蘇軾が獄中で死を覚悟し、弟の蘇轍に贈った詩二首のうちの二つ目である。自分が死んだ後に妻子が路頭に迷わぬよう、面倒を見て遣ってほしい、そんな気持ちが伝わってくる。
柏臺霜氣夜淒淒 柏臺の霜氣 夜淒淒たり
風動琅璫月向低 風は琅璫を動かし 月は低きに向ふ
夢繞雲山心似鹿 夢は雲山を繞り 心は鹿に似たり
魂驚湯火命如雞 魂は湯火を驚かし 命は雞の如し
眼中犀角真吾子 眼中の犀角 真に吾が子
身後牛衣愧老妻 身後の牛衣 老妻に愧づ
百歲神游定何處 百歲の神游 定めて何れの處ぞ
桐郷知葬浙江西 桐郷は知る 浙江の西に葬らるると
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