上の映像(NASA提供)は、形成されたばかりの原始星が、周囲の円盤から星間物質を吸収しながら、その一部を北極と南極からジェット噴射している様子を現したもの。この原始星はペルセウス座にあり、生まれてまだ10万歳しかたっていない、赤ん坊星だ。
これはヨーロッパの研究チームが、ハーシェル宇宙望遠鏡の赤外線装置を用いて捕らえたイメージだ。彼らによると、原始星は周囲の円盤状の星間物質から塵などを吸収して成長するが、その塵の成分には大量の水素と酸素が含まれている。原始星はこの水素と酸素から水の気体を作り出し、それを高速のジェット気流に乗せて放出する。
オランダのラース・クリステンセン氏によれば、毎秒の噴出量はアマゾン川の流量の約一億倍、速度は時速20万キロに達するという。放出された水の気体は、約7500億キロ離れたところで低音の物質とぶつかり、減速して衝撃波面を形成するが、その際に水の気体が冷やされて液体の水ができるらしいという。らしいというのは、まだ仮説の段階に過ぎないからだ。
研究チームによれば、太陽もこの原始星と同じようなプロセスを経て生まれ、成長した可能性が高い。だとすれば、この星を研究することで、太陽の生成のメカニズムと、そのなかで水がどのように形成されたかについて、貴重なヒントが得られるかもしれない。
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