う、万事が風雨の中に散ずるさまを
この理を知ってからというもの、自分は少年時代の友人たちと袂をわかったのだった
密州時代に、喬叙にあてて書いた詩の一遍、この時代の蘇軾の姿勢というべきものが読み取れる作品だ。
杭州時代のおおらかさに変わって、内省的な深さがうかがわれよう。
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